うるしのまわり

   塗師の日々から

うるし教室 水曜夜間コースが始まります

2011-03-29 | お知らせ
昨年から京都の漆問屋 加藤小兵衛商店さんで、うるし塗り教室の講師をさせていただいております。

この4月から水曜夜間のコースが開設されることになりましたのでお知らせいたします。

漆工芸の基礎を学んでいただくのはもちろんのこと、
このブログに書いてきたような 漆や工芸に関するさまざまな話題を
もう少し深いところまでふんだんに織り込みながら
楽しい時間をつくって参りたいと思います。

当ブログへは「金継ぎ 京都」で検索して来られる方が数多くいらっしゃいます。
金継ぎに興味を持っていただけるのは、とてもうれしいことです。

実は金継ぎや修理というものは「応用問題」なんです。

様々な知識を総動員し、キズの状態に合った可能な限りベストな工程を
選択できるようにならなければ、カルチャー教室的金継ぎから先に進むのは
なかなか難しいと思います。
とはいえ、漆の基礎とちょっとしたノウハウの積み重ねですから、
どなたにもマスターしていただけるものです。

当教室では基礎を学ぶ教材も用意していますし、
店頭ではお椀や盆などの様々な木地も販売しております。
また、持ち込みでの作品づくりや修理も大歓迎です。

講座の時間は夕方6時から夜9時までの3時間。
お仕事の都合などで6時までに入るのは難しいという方も
時間が短くなってしまう分、濃縮して作業を進められるよう配慮いたします。

まずは見学にいらっしゃいませんか?
詳しくは加藤小兵衛商店さんへお問い合わせ下さいませ。
HPに教室の詳細がアップされております。

なお、水曜午後のコースも担当しておりますので
どうぞご検討下さい。

(株)加藤小兵衛商店(ホームページ
  〒600-8063 京都市下京区松原通富小路西入る松原中之町478
  TEL 075-351-1932 ・ 7983
  FAX 075-351-7966

最寄駅:阪急河原町、阪急烏丸、京阪五条、地下鉄五条 いずれからも徒歩約12分

コメント (5)
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樂吉左衛門還暦記念展 第二期「個展「天問」以後今日まで」

2011-03-29 | うるしのまわり
前回訪問から約4ヶ月の間に、自分の中に何か進歩があったのかどうかを確かめたくて
一碗一碗、すべてにどんな茶器をあわせるか、考えました。
その茶器は、自分が作ることを大前提にしていますから、
再現しようのない個性を持った過去の大名品のいくつかはあえて除外しています。

使い手にとっては、合う合わないの好みの問題かもしれませんが
作り手にとっては、食うか食われるかの真剣勝負。
頭の中では、ありふれた茶器がことごとく敗れ去っていきます。
どの碗も あまりに強い個性を放っていますから、
隣に置いた瞬間 響きあうどころか呑み込まれてかすんでしまうのです。

個人的に思ったのが、この第二期の作品群には
真塗中棗、大棗は微妙に合わないということ。
そして、面取りしたり段を付けてみたり 細工をするのではなく、
また、オブジェのような形で張り合うのではなく
ひとつのかたまりとしてすっきりしたシルエットが必要なんだということ。

長い時間をかけて約9割の作品にひとつずつ、
これじゃないかというものをイメージしていきました。
その結果、3種類に絞り込めた気がします。
うちひとつは経験のあるもの。あと2つは木地の図面を一から検討しなければなりません。

全く案の浮かばなかったものもあり、勉強不足を痛感したのでした。
それでも、一年後かもっと先か、納得のいくものができたら
樂さんとお話ししてみたいと思います。
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