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台湾でも使われる簡体字

先週の世界ふしぎ発見の舞台にもなった台湾の話題を一つ紹介したい。

中国大陸では簡体字を使用するのに対し、台湾では繁体字を使用する。しかし、一部は簡体字(簡体字と同じ字体)する場合もある。

まず「台湾」は簡体字では「台湾」、繁体字では「臺灣」だが、現地では「台灣」表記が「臺灣」よりも圧倒的に多く一般的。「台」が「臺」とは別の既存の漢字だったからだろう。あと、多くはないが、「台湾」表記もあり、私が台湾旅行に行った時「台湾大哥大」(ケータイショップ)と「台湾啤酒」(夕食の席にあったビール)を見た。ただしBig5(繁体中国語入力システム)で「湾」は入力できない。
ちなみに、私が通っていた大学のパソコンには中国語入力システムがあって、簡体字用のGBと繁体字用のBig5があった。
市や県の名前に「台」の字が付く台北、台東、台南、台中に関しても「台」と「臺」両方の表記がある。道路標識ではだいたい「台」を使っていた。

既存の漢字を簡体字にしたものは他に、機→机、幾→几、麵→面、乾・幹→干、後→后、誌→志などがある。既存の漢字が簡体字になっている場合、台湾でも使われることあるのかなと思って、検索エンジンで「中国語(繁体)」に言語指定して検索してみたことがある。「飛機(繁体)/飞机(簡体)」(飛行機)、「機場/机场」(空港)、「雜誌/杂志」(雑誌)をそれぞれ「飛机」、「机場」、「雜志」で検索してみたら、ヒットした。でも「飛機」、「機場」、「雜誌」のほうがヒット件数が多かったので、台湾ではやはりこれが正式らしい。

特に機械の「機」という字は頻繁に使われるので、台湾旅行の時、「机」が使われてる所もあるのかなとか、街中の看板を気にして見ていた。そしたら、ありました。でも「機」が使われている方が圧倒的に多かった。
バイク屋さんが多かった。バイクは台湾中国語で「機車」という。「机車」と書かれていることもあった。

大学で台湾人留学生にも聞いてみた。台湾で「机」っていう字使うか聞いたら、「あるよ。機械とかの機。『つくえ』っていう意味はないよ」とのこと。「『乾杯』を『干杯』って書くことある?」って聞いたら、「ない」と言っていた。台湾では正式じゃないからあんまり使われないのもあるみたい。

「後/后」に関しては、中国や日本で時間的な「あと」を表す場合「後」の代わりに「后」で書くことが昔からあった。今の台湾では時間的な「あと」という意味の場合「后」で書くことも多く、「然后」(それから)、「結婚后」(結婚後)などの表記は繁体字中国語版の新聞でも見られる。空間的な「うしろ」という意味の場合「後」を使うことが多い。一応、繁体中国語に言語指定して「后頭部」で試しに検索してヒットしたけど、少なかった。

台湾の旅行先で、道路上に「○○优先」(○○優先)と書かれた標示も見た。「优」は「優」の簡体字だが、台湾でも使われるらしい。Big5でも入力できた(日本語の漢字にはないらしく、日本語入力システムでは入力できなかった)。「優」は画数が多くて路面に書くのは難しいという理由もあるのかな?

手書きでは「雙」を「双」と書いてあったのも見た(Big5では入力不可)。

変身写真館の看板は簡体字で「変身写真馆」と書かれていた(繁体字で書いたら「變身寫真館」)。「写真」は中国語で「照片」と言って「写真」とは普通言わない(一応「写真集」は中国語に入っている)から、日本語をイメージして、簡体字のほうが日本語の新字体に近いということでそうしたのかな?

台北市内に「法国台北 FRANCE TAIPEI」という店があった。「国」(Big5では入力不可)も簡体字で、繁体字では「國」と書く。

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