政治、日常なんでもチャンプルー

台湾旅行の思い出:台湾の地名の英語(ローマ字)表記

台湾に行って興味を持ったことの一つに、台湾の地名の英語表記の特徴がある。
第一に中国語の授業で習ったピンインとはちょっと違うこと、第二に主要な都市とそれ以外の地名とでは違った方式のローマ字で表されるというのが特徴。旅行時に渡った地図も、道路の標示板もそうだった。

まず、主要都市名からみていこう。
台北 Taipei
花蓮 Hualien
台東 Taitung
高雄 Kaohsiung
台中 Taichung
彰化 Changhua
嘉義 Chiayi
新竹 Hsinchu
基隆(キールン) Keelung
これらの主要都市の名前(時に県名も)は昔からの習わしでウェード式を基にした表記(有気音記号が略されているので、正式なウェード式ではない。後述)が使われる。なお、基隆 Keelung の英語表記は方言に由来したもので、国語では「Jilong チーロン」と発音する。

主要都市を除いた大部分の地名(台湾にある市町村の99%も)の英語表記は大陸式のピンイン(漢語ピンイン)とはちょっと違う「通用ピンイン」で表される。
例:
墾丁 Kending
*私が2日目に泊まった町
竹北 Jhubei
*新竹近郊の市
仮に漢語ピンインで書くと竹北はZhubei、高雄はGaoxiongとなる。

中国語には有気音と無気音(有気音は発音時に口の前に紙を当てればその紙が揺れるぐらい強く息を押し出す、無気音はほとんど息を出さない発音)があって、漢語ピンインと通用ピンインでは有気音を清音字、無気音を濁音字で表され、ウェード式では無気音を清音字で表し、有気音は有気音記号「‘」つけて表され、台北は「T‘aipei」と表される。通常の英語表記では有気音記号は省略され、有気音と無気音の区別がされない。
どっちが合理的かというと、ピンインの方が合理的でしょう。ウェード式は19世紀に作られた中国語のローマ字の書き方だから、19世紀と今では中国語の発音も若干変わってるかもしれないし。あと、英語のP、T、Kなどの無声子音は強い息を伴って発音されることが多いから、無気音をこれらの文字で書くのはあんまり適切じゃないと思う。

福建省の中華民国領の金門(島)は、旅先で渡った地図では「Kinmen」と書かれていた。これも方言読みね。ピンインで書くと「Jinmen」。他に「Quemoy」とも書かれる。「Quemoy」はスペイン語っぽいから、航海で来たスペイン人がつけたんじゃないかな。

台湾にも「県」がある。日本の県は英語でprefecture(プリーフェクチャ)と訳されるけど、台湾の県はcounty(カウンティ)と訳される。日本やアメリカの郡のこともcountyというから、台湾の県はそれぐらいの規模ということでしょう。九州7県(沖縄を除く)に対し台湾は16県(金門を含めたら17県)もあるからね。

関連記事
フランス語における中国の地名の言い方
台湾でも使われる簡体字

天皇制批判の常識で検索

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

コメント一覧

http://s3.thisnext.com/media/largest_dimension/7C247240.jpg
次はお前だ
ゲソ
ゲソ
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「旅の思い出」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事