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大内麻紗子の【好きなことを好きなだけ】ブログ

考えさせられた一冊


チームラボ代表の猪子寿之さんと評論家の宇野常寛さんの対話を本にまとめた「人類を前に進めたい-チームラボと境界のない世界-」を手に取ったのは、チームラボプラネッツTOKYOを体験しに行った時でした。

帰り際に覗いたショップに置かれていて、最初のページに目を通した瞬間、買おうと決めました。

チームラボという名前はもう何年も前から耳にしていて、ずっと気にはなっていたのですが、実際に作品に触れたのは今回が初めてでした。

国内よりも国外での方がもしかしたら評価が高いのかもしれないチームラボの作品たち。

先日、イーロン・マスク氏が来日した折にもまず最初に立ち寄ったことで話題になりました。

どうして今この作品が世界的に評価されているのか、それを知りたくてこの時は東京へ出張するタイミングに合わせて行ったのです。

だからこの本を手に取ったのも必然でした。

猪子さんの頭の中を覗くことができるわけですし、また作品を理解するには最高の一冊だと思います。


この中で言っているのは兎にも角にも「境界をなくしたい」ということ。

その考えが中心となって数々の作品が生み出されています。

あるものは作品同士の境界がなくなり、またある作品は人と人との境界がなくなり、そしてある作品では人と作品の境界がなくなる

〝境界〟を曖昧にすることで、「人々の関係性を変化させ、他者との関係性をポジティブに変えていく」のがこれらの作品のコンセプトになっているのです。

またチームラボには自然を使った作品も数多くあります。

一般的な感覚としてデジタルと自然というのは対立関係にあるように思いますが、実はそうではないというのです。

デジタルは非物質的であるから逆に自然と融合しやすいというのです。

この考えは目から鱗でした。

でも考えてみると確かにそうかもしれなくて、実際の作品写真と解説を見比べながらうーんと唸ってしまいました。

とても新しい発見でした。


こうした作品の解説を交えながら進められていく猪子さんと宇野さんの対話は切れ味抜群です。

宇野さんの評論家ならではの断言する話し口調も説得力があります。

ちょっとそれは言い過ぎじゃない?と思っても読み進めるうちにそうかぁと納得されされるのです。

ただもちろん全部に賛同できるわけではないので、引っかかる部分は何故私はこの意見に引っかかったのだろうと理由を考えるようにしました。

それもまたこの本を読む上での楽しみ方のひとつかなと思います。


さてそんな「人類を前に進めたい-チームラボと境界のない世界-」ですが、もちろん何かしら自分の作品づくりに活かせる部分があれば活かしたいと思って読んでいるわけです。

しかし残念ながら私の頭のメモリはこのTBの時代に128MBしか容量がないので、読んだ先から抜け落ちていくか、ただ活字を眺めているだけで理解できないという現象がおこります。

その現象をなんとか最小限に止めようと、ところどころメモを取っておいて後で見返すわけです。

今回のブログもそんなメモを見ながら書いています。

最後にそのいくつかをここに書き残しておきたいと思います。

掘り下げた内容を知りたい方はぜひ「人類を前に進めたい-チームラボと境界のない世界-」を読んでみてください。(メモは実際の文章とは異なっている部分もあります)

2019年発行の本なので、それから時代はさらに変化をしていますが、デジタルと人との関わり合いによって人と人との関わり合いが今後どうなっていくのか、読み終えた時には少し見えてくるかもしれません。


[メモ]

・これまでは「自分と肉体と世界には境界がある」身体の境界をなくすことで「世界や他者と自分は連続しているものであるという感覚」へと変化する

・デジタルを通すことで自然の圧倒的な時間のスケールを感じることができる

・猪子さんにとってアートとは何か?「人間にとって世界とは何か?」「人間にとって人間とは何か?」

・他人の物語に感情移入する時代(マンガや映画etc.)から、自分の物語を語る時代へ

・情報に還元できるものは希少価値を帯びなくなっていく

・時間のスケールを超える作品へ

(引用元:猪子寿之×宇野常寛 2019 人類を前に進めたい 株式会社PLANETS



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