「ところで一般的にいえば、心理学的視点を重んじるということは、その思想を生み出した実践的体験的基盤を重視することを意味する。これは何も中国思想の研究に限った問題ではないが、文献だけを基礎にした従来の思想史研究では、哲学的世界観の理論的分析が中心になり、それを支えた心理的体験の基盤は閑却されやすい。しかし、仏教や道教のように瞑想を主体とした修行法の体系をもっている宗教の場合には、理論的分析に先立ってそういう実践的体験の基盤について検討しておくことが必要であろう」(『黄金の華の秘密』訳者解説=湯浅泰雄)より引用転載-48
「浦島説話」は道教の影響を看取できるが、道教が「瞑想を主体とした修行法の体系をもっている」、深層心理学の観点からいえば、宗教経験とは無意識の体験にほかならない。こうした事柄は、仏教や道教に限定されるものではない。無意識の体験という意味において、すでに普遍的要素を内包しているのである。
「浦島説話研究所」
「浦島説話」は道教の影響を看取できるが、道教が「瞑想を主体とした修行法の体系をもっている」、深層心理学の観点からいえば、宗教経験とは無意識の体験にほかならない。こうした事柄は、仏教や道教に限定されるものではない。無意識の体験という意味において、すでに普遍的要素を内包しているのである。
「浦島説話研究所」