日本語では「ウシュアイア」と言い、英語でも[uːˈʃwaɪə](ウーシュァイア)と発音するけど、現地のスペイン語では「ウスアイア」[u'suaia]か「ウスアヤ」[uˈsuaʝa]~[uˈsuaja]と発音する。
スペイン語には/ʃ/という音素はなく、「sh」というつづりは「s(+発音しないh)」として読むためだ。ウシュアイアはヤーガン語に由来する地名で、ヤーガン語では[ʃ]という音があり、Ushuaiaというつづりにもその音写によるもの(おそらく英語圏の人によって命名されたと思われる)。スペイン語でも外来語では[ʃ]の音を用いることがあるが、この地名に関しては[ʃ]ではなくあくまでも[s]で発音するらしい。
また、母音と母音に挟まれたIは、人によって前の母音との二重母音として[i]と発音することも、子音のYのように[ʝ]~[j]で発音することもある。スペイン語で「母音+i+母音」という文字列を含む単語は多くないが、例を挙げればparanoia、hawaianoなどがある。
スペイン語のYの発音は[ʝ](有声硬口蓋摩擦音。日本語のヤ行より舌が上寄りで摩擦のある音)が一般的だが、近年、若者を中心に[ʒ](ジャ行)で発音する人が増えつつある(本来アルゼンチンとパラグアイの発音だが、スペイン、中南米の各地で見られる)。中南米の田舎では柔らかい半母音の[j]で発音することが多い。また、アルゼンチンでは[ʃ](シャ行)のように発音することも多い。
Yは[ʒ](ジャ行)で発音することがあるが、母音に挟まれたIをジャ行(例えばUshuaiaを「ウスアジャ」)のように発音する人がいるかどうかはわからない。
「Ushuaia」の発音をForvoで聞いてみたら、アルゼンチン人も「ウスアイア」(1人)か「ウスアヤ」のように発音していた。Yがシャ行になるからといって「ウスアシャ」のように発音する人はいなかったので、Ushuaiaの「i」は子音の「y」の音とは別物と考えているようだ(また、[ʃ]をUshuaiaのshに適用する人もいなかった)。アルゼンチンにはイタリア系の人が多い。イタリア語では母音に挟まれたIはよく出てきて、[j]と発音する。そのためか、UshuaiaのIもイタリア語式に[j]で発音していた。
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