ウクレレとSwing(スヰング)音盤

Ukulele Masters in Japan 1960-1964 (2000) / Herb Ohta, Eddie Kamae


2000年にビクターからリリースされた、オータサン最初期のレコーディングを収録したコンピレーションCD。まだ地元ハワイ、アメリカ本土でのレコードデビューよりも以前に、師匠エディ・カマエの紹介で日本のビクターに吹き込んだ10インチレコード「南の夜のウクレレ・ムード (1961)」、「ウクレレ・ラテン・ムード (1963)」など複数の音源からコンパイル。

その後何度も再演される事になるレパートリーも含まれており、最初からハワイアンの枠に収まらず、ラテンからジャズまでウクレレという素朴な楽器1本を駆使して見事に表現してしまうオータサンの原型を既にここで聴くことができる。

後半にはオータサンの師匠であるエディ・カマエによる、同レーベルへの吹き込みも併せて収録しているが、元々は両者の共演による新録アルバムの企画が進んでおり、実現しなかったようである。同氏のウクレレによるインスト演奏はこの他にハワイのMahalo Recordsから出した「Heart Of The Ukulele」というアルバム一枚しかない。

収録曲
1~10、 「南の夜のウクレレ・ムード (1961) /ハーバート大田とハワイアン・オーケストラ」より全曲を収録
(オリジナル盤はモノラルであったが、ここではステレオ・バージョンで復刻)

1ピーナッツ・ベンダー
2カルア
3マナクーラの月
4恋人よ、アロハ
5スイ-ト・レイラニ・メドレー
(SWEET LEILANI~HOLOHOLO KAA~ KAULANA O HILO HANAKAHI)
6森の小径
7ロンリー・ワン
8ポインシアーナ
9ジェラシー
10南国の夜

11~14、ステレオ盤「ウクレレ・ラテン・ムード (1963) / ハーバート太田のウクレレとラテン・コンボ」6曲中4曲をオータサン自身が選曲し収録。なお正しい字は「大田」だが誤字の「太田」でクレジットされた。

11ベサメ・ムーチョ
12ムーン・イズ・イエロー
13イエスタデイズ
14クマーナ
- ここまでアーティスト: ハ-ブ・オオタ

15~16、後に1995年のCDアルバム「Together Again」(アルファ)で本格的な再共演を果たす事になる、ジャズ・ミュージシャンのMauricio Smith(Flute)が編曲を担当した音源。明記がないが1963年~64頃、ハワイ帰国直前の録音のようだ。

15エンジェル・アイズ
16鈴懸の径
- ここまでアーティスト: ハーブ・オオタ/マリシオ・スミス

17~26、「南海のウクレレ・ムード (1960) / エディー・カマエ」より全曲を収録

17珊瑚礁の彼方
18マラゲーニャ
19愛の誓い
20鈴懸の径
21ケ・カリ・ネイ・アウ
22シー・ブリーズ
23愛の調べ
24サマータイム
25荒城の月
26アロハ・オエ
- ここまでアーティスト: エディ・カマエ

オータサンはもともとアメリカ海兵隊の兵隊さんとして、朝鮮戦争中の日本語通訳として日本に駐屯していたので、ホノルルに戻って除隊して本格的にプロとしての活動をスタートする以前から、これら日本での吹き込みは始まっていたようである。この当時オータサンが多用していたトレモロ奏法等には師匠エディ・カマエからの影響が伺えるが、この時点ですでに師を凌ぐ多様なテクニックを披露している。オータサンがウクレレ奏者としてのキャリアを積んでいった一方で、師匠のエディ・カマエは後にサンズ・オブ・ハワイを結成し、ハワイ音楽の復興に重要な功績を残した事は記すまでもない。

両者は常々インタビューなどでお互いの師弟関係について言及することはあったが、のちに「ウクレレ・レジェンズ・イン・コンサート」 (2010年2月10日/Waterfront Aloha Tower Marketplace) で共演した際の様子が映像に収められ、DVD化された。



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