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大内麻紗子の【好きなことを好きなだけ】ブログ

境界線に触れる

今回の作品「何者かであって何者でもない者たち」は、バーチャルとリアルの境界線を漆を使って表現した作品で、アバターシリーズ第二弾として制作しました(第一弾は「Independent Tokyo 2023 」に展示をした〝Avatar of emotion〟)

現代において、ゲームやSNSなど、誰もがアバターを保有しています。

自分の分身としてキャラクターを動かし、デジタル空間でコミュニケーションを取り、バーチャルの世界で生きています。

そんなアバターですが、実は紀元前の古くから壁画や土偶などで表現され、自然界で生き抜くための分身としての役割を持っていました。

活用の仕方こそ異なりますが、アバターに命を吹き込むという行為は、何千年前も、進化してデジタルというものが生み出された現在も変わらないのです。

生活の一部となり、昔も今も生きる上で欠かせないものとして存在しているアバターというものに、私は強く興味を抱いています。

今回そんなアバターを使った作品として〝境界線〟をテーマにしたのは、以前から境界線とは何かということについて考えていたからでした。

今年から工芸とアートの境界線に挑んでいるのも、そうした境界線の在り方に疑問を持ち、この境界線を飛び越えた先に新たな可能性があると思ったからです。

こうしてみてみると世の中には様々な境界線があります。

しかしここ数年、ダイバーシティが叫ばれたり、二刀流が認められたりと、これまでの常識やルール、価値観でガチガチに囲っていた柵を取り払うことで、新たな可能性が広がることを私たちは体感してきました。

デジタルの分野でも、AIの発達と共にバーチャルとリアルの境界線もなくなりつつあります。

しかしなんでもかんでも境界線がなくなればいいのでしょうか。

未来への希望と同時に混沌とした闇を感じるのは私だけでしょうか。

これは自分への問いかけでもあります。

「何者かであって何者でもない者たち」では、その昔、土偶にも使われていた漆を用いて、境界線に揺れる現代のアバターの姿を表現しました。

過去と未来の境界線もまた、なくなろうとしているのかもしれません。


avatarシリーズを紹介する簡単な作品サイトもつくっています♪↓

Urushi avatar

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漆で未来を描く

Urushi avatar

 




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