うどん粉の日記

平成21年度新司法試験合格・新63期司法修習生(予定)のブログです。

成績の分析

2009年09月22日 12時01分38秒 | 新司法試験
新司法試験の成績を晒しておきます。


短答式試験は300点台で50番以内という好成績だったものの、

論文式試験は


公法系 110点台前半
民事系 140点台前半
刑事系 100点台後半
選択(倒産法) 50点台前半



という極めて平凡というか平均的な成績でした。どの科目も大きくこけもせず、跳ねもせず。

 もっとも、これで論文式試験の順位は900番台前半ですから、50%ちょっとの得点率で論文1000番以内に入れるわけです(ただし、相対評価なので他の受験生の出来に得点そのものが左右されるものではありますが)。

 一年前期の刑訴の授業時に、教授が「苦手科目をつくるな。なるべく全部平均的にできるようにしろ。ただ1個だけ得意科目があれば、それで十分合格できる。」という趣旨のことをおっしゃっていましたが、図らずも結果的にはそのような形での合格となりました。一番成績のよかった公法系は主観的には(憲法が)苦手科目だったのではありますが・・・。

 



 周囲の話をきくと、論文式試験の自己評価と考査委員の評価というのがなかなか一致しないようで、私の場合も事前(合格発表後)の予想とはまったく異なる点数でした。

 公法系は、行政法から始めて2時間半以上もかかってしまったため、憲法で爆死。憲法設問2の「あなた自身の考え」の部分がまったくの白紙という即死級の途中答案でした。行政法は時間をかけただけあってそれなりに書けたものの、誘導に乗り切れてなかったり所々にミスがあったり(9条2項にまったく言及がない等)という答案ですから、行政法も飛びぬけてよい評価は期待できないと予想してました。

 ところが、蓋を開けてみると公法系が110点台で一番よい成績でした。

 これは想像するに、

・憲法分野が、「学問の自由」という受験生の勉強が手薄な分野からの出題であったために全体的に出来が悪かったために、内容グダグダ&途中答案という私の爆死答案でも相対的には最下層とはならなかった

・憲法の設問の形式が変更されたため、憲法から始めた受験生が憲法に時間をかけすぎてしまい、行政法が途中答案。そして、憲法は難しいので時間をかけてもあまり点が伸びないが、逆に行政法は時間さえかければある程度書ける問題なので、行政法の途中答案が致命傷になり、公法系が沈んだとい受験生が相当数いた

 ということなのかなと。

 私はもともと憲法が得意でない(法科大学院在学中に主要科目中憲法だけは唯一Aをとったことがない)と自覚していたので、公法系は行政法である程度稼いで憲法の失点を埋め合わせようと考えていました。結果的には運も味方してこの戦略が奏功し、公法系で比較的よい点数がとれました。


 また、刑事系も刑訴法に2時間半かけたため、刑法が4枚半くらいしか書いてない上に途中答案という大失態をやらかしたにもかかわらず100点台後半というまずまずの点数だったのも、公法系と同じことなのだろうと思います。

 刑法が恐ろしく難しかったですから、刑法から先に始めると泥沼にはまって時間は消費するものの点数があまり伸びない。逆に刑訴の論述が薄くなり、刑訴に時間をかけた人に差をつけられてしまうという。
 実際、刑事系が得意な人でも刑法に力を入れた人は刑事系の得点が低いようです。
 
 ここでも、結果的に刑訴から先に始めて刑訴に時間をかけたのが当たり、まずまずの点数となったようです。


 民事系はほぼ予想どおりの点数でした。150点あのですがいけばいいなーと思っていたのですが、やはり第1問・第2問ともに途中答案でしたから、こんなもんなのでしょう。


 倒産法は、自分ではよく出来たと思っていました(ただ実を言うとこれも最後少しだけ途中答案になっている)。しかしながら結果は50点ちょっとという大したことはない成績でした。確かに問題は基本的な良問でしたから、普通に勉強してきた人にとってはそれなりに書ける問題で、普通に書いてもあまり差をつけられなかったのでしょう。



 さて、自分自身の成績を見た上で、来年度以降受験する方に私からアドバイスをするとすれば、以下の2点です。



 1.どの部分に時間をかけるべきか見極める
 今回の刑法のような問題に時間をかけるのは余程刑法の実力に自身のある方以外にとっては危険です。自分が難しいと思う問題は不勉強なのでない限り他の人にとっても難しいのですから、そういう問題は誰も解けないと思いましょう。相対評価で短答通過者の4割に入ればよい試験なのですから、無理に冒険する必要はありません。確実に点をとれるところで取っていくべきです。


2.途中答案でもあきらめない
 受験界(?)では途中答案だと大幅に減点されるかのように言われています。そのため、試験の半ばで途中答案を書いてしまったために、その動揺から以後本調子が出せなかったという方もいたのではないかと思います。
 しかし、途中答案であっても、書いてる内容がしっかりしていればきちんと評価されます。おそらく裁量点が低くなるだけで大幅に減点ということはないはずです。
 実際私は、公法系は憲法が、刑事系は刑法が、民事系は第1問、第2問とも、倒産法も第一問が途中答案でした。つまり全ての科目で途中答案を出したわけです。しかし、これでも全ての科目で得点率47.25%(論文式試験で約2000位≒合格最低点)を超えました。
 ですから、もし途中答案を書いてしまったとしても、決してあきらめず最後まで合格を信じて全力で書き続けてください。



P.S. 答案構成も晒そうと思ったのですけど、結構思い出すのが面倒なので読者から要望があったら晒そうと思います。大して良い点数でもないので需要はないかもしれませんが。

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