【FIRE ON THE MOON / ALEPH】 1986 DISCOMAGIC
THAT'S EUROBRAT(TEB)を代表するというより、HI-NRGさらにはEUROBEATを振り返る上でもはやかかすことのできない1曲ではないでしょうか?パーフェクト、まさにその一言につきます…
時は20年前、TEB Vol.3に収録されたALEPHのデビュー曲でもある【FIRE ON THE MOON】は、後のEUROBEATを切り開いたといっても過言ではないでしょう。それは曲の製作にF.C.F.でお馴染みのFARINAとCRIVELLENTEが、そしてレーベルがDISCOMAGICということで、少なからずともTIMEの総帥、MAIOLINIの影響があったと思われます。そしてなんといっても、ALEPHのヴォーカルがA-BEAT-Cレーベル(RODGERS & CONTINI RECORDS)のDAVE RODGERSその人だからです。
TEBのリスナーなどをよくよく調べてみると、DAVE RODGERSとギター担当のコラード・ベリーニと2人で結成され、その後にキーボード担当のマーク・ハモンドがジョイントしたのですが最終的にはDAVE RODGERSのソロになったようです。
その後は【BIG BROTHER】【BLACK OUT】【BAD POWER】【HERO】【DOCTOR】【FLY TO ME】などのヒット曲をリリースしましたね。この時代でこれだけの完成度の高い曲を連発するとはさすがの一言ではすみません…どの曲にもほぼ共通して言えるのですが、ALEPHの特徴として、HI-NRG独特のややスローで哀愁感をもち、そしてDAVE RODGERS独特の低く伸びのあるヴォーカルに加え、小刻みなビートとサックスを彷彿とさせるキーボードのメロディーラインが心を熱く揺さぶります。もう、腰からしびれまくりです(※ 本人いわく、いい曲を聴くと腰から痺れる感覚、さらには涙が溢れる・・・)
曲の紹介に戻りますが、全てを通じてパーフェクト!といっても過言ではありません。時々、80年代のDISCO MIXということで曲の一部が紹介されていますが、全体を聴くとなお、一層そのよさに引き込まれます。
謎の男女のささやき?から始まり、徐々に盛り上がりを見せるメロディーライン、そして全ての始まりをつげる、激しいメロディーコードの嵐…ここだけでも十分に痺れます。一転して、DAVEのやや力みを抑えたヴォーカルでAメロとBメロを歌い上げ、サビへと繋いでいく…シンプルの中にもHI-NRGとEUROBEATのよさを組合わせた、その完成度は、DJ TOMMY新井さまがNACK5のDON'T STOP THE MUSICでお皿(レコード)を回してかけてくれたあの時も、20年経った今でもその感動というのは決して忘れられない一曲です。
主な収録先:TEB ALMANAC 1986-1991, TEB Vol.3 ほか