うるしのまわり

   塗師の日々から

真空ろくろと回転風呂

2012-07-23 | うるしのまわり
以前書いた「京都の棗」という題での長文の中で
真空ろくろと回転風呂について触れました。

その点について
【岩渕は 真空ろくろと回転風呂をダメだと言っている】という説が
同業者の間に広まっているようです。

明言しておきますが、否定など一切していません。
私も「時期が来たら」導入するでしょう。

「目的」のためにベターな作業手段を選択するのは当然のこと。
こんな便利なものを活用しない手はありません。

私の今の「目的」は、
電動の設備などなかった時代に作られた絶妙で複雑な形を持つ「棗や茶器」を研究することで
その美しさの秘密を我がものとし、自分の技術を向上させること。

その「作り手としての欲望」から「あえて」便利な工具の活用を「控えている」のです。
そして、作業場の事情や現在までの仕事の種類や内容から「導入は後回し」となっているのも事実です。


【ロクロで研いで作った棗は美しいと思えない】という一節も、反発を招いているようです。

<岩渕、そう言うあんたの棗こそ、これっぽっちも美しいと思わない>
そのご批判もごもっともです。
「主観」はあれど「正解」なんてどこにも存在しないのですから。

ただ、これからも自分が大事だと思うところを追求するだけです。
その先に大きな失敗が待っているかもしれません。
笑いたい奴は笑えばいい、こき下ろしてスッキリしたければそうしたらいい。
それだけのことです。
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挑交会展 終了しました

2012-07-23 | うるしのまわり
先日まで京都高島屋画廊で開かれておりました挑交会茶道具展は、無事に終了いたしました。
前半は雨、後半は猛暑と祇園祭の混雑の中、たくさんのお客様に恵まれ
本当にありがたいことでした。

茶道具というちょっと特殊な美意識の世界に、自分なりのテーマを持って臨んだ今回の展示。
ご覧になった方にどんな印象を残したのか、大変気になるところですが、
自分なりの反省点と、メンバーからの意見、お客様からのお言葉をよく咀嚼して
今後の制作に活かしていきたいと思います。

このような機会に恵まれましたこと、感謝しております。
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