「子どもの頃よくこれでおままごとしてたなぁ」
と、汐入公園の草花を見てかあちゃんが言った。
天草の田舎の家では花子という馬を飼っていて、爺ちゃんに引かれた裸馬に乗って畑へ行ったかあちゃんは「ギシギシ」を摘んで遊んだのだと言う。
そして馬の花子は「ギシギシ」をムシャムシャ食べたのだそうな。
なんだけど、「ギシギシ」ってなんだ⁇
これだよと指差す草を見てもピンとこない。
こんなもの今まで意識したこともなけりゃ名を知りたいと思ったこともなかった。
しかもそれが「ギシギシ」だなんて、きっと天草弁だろうと思ったけれど、困ったときの便利アプリ「ハナノナ」先生に教えてもらうと、
「ギシギシ」だっ!(◎_◎;)
色のちょっとちがう別のやつにもカメラを向けると、やっぱり「ギシギシ」。
なんだこれ‼️
ってことで調べてみれば、
『ギシギシはタデ科の多年草。別名、シノネ、ウマスカンポ、オカジュンサイなどともよばれる。生薬名および中国植物名は、羊蹄。市街地周辺から山地まで分布し、やや湿ったところに群生する。春から夏に淡緑色の花を房状に咲かせる。食べられる野草としても知られ、ぬめりのある春の若芽を採取して利用される。根は便秘や皮膚炎に薬用される』
とあった。
なるほど、食べられる薬草ってのを馬の花子は知っていたっちゅうことですな。
それにしても「ギシギシ」なんて名がなぜついたのかとかあちゃんに言うと、茎をこすり合わせるとギシギシって音がするからじゃない、と。
まあそういう説もあるようだが、「ギシギシ」ってヤツはなかなか曲者で、その繁殖力の旺盛さで畑の害悪雑草と言われてるそうな。
それに畑だけじゃなく土さえあればどんどん繁殖するらしく、よくよく公園内を見てみれば至るところに「ギシギシ」がいっぱい、まさに侵略状態。
15年前にこの汐入公園を走り出した頃から今日まで、この場所に「ギシギシ」が大繁殖してるなんてちーとも知らなかった。
この生命力の強さ、天変地異が起きて生物が滅びそうでも、しぶとく生き残るのは植物と昆虫だよなぁとあらためて思った。
感心しながら歩いていくと、また見慣れない花を発見。
これは「ウワミズザクラ上溝桜」という名札が付いていた。
これは「ウワミズザクラ上溝桜」という名札が付いていた。
葉がサクラに似ていることから「上溝桜」となったようだが、バラ科ウワミズザクラ属の落葉高木ということだ。
一口に桜といってもいろいろ、人生いろいろ、それにしてもいい歳して知らないことばかり。
うかうかしてたら「ギシギシ」星人に侵略されちまっても、ぜーんぜん気がつかないだろうさぁ・・・。