「新橋君、工具借りていい?」
車の中にいる新橋に声を掛け、工具箱を受け取るとマドカ達のところに戻ってきた。
「ちょっと、失礼」
言ってトシが、工具箱から何やら細長いものを取り出し、車のドアと窓の隙間に突っ込む。
しばらく、何やらがちゃがちゃやっていたが、ばしゃん と音がしてロックが外れた。
全自動でないのが幸いした。
「開きましたよ」
トシがドアを開けながら、振り返る。
試しにマドカがエンジンをかけてみるが、バッテリーが上がってしまったようで駄目だった。
仕方が無いので、荷物だけを持ち帰ることにする。
「はい、これ。トシ君の」
そう言って、ミイコから渡されたザックを不思議そうな顔で受け取るトシ。
「お店にあったの、これトシ君のでしょう?」
「持ってきてくれたんか・・・・。サンキュ」
大事そうにザックを担いだトシが、ミイコの姿を見て目を丸くする。
それは、とんでもない大荷物だ。両肩に大きな荷物を担ぎ、さらに斜め掛けのバックを掛けるという・・・・、家出でもするのか? という格好なのだ。
一方、マドカは、ごく普通に旅行に出る程度のボストンバックを持っているだけだった。
「何だって、その荷物・・・・」
「だって、いつ戻れるか分からないんだもの。出来るだけ持ってこうと思って・・・・」
その隣でマドカがやれやれという顔をしている。
「おい。そろそろいいか?」
車から降りてきたコウジに声を掛けられた三人は、それぞれ車に戻った。
・・・・ミイコの荷物を見たコウジがトシと同じ反応を示したのは、無理もないだろう・・・・
車の中にいる新橋に声を掛け、工具箱を受け取るとマドカ達のところに戻ってきた。
「ちょっと、失礼」
言ってトシが、工具箱から何やら細長いものを取り出し、車のドアと窓の隙間に突っ込む。
しばらく、何やらがちゃがちゃやっていたが、ばしゃん と音がしてロックが外れた。
全自動でないのが幸いした。
「開きましたよ」
トシがドアを開けながら、振り返る。
試しにマドカがエンジンをかけてみるが、バッテリーが上がってしまったようで駄目だった。
仕方が無いので、荷物だけを持ち帰ることにする。
「はい、これ。トシ君の」
そう言って、ミイコから渡されたザックを不思議そうな顔で受け取るトシ。
「お店にあったの、これトシ君のでしょう?」
「持ってきてくれたんか・・・・。サンキュ」
大事そうにザックを担いだトシが、ミイコの姿を見て目を丸くする。
それは、とんでもない大荷物だ。両肩に大きな荷物を担ぎ、さらに斜め掛けのバックを掛けるという・・・・、家出でもするのか? という格好なのだ。
一方、マドカは、ごく普通に旅行に出る程度のボストンバックを持っているだけだった。
「何だって、その荷物・・・・」
「だって、いつ戻れるか分からないんだもの。出来るだけ持ってこうと思って・・・・」
その隣でマドカがやれやれという顔をしている。
「おい。そろそろいいか?」
車から降りてきたコウジに声を掛けられた三人は、それぞれ車に戻った。
・・・・ミイコの荷物を見たコウジがトシと同じ反応を示したのは、無理もないだろう・・・・