1967年アメリカ貧乏留学物語

1967年・所持金$200・スーツケース1個・英語能力ゼロ・単身アメリカへ

ビバリーヒルズでの日課ラジオ体操

2009-11-22 | アメリカ留学
アメリカの日本食の一部

ビバリーヒルズでの朝の日課・ラジオ体操
主のばあさんに要求され、毎朝5時に起きて、ラジオ体操そしてテニスをしている。



ばあさんは、たいそうラジオ体操が気に入っているようだ。
しかし大樹は、あまりラジオ体操を覚えていないので、毎回順番が違う。
大樹の思い通りに、第一・第二ラジオ体操が混合しているし、わからないときは
勝手に大樹が自分で考えたことをしている。


ばあさんはそれを指摘して、『私は覚えようとしているけど、マイク(大樹のアメリカ名)は、毎回順番が違うようだ。』と言う。
大樹は、言い訳に困った。
考えた挙句、大樹は、ばあさんに『毎日同じ動きをしないで、ばあさんの体の具合を考えながらしている』と言ってやった。
すると、ばあさんは、えらく感激し『オー マイ デアー』と言ってほっぺにキスをしてきた。


ばあさんが、友達もラジオ体操をしたいらしいと言っている。
人数を聞くと、これから声をかけてみるという。
そして、アルバイトで毎日ラジオ体操をすれば、かなりの小遣いになるというではないか。
この話は断ることはないと思い、何人位参加するのか知らせてもらうことにした。
ばあさんは金持ちのくせに、自分はタダにしろと念を押された。
本当にケチだ。



さて、大樹はラジオ体操の順番を覚えて確立しなければならない。
その日、学校が終わって日本人町(Little Tokyo)へ行き、本屋でラジオ体操の本を探したが見つけることができない。
そもそもラジオ体操の本などあったかどうかさだかではなかった。

日本の友達にすぐ、エアーメールでラジオ体操の本があれば送ってほしい、もしなければ順番を教えてほしいこと、そしてテープレコーダーで(当時はビデオもラジカセもない)NHKの朝のラジオ体操をテープに録音して送ってほしいと頼んだ。


ばあさんには、正しいラジオ体操を教えたいので、日本にいろいろ教材を頼んだから
それらが届いて始めると伝えた。

ばあさんはすごく感激していた。
さて・・どうなることやら・・・・??? でも小遣いになる・・・最高だ。


こんなものを食ってると豚になるはずだ!!!
大樹もかなりアメリカ的体系になってきた。

しかし日本から最近来た日本人の男性は、体が貧相で、細くナヨナヨな男性が多く
アメリカ女性には人気がない。
もっとたくましい男性がもてるよ!!!世界では!!!
バーバラいわく!!

(40)アニータノ品物の処分&トップレスバー

2009-11-17 | アメリカ留学
大樹は友人のボッブを連れて、アニータのアパートに処分する品物を見に行った。
キングサイズベッド・ダイニングテーブルセット・照明器具類12点・時計・シャンデリア・6人用革製ソファ・テレビ・台所用品一式・掃除機・冷蔵庫・洗濯機 等々かなりの品物がある。


ボッブが『これだけ多くの品物をフリーマーケットで売るには、すごく時間がかかるし
経費もバカにならない。』と言う。
それもそうだ。
ボブが『知ってるリサイクル屋に連絡して取りにこさせるよ。』と言う。
『じゃーそうしよう。』
早速電話すると、リサイクル屋は夕方来ると言う。



それまで時間があるのでボッブと日本人町(Little Tokyo)へ行くことにした。
別に目的などない。
相変わらずリトル東京は、大昔の地方の日本の町のようだ。
ボブに品物を運ぶ手伝いをさせて、その代りに日本人留学生の女性を紹介することになっている。

ボブに今川焼を食べさせると、やけに気に入って6個も平らげた。
ボブは身長190cm位、体重はゆうに100kgは超えているだろう。
彼に紹介しようと思っている日本留学生の女性は、特に小さい。
たぶん身長155cm位だろう。



リトル東京をぶらぶら歩いていると時間が来たので、大樹の愛車コルベアーに乗り
またアニータのアパートまで帰った。
少しすると、黒人のリサイクル業者が来た。

黒人はダニーと言う。ダニーは商品を見て目を丸くして驚いていた。
大きいトラックで明日また来ると言っていた。
引き取り金額は全部で$1500と言う。凄い!!!
大樹はアニータからもらったお金がまだ$1000位あるので、大樹の財産は$2500
になった。

この金額で学校の授業料を1年分払うことにした。
大樹はすでにロスアンゼルス・シティーカレッジに入学していた。
授業料さえ払えば、何があっても心配ない。
【アニータ・ありがとう!!!】
アニータは彼女の祖国で革命が起き、帰ったきり連絡がつかない。
心配だがどうしようもできない。



ボブに今夜、ダウンタウンのトップレスに行こうと誘うと、ボブは嬉しがっていた。
今夜は大樹がおごるつもりだ。

トップレスバーに行くと大樹にIDカードを見せろと言う。年齢確認だ。
大樹はすでに成人していたので、逆らわず素直に運転免許証を見せ、店の中に入った。
大樹ははじめての経験だ。
ボッブは何回か来たことがあるらしい。


カウンターとボックス席がある。
大樹とボブはカウンターに座った。
なぜか・・・???
目の前に女のおっぱいを見ることができるからだ。

店はかなり広い。
カウンターに沿って2メートル幅位のステージがある。カウンターとステージは
店の周りを張り廻られている。

二人はビールをオーダーした。こんな場所ではウイスキーはオーダーしない。
ましてやブランディー・シャンパンなど、もってのほかだ。
いくらとられるかわからない。

ガンガン大音量でロックミュージックがかかっている。
その音楽に合わせて、おっぱい丸出しの女たちが踊っている。
大樹は、おっぱいを見てもなんとも思わないが、ボブは最高に興奮している。
ボブが女のおっぱいを触ろうとして手を伸ばすと、女がボブの手に噛みついた。
トップレスバーでは女に手を出すこと(触る)は禁じられている。

ボブは頭に来たらしく、盛んに『FUCK!』を連発で叫んでいる。
ビールを3杯ほど飲んで、外に出た。
ボブは今夜は女がほしいらしい。
大樹はボブをハリウッドのコールガール達がたむろっている、カフェーまで
送り、家路へと向かった。

(39)大樹、ビバリーヒルズでの日課

2009-11-06 | アメリカ留学
ビバリーヒルズでの日課

朝5時に目が覚め、外はカラッと快晴でカリフォルニアの青い空。
木々に囲まれ、プールの上なのでひんやりし、気持ちがいい。

久しぶりに第一ラジオ体操でもしてみようと思い、テニスコートの横で
ラジオ体操を思い出しながら体操をしていると、リスがそばまできていた。
逃げないのだ。大樹は落ちている木の実を手の平にのせてリスに差し出すと、
リスは首をかしげながら大樹をジッと見ている。

遠くから『マイク・マイク』と呼んでいる声が聞こえる。
大樹を呼んでいる。
主のばあさんだ。よく見るとテニスラケットを持っている。

そしてブヨブヨのモモ部の足を丸出しの短いスコートを身につけている。
【Oh ! My God !】
見たくもない物を見てしまった。

気持ちのいい朝の気分が吹っ飛んだ。
これからこの見事にブヨブヨな肉を毎朝見なければならないのだ。
うんざりしたが仕方ない。

ばあさんに大樹は日本のラジオ体操を教えた。

太っているし体がかなり堅いので、ろくに体を曲げたりできない。
しかし、ばあさんはラジオ体操が終わると、大樹に体操の選手だったのかと聞いてきた。
日本では学校で毎日この体操をすること、この体操は第二次大戦の時、日本兵がしていたこと等などレクチャーをしてやった。あってるかな????

体操の後、ばあさんは気持ちがいいと言っていた。気にいったらしい。
そして毎朝このラジオ体操をしたいと言っている。


さて次はテニスだ。
大樹はテニスは経験がない。しかし中学・高校と日本では野球部だったので、
何とかできる。

サーブを打つとばあさんの前にボールがいかないで、あっちに行ったりこっちに行ったり
めちゃくちゃだ。

ばあさんはその都度、はーは―言いながら走り回って、大樹が打ったボールを、
一回もボールを打つことができない。
そしてばあさんが息が切れそうになったので、少し休憩した。


最後にはばあさんは怒りだした。
まともに私をめがけて打てと言う。
そんなこと言われても、ボールがまともに行かないので仕方ない。

ばあさんに、これから朝5時に起きて、まともにボールをまっすぐ打てるまで毎朝1時間
壁打ちをするように命令された。
もしそれでもうまくいかないならば、コーチを雇うと言う。

しかし、とにかくスコートは履かないでほしいと思ったがそんなことは言えない。
白人はなぜこんなにブヨブヨになるんだろう。
肉食人種だからだろう。

7時までテニスの相手をし、そのあとは8時まで庭掃除だ。
8時になるとシャワーを浴び、学校へ行く用意をした。
ばあさんが、今日は車に乗らないから、ばあさんの白のベントレーに乗って
学校へ行っていいと言う。
面白い。今日はベントレーに乗って学校へ行くことにした。
日本人の金持ちボンボン留学生たちはどんな顔をするのか楽しみだ。

(ラブレア通りにある超有名なハンバーガーショップPINKSの店内に、ハリウッドスターに交じれて、美川憲一の写真を発見!!WHY???? 現在の出来事)

ばあさんがランチのサンドイッチを作ってくれる。
紙袋に入れたサンドイッチを持たされた。
学校でランチの紙袋からサンドイッチを出すと、これがなんと貧相なサンドイッチだ。
マヨネーズをパンに塗り、薄っぺらいハムとレタスだけのサンドイッチだ。
自分で作った方がいいと思ったが、ばあさんの好意で持たせてくれているので我慢した。



金持ちボンボン留学生たちが、大樹の乗っている真っ白のベントレーを何も言わないで
憧れのまなざしで見ている。
大樹はなんだか優越感にしたっていた。

その時、大樹は将来何か事業を興し、彼ら金持ちボンボンたちを、あっと言わせてやろうと決心した。
彼らは日本に帰れば、親の後を継ぐレールは敷かれている連中だ。
ただアメリカ留学(遊学?)の肩書をつけるために来ている。

授業が終わり、大樹は真っ白のベントレーで、ダウンタウンのハンバーガーで有名な
トミーズハンバーガーショップに寄ってチリバーガー、チリドッグ、そしてチリタマレス(説明できないけれどメキシカンフードで大樹は大好きだ)を買ってベントレーの中で食べた。
食べていると、メキシカンの女の子が近寄ってきてドライブに連れて行ってと言う。
しかし時間がないので、電話番号を聞き今度連れて行く約束をして、一人で
ウイルシャー大通りを走り、ハリウッド近辺そしてサンセット大通り近辺をドライブして帰った。

夜バーバラが大樹の住処に来た。今夜は泊るそうだ。
バーバラはGrass(マリワナ)を持ってきていたので、二人で吸い夜を楽しんだ。
【1968年代の話しで、カリフォルニアは合法である】



バーバラが今度ウッドストックの音楽祭に行こうと言う。
大樹はこの時すでにヒッピースタイルで顎から口まで髭を生やしている。
髪もロング。正に本場のヒッピーだ。
このスタイルはバーバラのお気に入りだ。