うどん粉の日記

平成21年度新司法試験合格・新63期司法修習生(予定)のブログです。

準備中

2009年09月28日 08時52分02秒 | 新司法試験
 某氏から行政法の再現要請がありましたので、どこまで思い出せるかわかりませんが近々再現を作りたいと思います。


 その某氏から,「再現の提供は義務だ」と言われました。確かに、我が法科大学院では縦横問わず情報の共有が不十分な気がしますし、それが合格率の高い法科大学院に遅れをとっている理由の一つなのではないかという気がします。
 私としても、できるだけ来年度受験される方々のため何か有用な情報を提供できないかと思って当ブログの記事を書いているつもりです(あまり役にたっていないかもしれませんが)。
 何か私にできることがあればどんどん言って頂きたいと思います。


 

うどん粉的勉強法

2009年09月27日 10時24分45秒 | 新司法試験
 既に私の周りの方にはお話していることではありますが、私は昨年の11月からK君と2人で組んで以下のような勉強をしていました。

・ 週5日(後期の授業が終了してからは週6日)、毎朝8時に大学に集合。
・ 時間を計って論文問題を1題解き、答案を作成する。
・ 答案作成後、一通り解答をチェック。
・ 互いの答案を交換し、採点する。
・ 互いの答案について良い点・悪い点を指摘し合う。
・ 問題には主に近年の旧司法試験の過去問を使用。
  会社法・行政法については法学セミナーや法学教室に連載されている演習問題等を利用。
・ 参考答案や解説等に疑義があれば討論する(予備校の解説・参考答案には結構おかしなことが書いてあることがあるため)。


 このような1日1題旧司過去問を解いて評価しあうという勉強法というのはK君の知人が実践していたものだそうで、その方は昨年の新司法試験で上位合格を果たされたそうです。私たちはそれを真似たわけですが、結果2人とも合格することができました。



 この方法をとっていて自分にとって良かったと思う点を挙げます。

・朝から大学に来られる
 私にとってはこれは非常に重要な効用でした。私は基本的にものぐさでありますから、放っておいたら絶対に朝8時に大学に来ることなんてできやしません。が、こういう形で勉強することになれば、相方に迷惑をかけるわけにもいきませんからいやでも来ざるを得なくなります。ほぼ毎日同じ時刻に起きるので生活にリズムがつきましたし、朝早く大学に来ることで、勉強時間を多く確保することができました(私は家では絶対に机に向かわないので)。

アウトプットの練習になる
 私は予備校の答練を利用していませんでしたので、アウトプットの練習はこの時だけでした。
 旧司法試験の問題(特に最近のもの)は非常に良く出来ていて、基本的知識を前提にそれを応用することを求めるものが多いです。当然のことながらこれを解こうとすると、思考の訓練になりますし、答案作成の練習になります。また、基本的知識の確認にもなります。
 
・自分の答案について客観的な評価が得られる
 自分の答案を相手に客観的に見てもらうことにより、自分ではなかなか気づかない悪い点(たとえば、論理が飛躍している、論述の分量のバランスが悪い、論証が不正確である、表現が分かりにくい等々)などを指摘してもらうことができます。これは1人では出来ないことです。
 
・採点も勉強
 相手の答案を評価することによって採点者の視点に立てます。たとえば、答案を読んでいてどのような点に目が行くか、どのような答案に良い印象あるいは悪い印象を抱くか、など。予備校の論パを切り貼りしたような答案は読んでいて面白くなかったので(これは私個人の好みに過ぎないのかもしれませんが)、やはり考査委員が読んでも評価は低くなるのだと思います。逆に自分の頭でよく考えており、その思考の過程が文面から読み取れるような答案は読んでいて非常に印象がよかったです。

・その他
 それから、2人で軽く討論したり、知識を確認したりするという作業はなかなかおもしろいものです。口頭で相手に説明しようとすると頭の中で知識が整理されますし、話し相手が自分とは異なる視点を持っていると思わぬ発見ができます。何より机に向かって長時間勉強している中で人と話すことは非常に良い気分転換になると思います。
 また、答案を書いたら相手に見せるわけですから変な答案を書いたら恥をかくことになります。そうならないために、答案を書くのも真剣になりますし、普段の勉強にも気合が入ります(私って見栄っ張りですか?)。
 



 
 
 私は在学中に、上記の過去問ゼミのほか、刑事訴訟法のケースブックのQuestionを解くゼミに混ぜてもらったり、事例研究行政法の章末の関連問題を解くゼミを組んだりしていました。それから、民法総合事例演習のゼミにも参加しておりました。
 
 今年の本試験を見れば分かるように、本試験では現場で思考し、思考の過程を的確に答案上に表現することが求められており、その傾向は強まっていると思います。こうした現場思考・知識の応用力を養う上で、これらのゼミの予習過程で解答を考え、ゼミで解答を議論したことは大いに有効だったと思います。
 
 法科大学院を修了してしまうと授業もありませんし、なかなか人と議論する機会がありませんが、ある程度必要な知識(新司法試験においてはそれほど多くは要求されていない。ただし基本的な部分は正確に覚える必要があります)が身についたならば、友人とゼミを組んで勉強することをお勧めします。

選択科目間の有利不利

2009年09月26日 08時52分58秒 | 新司法試験
ご存知の通り新司法試験には選択科目があります。

この選択科目で何を選ぶかによって有利不利があるのではないかというまことしやかな噂が受験生の間にあります。そこで、法務省により公表されているデータを見て検討してみました。



A.受験者数

倒産法    1860人
租税法     344人
経済法     684人
知的財産法  1123人
労働法    2326人
環境法     409人
国際公法    109人
国際私法    498人


B.短答合格者数

倒産法   1414人
租税法    236人
経済法    458人
知的財産法  757人
労働法   1591人
環境法    239人
国際公法    57人
国際私法   303人


C.最終合格者数

倒産法    596人
租税法     97人
経済法    179人
知的財産法  307人
労働法    643人
環境法     84人
国際公法    22人
国際私法   115人


D.対受験者短答合格率(小数第3位以下切り捨て) B/A  

倒産法    76.02%
租税法    68.60%
経済法    66.95%
知的財産法  67.40%
労働法    68.40%
環境法    58.43%
国際公法   52.22%
国際私法   60.84%


E.対受験者最終合格率(小数第3位以下切り捨て C/A

倒産法     32.04%
租税法     28.19%
経済法     26.16%
知的財産法  27.33%
労働法     27.64%
環境法     20.53%
国際公法    20.18%
国際私法    23.09%


F.対短答合格者最終合格率(少数第3位以下切り捨て) C/B

倒産法     42.14%
租税法     41.10%
経済法     39.08%
知的財産法  40.55%
労働法     40.41%
環境法      35.14%
国際公法    38.59%
国際私法    37.95%



 まず短答合格率についてみると、租税・経済・知財・労働は全体の短答合格率(68.38%)と大きな差はありません。
 他方、環境法・国際公法・国際私法の3科目は短答合格率が平均より大幅に低く、短答合格率最高の倒産法と最低の国際公法の間では約14ポイントもの大幅な開きがあります。
 これら下位3科目の受験者層と倒産法の受験者層の間には大きな実力の差があるのではないかと推測されます。
 もっとも、これだけでは「環境法・国際公法・国際私法の選択者には短答で落ちるものが多いだけで短答通過者の論文選択科目の実力は他の科目の受験者と遜色がない」ということもかんがえられないではありません。

 しかし、F.対短答合格者最終合格率を見ても、倒産法の合格率が高く、環境法・国際公法・国際私法が低いという傾向が認められます。つまり、短答合格者の最終合格に影響する成績(短答の成績と論文必修科目の成績)にも差があるということになります。
 短答の成績は最終合格に影響する割合が小さいので度外視すると、各科目受験者の間に論文必修科目の成績に差があるということになります(全体的に見て倒産法選択者の論文の出来がよく、環境・国際公法・国際私法選択者の論文の出来が悪い)。論文必修科目の実力に差があるということは、当然論文選択科目の実力にも差があるのではないかということを強く推認させます。

 以上の推測が正しいとすれば、各科目の成績は相対評価でつけられますから(受験者の真ん中くらいの出来だと45点となる)、全体的にレベルの高い受験者の多い倒産法を選択した場合、選択科目で高得点を得るのが難しくなり、逆に環境法・国際公法・国際私法を選択した場合には選択科目で高得点を得やすいということになります。

 以上から、環境法・国際私法・国際公法を選択すると有利になり、倒産法を選択すると不利になる、ということがいえます。

 もっとも、人によって向き不向きや好みもありますから、一概に有利不利だけで決めるわけにもいかないでしょうが。選択科目選びは難しいですね。

 ちなみに私は知財から倒産に乗換えて倒産で受験。試験では平凡な成績でした。


成績の分析

2009年09月22日 12時01分38秒 | 新司法試験
新司法試験の成績を晒しておきます。


短答式試験は300点台で50番以内という好成績だったものの、

論文式試験は


公法系 110点台前半
民事系 140点台前半
刑事系 100点台後半
選択(倒産法) 50点台前半



という極めて平凡というか平均的な成績でした。どの科目も大きくこけもせず、跳ねもせず。

 もっとも、これで論文式試験の順位は900番台前半ですから、50%ちょっとの得点率で論文1000番以内に入れるわけです(ただし、相対評価なので他の受験生の出来に得点そのものが左右されるものではありますが)。

 一年前期の刑訴の授業時に、教授が「苦手科目をつくるな。なるべく全部平均的にできるようにしろ。ただ1個だけ得意科目があれば、それで十分合格できる。」という趣旨のことをおっしゃっていましたが、図らずも結果的にはそのような形での合格となりました。一番成績のよかった公法系は主観的には(憲法が)苦手科目だったのではありますが・・・。

 



 周囲の話をきくと、論文式試験の自己評価と考査委員の評価というのがなかなか一致しないようで、私の場合も事前(合格発表後)の予想とはまったく異なる点数でした。

 公法系は、行政法から始めて2時間半以上もかかってしまったため、憲法で爆死。憲法設問2の「あなた自身の考え」の部分がまったくの白紙という即死級の途中答案でした。行政法は時間をかけただけあってそれなりに書けたものの、誘導に乗り切れてなかったり所々にミスがあったり(9条2項にまったく言及がない等)という答案ですから、行政法も飛びぬけてよい評価は期待できないと予想してました。

 ところが、蓋を開けてみると公法系が110点台で一番よい成績でした。

 これは想像するに、

・憲法分野が、「学問の自由」という受験生の勉強が手薄な分野からの出題であったために全体的に出来が悪かったために、内容グダグダ&途中答案という私の爆死答案でも相対的には最下層とはならなかった

・憲法の設問の形式が変更されたため、憲法から始めた受験生が憲法に時間をかけすぎてしまい、行政法が途中答案。そして、憲法は難しいので時間をかけてもあまり点が伸びないが、逆に行政法は時間さえかければある程度書ける問題なので、行政法の途中答案が致命傷になり、公法系が沈んだとい受験生が相当数いた

 ということなのかなと。

 私はもともと憲法が得意でない(法科大学院在学中に主要科目中憲法だけは唯一Aをとったことがない)と自覚していたので、公法系は行政法である程度稼いで憲法の失点を埋め合わせようと考えていました。結果的には運も味方してこの戦略が奏功し、公法系で比較的よい点数がとれました。


 また、刑事系も刑訴法に2時間半かけたため、刑法が4枚半くらいしか書いてない上に途中答案という大失態をやらかしたにもかかわらず100点台後半というまずまずの点数だったのも、公法系と同じことなのだろうと思います。

 刑法が恐ろしく難しかったですから、刑法から先に始めると泥沼にはまって時間は消費するものの点数があまり伸びない。逆に刑訴の論述が薄くなり、刑訴に時間をかけた人に差をつけられてしまうという。
 実際、刑事系が得意な人でも刑法に力を入れた人は刑事系の得点が低いようです。
 
 ここでも、結果的に刑訴から先に始めて刑訴に時間をかけたのが当たり、まずまずの点数となったようです。


 民事系はほぼ予想どおりの点数でした。150点あのですがいけばいいなーと思っていたのですが、やはり第1問・第2問ともに途中答案でしたから、こんなもんなのでしょう。


 倒産法は、自分ではよく出来たと思っていました(ただ実を言うとこれも最後少しだけ途中答案になっている)。しかしながら結果は50点ちょっとという大したことはない成績でした。確かに問題は基本的な良問でしたから、普通に勉強してきた人にとってはそれなりに書ける問題で、普通に書いてもあまり差をつけられなかったのでしょう。



 さて、自分自身の成績を見た上で、来年度以降受験する方に私からアドバイスをするとすれば、以下の2点です。



 1.どの部分に時間をかけるべきか見極める
 今回の刑法のような問題に時間をかけるのは余程刑法の実力に自身のある方以外にとっては危険です。自分が難しいと思う問題は不勉強なのでない限り他の人にとっても難しいのですから、そういう問題は誰も解けないと思いましょう。相対評価で短答通過者の4割に入ればよい試験なのですから、無理に冒険する必要はありません。確実に点をとれるところで取っていくべきです。


2.途中答案でもあきらめない
 受験界(?)では途中答案だと大幅に減点されるかのように言われています。そのため、試験の半ばで途中答案を書いてしまったために、その動揺から以後本調子が出せなかったという方もいたのではないかと思います。
 しかし、途中答案であっても、書いてる内容がしっかりしていればきちんと評価されます。おそらく裁量点が低くなるだけで大幅に減点ということはないはずです。
 実際私は、公法系は憲法が、刑事系は刑法が、民事系は第1問、第2問とも、倒産法も第一問が途中答案でした。つまり全ての科目で途中答案を出したわけです。しかし、これでも全ての科目で得点率47.25%(論文式試験で約2000位≒合格最低点)を超えました。
 ですから、もし途中答案を書いてしまったとしても、決してあきらめず最後まで合格を信じて全力で書き続けてください。



P.S. 答案構成も晒そうと思ったのですけど、結構思い出すのが面倒なので読者から要望があったら晒そうと思います。大して良い点数でもないので需要はないかもしれませんが。

新司法試験

2009年09月11日 09時15分39秒 | 新司法試験
平成21年度の新司法試験に合格いたしました。

これを機にブログを再開してみようかと思います。たぶんすぐ飽きて更新が滞るようになると思いますが、しばらくの間お付き合いください。