もしもアメリカに自衛隊機が堕ちたなら
場所は沖縄市。大学生の沖子とガールズバーのバイトで知り合ったアメリカ軍人の娘ナンシーの会話です…。
ナンシー:ねー、おーちゃん、うちの米軍の連中またやっちゃって、本当にもうしわけない。今度はひき逃げの可能性だもんね。※ひき逃げ事件の直後に書いたものです。
沖子:ナンシー、あんたがやったわけじゃないし、謝る必要ないし。
ナンシー:そぉー?でもあんた達うちなーん人はいい人達よね。
沖子:そーかなー。
ナンシー:そーさー、アメリカで日本軍がひき逃げしてみー、ましてや沖子の通っている大学にヘリコプターもおちたんでしょー。日本の自衛隊ヘリがアメリカの大学におちたって考えてミー、たいへんどー。
沖子:そーねー?どうなるわけー?
ナンシー:まずはさー、沖縄って「Yナンバー」とかあるさー。ああゆう、すぐに関係者だってわかるような車乗って外出できなくなるよ。通り歩いていると市民からいやみ言われるくらいですまないよね。卵投げられたり、石投げられたり、タイヤの空気だって抜かれるかもしれんし。
沖子:それって、ちょっとおっかないねー。
ナンシー:それにスーパー行っても、もの売ってくれなかったり、レストランで断られたり、そういう可能性大よね。非売運動っていうやつ。その点、やっぱりうちなーん人は礼儀正しいし、優しいし。ひき逃げがあっても、ヘリが大学におちても、一般の米兵や家族、フツーにモスでバーガー食って、サンエー・かねひでで買い物してっからね。本当に安全でいい国だと思うよ。沖縄は。
沖子:そうね、沖縄は古くから守礼の邦って言われてるし。中国で、日本バッシングされたとき、日本のレストランとか食料品店とか結構襲われたもんねー。
ナンシー:そう、それにうちなーん人って「正しい」人が多くて、県民集会とかでも、政府に正々堂々と抗議するもんね。あれもすばらしいと思うよ。
沖子:そうなの?あれって普通の抗議の仕方と思ったけど。
ナンシー:いや、すごく紳士的だよ。アメリカなら、ああはいかないよ。アメリカで外国の軍のヘリがおちて、あれと同じ状況なったら、アメリカ民衆なら抗議の矛先は、中央の政府より地元の警察だよ真っ先に。「なんのために拳銃もってんだ、そばで、ぼーっと見てるだけか。おまえらの銃はチンコとおんなじで役に立たないのか」みたいなさ…。次にさ、ステッカーつくるよ、絶対。中指たてた絵に「Fxxxin’ xxxx Army Go Home」なんて優しい文句じゃないけど、どぎつい言葉をプリントしたやつをどんどん、売りまくって、それで車のバンパーに貼るわけよ。バンパーステッカー攻撃っていうやつ。Tシャツや野球帽なんてのもでてきそうだよね。なんていっても集会だから、人集まるからそれ売ってそれを資金に政治的プレッシャーかけるっていうの、そういう脂ぎったやりかたするんだよ、あの人達は。
沖子:でも、ナンシーと話していると、沖縄の人間がだんだん頼りなくなってきたな。
ナンシー:そうでもないよ。正しいよ。みんな「政府」のもと気持ちをひとつにして、自分たちの動きとしてとらえているんだもの。すごく正しいよ。戦争しているところは、そういうところがはずれちゃって、全体の動きがコントロール効かなくなってしまっているんだと思うよ。
沖子:でも沖縄の人間って、政府にばかり不満をぶちまけて、自分たちが何をすればいいのか考えて動いてないってことにもなるんじゃないの?
ナンシー:それじゃ、何をするっていうの?Yナンバーに投石運動でもするの?
沖子:それは過激派やテロリストのすることじゃない。そうじゃなくて、非売とかサービスお断りっていうのは、ある意味人道上許される範囲なら可能性ありじゃない?いつでもどこでもdollarありますっていうのもどうかと思うし。
ナンシー:でもそんなことしたら、基地でとかその周辺で生活している人達たいへんじゃない。
沖子:そう、だから政治判断や議論やそして調整が必要なのよ、ちゃんとした抗議をするために。知事もマスコミも中央政府の決断ばかり言ってるけど、私たちが県民として抗議として許される範囲で何をしようかっていう議論もすべきでしょ?沖縄の野党だってそんな話仕掛けてきたことってこれまであった?基地がなくなれば、その人達もなんらかの暮らしの糧を求めていかないといけないでしょ。米軍っていう客を排除するってことは、米軍を客にして生活している人達の生活をどうしていこうっていう議論なしに、単に県外じゃとか言っていいの?非売運動はじめて、予行演習してみて、具体的なプランづくりしながら、基地がなくなったときの状況に備えるようにした方がより現実的に思えてくるんだけど。
ナンシー:でも、そんなこと言ってるとえらい学者や評論家の的にされちゃうよ。
沖子:それって、分析と問題の指摘をしている人達のこと?「何を具体的にする」っていうことめったに言わないじゃない。まあ、言ったらそれこそ「分析」と「批判」の対象にされて、ミイラ取りがミイラになるってことになっちゃからね。
ナンシー:それはいいけど沖子、今日フォスターでパーティーやるんだけど行く?
沖子:もしかして、イケメン将校のブライアンも参加?
ナンシー:確実だよ。
沖子:それじゃ絶対行くよ。
ナンシー:あんた、言ってることとやってることがズレてない?
沖子:いいじゃん、そうやって私たちうちなーん人はアメリカ世を生き抜いてきたんだから。まぁ、島ん人ぬ宝ってかな…。
場所は沖縄市。大学生の沖子とガールズバーのバイトで知り合ったアメリカ軍人の娘ナンシーの会話です…。
ナンシー:ねー、おーちゃん、うちの米軍の連中またやっちゃって、本当にもうしわけない。今度はひき逃げの可能性だもんね。※ひき逃げ事件の直後に書いたものです。
沖子:ナンシー、あんたがやったわけじゃないし、謝る必要ないし。
ナンシー:そぉー?でもあんた達うちなーん人はいい人達よね。
沖子:そーかなー。
ナンシー:そーさー、アメリカで日本軍がひき逃げしてみー、ましてや沖子の通っている大学にヘリコプターもおちたんでしょー。日本の自衛隊ヘリがアメリカの大学におちたって考えてミー、たいへんどー。
沖子:そーねー?どうなるわけー?
ナンシー:まずはさー、沖縄って「Yナンバー」とかあるさー。ああゆう、すぐに関係者だってわかるような車乗って外出できなくなるよ。通り歩いていると市民からいやみ言われるくらいですまないよね。卵投げられたり、石投げられたり、タイヤの空気だって抜かれるかもしれんし。
沖子:それって、ちょっとおっかないねー。
ナンシー:それにスーパー行っても、もの売ってくれなかったり、レストランで断られたり、そういう可能性大よね。非売運動っていうやつ。その点、やっぱりうちなーん人は礼儀正しいし、優しいし。ひき逃げがあっても、ヘリが大学におちても、一般の米兵や家族、フツーにモスでバーガー食って、サンエー・かねひでで買い物してっからね。本当に安全でいい国だと思うよ。沖縄は。
沖子:そうね、沖縄は古くから守礼の邦って言われてるし。中国で、日本バッシングされたとき、日本のレストランとか食料品店とか結構襲われたもんねー。
ナンシー:そう、それにうちなーん人って「正しい」人が多くて、県民集会とかでも、政府に正々堂々と抗議するもんね。あれもすばらしいと思うよ。
沖子:そうなの?あれって普通の抗議の仕方と思ったけど。
ナンシー:いや、すごく紳士的だよ。アメリカなら、ああはいかないよ。アメリカで外国の軍のヘリがおちて、あれと同じ状況なったら、アメリカ民衆なら抗議の矛先は、中央の政府より地元の警察だよ真っ先に。「なんのために拳銃もってんだ、そばで、ぼーっと見てるだけか。おまえらの銃はチンコとおんなじで役に立たないのか」みたいなさ…。次にさ、ステッカーつくるよ、絶対。中指たてた絵に「Fxxxin’ xxxx Army Go Home」なんて優しい文句じゃないけど、どぎつい言葉をプリントしたやつをどんどん、売りまくって、それで車のバンパーに貼るわけよ。バンパーステッカー攻撃っていうやつ。Tシャツや野球帽なんてのもでてきそうだよね。なんていっても集会だから、人集まるからそれ売ってそれを資金に政治的プレッシャーかけるっていうの、そういう脂ぎったやりかたするんだよ、あの人達は。
沖子:でも、ナンシーと話していると、沖縄の人間がだんだん頼りなくなってきたな。
ナンシー:そうでもないよ。正しいよ。みんな「政府」のもと気持ちをひとつにして、自分たちの動きとしてとらえているんだもの。すごく正しいよ。戦争しているところは、そういうところがはずれちゃって、全体の動きがコントロール効かなくなってしまっているんだと思うよ。
沖子:でも沖縄の人間って、政府にばかり不満をぶちまけて、自分たちが何をすればいいのか考えて動いてないってことにもなるんじゃないの?
ナンシー:それじゃ、何をするっていうの?Yナンバーに投石運動でもするの?
沖子:それは過激派やテロリストのすることじゃない。そうじゃなくて、非売とかサービスお断りっていうのは、ある意味人道上許される範囲なら可能性ありじゃない?いつでもどこでもdollarありますっていうのもどうかと思うし。
ナンシー:でもそんなことしたら、基地でとかその周辺で生活している人達たいへんじゃない。
沖子:そう、だから政治判断や議論やそして調整が必要なのよ、ちゃんとした抗議をするために。知事もマスコミも中央政府の決断ばかり言ってるけど、私たちが県民として抗議として許される範囲で何をしようかっていう議論もすべきでしょ?沖縄の野党だってそんな話仕掛けてきたことってこれまであった?基地がなくなれば、その人達もなんらかの暮らしの糧を求めていかないといけないでしょ。米軍っていう客を排除するってことは、米軍を客にして生活している人達の生活をどうしていこうっていう議論なしに、単に県外じゃとか言っていいの?非売運動はじめて、予行演習してみて、具体的なプランづくりしながら、基地がなくなったときの状況に備えるようにした方がより現実的に思えてくるんだけど。
ナンシー:でも、そんなこと言ってるとえらい学者や評論家の的にされちゃうよ。
沖子:それって、分析と問題の指摘をしている人達のこと?「何を具体的にする」っていうことめったに言わないじゃない。まあ、言ったらそれこそ「分析」と「批判」の対象にされて、ミイラ取りがミイラになるってことになっちゃからね。
ナンシー:それはいいけど沖子、今日フォスターでパーティーやるんだけど行く?
沖子:もしかして、イケメン将校のブライアンも参加?
ナンシー:確実だよ。
沖子:それじゃ絶対行くよ。
ナンシー:あんた、言ってることとやってることがズレてない?
沖子:いいじゃん、そうやって私たちうちなーん人はアメリカ世を生き抜いてきたんだから。まぁ、島ん人ぬ宝ってかな…。