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弟の友人が迎えに来た。数十年前に一緒に遊んでいた彼らだった。しかし、イマイチ気が乗らない。停車中のバスの中で待っているというが、それらは一般的な大型路線バスのように見える。一番後ろに座り、窓枠に肘をついて手のひらで頬を支えている、いくらか暇そうな憂鬱そうにも映る横顔。多分二人いるはずだったが一人の姿しか確認出来ない。
そういえば自分と同年の友人と遊ぶ約束をしていたことにふと気が付き、外に出ようかとするが思い留まってやはり止めてしまう。
仕事の時間が迫っているので、弟に対してはバスの中の彼らには会えないと伝える。大文字のFの形に配置されたボロい木製の桟橋にはいくつかの手漕ぎボートが係留されている。下に覗ける海は底まで透き通る、とても綺麗な水色だ。海の上に掛かる桟橋の上を歩きながら仕事に向かおうとするが、後ろで何もせずに突っ立っていた弟から突然に文句を言われたのだった。
時間は07:28だったので、その感じからすると以前勤めていた工場だったのだろう。
弟の友人が迎えに来た。数十年前に一緒に遊んでいた彼らだった。しかし、イマイチ気が乗らない。停車中のバスの中で待っているというが、それらは一般的な大型路線バスのように見える。一番後ろに座り、窓枠に肘をついて手のひらで頬を支えている、いくらか暇そうな憂鬱そうにも映る横顔。多分二人いるはずだったが一人の姿しか確認出来ない。
そういえば自分と同年の友人と遊ぶ約束をしていたことにふと気が付き、外に出ようかとするが思い留まってやはり止めてしまう。
仕事の時間が迫っているので、弟に対してはバスの中の彼らには会えないと伝える。大文字のFの形に配置されたボロい木製の桟橋にはいくつかの手漕ぎボートが係留されている。下に覗ける海は底まで透き通る、とても綺麗な水色だ。海の上に掛かる桟橋の上を歩きながら仕事に向かおうとするが、後ろで何もせずに突っ立っていた弟から突然に文句を言われたのだった。
時間は07:28だったので、その感じからすると以前勤めていた工場だったのだろう。