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「浦島説話」を読み解く

「浦島説話」の時代を生きた古代人の人間観を歴史学、考古学、民俗学、国文学、思想哲学、深層心理学といった諸観点から考える。

「一陰一陽、これを道という」

2011-04-16 21:49:43 | インポート
「「道」は「無」ともよばれているが、「その中に象(かたち)あり」「その中に物あり」ともいわれている。まったく何もない、ということではない。では、混沌の中から現われてくる(かたち)とはどのようなものであるのか。そしてそれは、どのようにして現われてくるのであろうか。
繋辞伝の別の箇所には、「一陰一陽、これを道という」とある。「道」とは陰と陽のはたらきが交代するパターン変化を意味する、という意味である。「気」という言葉はまだ使われていないが、やがて、この陰と陽のはたらきの交代を説明するために、「気」という言葉が使われるようになる。それは、万物の秩序に浸透し流動している形なきエネルギーである」(湯浅泰雄 身体の宇宙性 p43 岩波書店 1994年)。

「道」とは、道教の概念であると同時に、易の概念とも通じている。
伊預部馬養連は、主人公と神女が異界である「一太宅之門」をくぐって中に入り、そこで「夫婦之理」(男女交合)について描写している。本論は、この部分の記述が、「太極」「太一」「道(タオ)」を前提にして「陰陽合一」を象徴的に表現したものと解している。

浦島説話研究所