彼岸まで

彼岸、と言う言葉はよく聞くけど
実際何をするのかわからなかった
暑さ寒さも彼岸までと言う言葉は知ってるけどね
先祖の墓参りとかするんだそうだ
そんな他人事な言い方ぐらいしか出来ない

先月、親しかった友人が亡くなってから
早1ヶ月半ぐらい
ちょうど四十九日を迎えるぐらいなのかな

なんで会わなくなったのか
なんつうの、お互い末っ子気質でさ
わがままだったんだよね
その人がちょっとしたことですぐイラッとして突っかかってきて
素の自分を出し過ぎるのが嫌でたまらなかった
他の人とだったらそんなイライラしないのに
その人とは喧嘩ばかり
ウンザリだった

40半ばでリストラされてさ、そのあとはアルバイトすらしないで
ずっと年金をもらってる両親と暮らしてた
コイツ、将来どうすんのかなって思ってた
今は良いけど、貯金も無くてそのうち親が介護必要になってさ、とか
ところがそんな心配、するに及ばなかったね
介護とか老後の心配する前に自分が死んじゃってさ
まるで死ぬ時期を知ってたから
働かずに穏やかに暮らしてたのかなと思ったぐらい

でも会わなくなって
時々、元気？とか、近況をメールしてきてたのね
寂しかったんだろうな
他に、年中遊んでくれる人もいないだろうし
みんな家族とかいるからね
なんか、かわいそうなことしたなあって
返事ぐらい書いてやればよかったって
後悔もある
どちらかが全面的に悪いというわけでは無いんだけどね