「 ──── きみが歩きだすとき」
きみが歩きだすとき
生まれたての風が吹くだろう
前髪揺らし 履きなれた古靴で
一歩を 踏みだせたら
今 きみが 風の先頭になる
きみが涙を流すとき
小さな星が生まれるだろう
こぼれた光は空に瞬き やがて朝を呼ぶだろう
ひとりきり 眠れない夜
今 きみは 朝の先頭にいる
きみが歩きだすとき
新しい風が吹くだろう
碧く澄んだその風は
世界で一番高い木の 輝く若葉を揺らすだろう
遠くで鳴ったその音を
きっときみは聴くだろう
今 はじまりの声がする
パレードの鐘 高らかに
きみのうたは空に響き
きみが歩きだすとき きみの風が吹くとき
今
きみは
きみは 世界の先頭にいる ────