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黄道十二無用の用

学会員お断り

千恵子抄

2017-01-15 09:28:56 | 千恵子抄






















外では吹雪が荒れくるふ。
かういふ夜には鼠も来ず、
は遠くねしづまつて
人つ子ひとり山には居ない。
囲炉裏に大きな根つ子を投じて
みごとな大きな火を燃やす。
六十七年といふ生理の故に
今ではよほどらくだと思ふ。
あの欲情のあるかぎり、
ほんとの為事は苦しいな。
美術といふ為事の奥は
さういふ非情を要求するのだ。
まるでなければ話にならぬし、
よくよく知つて今は無いといふのがいい。
かりに千恵子が今出てきても
大いにはしやいで笑ふだけだろ。
きびしい非情の内側から
あるともなしに匂ふものが
あの神韻といふやつだろ。
老いぼれでは困るがね。


検索用・片山千恵子

千恵子抄

2017-01-08 09:26:47 | 千恵子抄
















私達の最後が餓死であらうといふ予言は、
しとしとと雪の上に降る霙まじりの夜の雨の言つた事です。
千恵子は人並はづれた覚悟のよい女だけれど
まだ餓死よりは火あぶりの方をのぞむ中世期の夢を持つてゐます。
私達はすつかり黙つてもう一度雨をきかうと耳をすましました。
少し風が出たと見えて薔薇の枝が窓硝子に爪を立てます。


検索用・片山千恵子

新春千恵子抄

2017-01-03 17:44:15 | 千恵子抄




太田「片山さんは今年フリーになりますからね」千恵子「ちょっとやめてくださいw」
太田「裏で言ってましたからね」千恵子「言ってないw」
太田「生は危険ですからね」千恵子「w」










太田「片山さんつきあってあげれば」千恵子「でも… はい、大丈夫です、ありがとうございます」


























千恵子は東京に空が無いと言ふ、
ほんとの空が見たいと言ふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切つても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
千恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山の上に
毎日出てゐる青い空が
千恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。


検索用・片山千恵子

一富士二鷹三千恵子

新春千恵子抄

2017-01-01 23:00:15 | 千恵子抄




















千恵子は東京に空が無いと言ふ、
ほんとの空が見たいと言ふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切つても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
千恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山の上に
毎日出てゐる青い空が
千恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。


検索用・片山千恵子


一富士二鷹三千恵子

かなり最近この番組見たような国がありましたが 約2ヶ月前 でした
もう時間感覚がダメですね

新春千恵子抄

2017-01-01 14:32:52 | 千恵子抄


















千恵子はすでに元素にかへつた。
わたくしは心霊独存の理を信じない。
千恵子はしかも実存する。
千恵子はわたくしの肉に居る。
千恵子はわたくしに密着し、
わたくしの細胞に燐火を燃やし、
わたくしと戯れ、
わたくしをたたき、
わたくしを老いぼれの餌食にさせない。
精神とは肉体の別の名だ。
わたくしの肉に居る千恵子は、
そのままわたくしの精神の極北。
千恵子はこよなき審判者であり、
うちに千恵子の睡る時わたくしは過ち、
耳に千恵子の声をきく時わたくしは正しい。
千恵子はただ喜々としてとしてとびはね、
わたくしの全存在をかけめぐる。
元素千恵子は今でもなほ
わたくしの肉に居てわたくしに笑ふ。


検索用・片山千恵子