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昭和43年盛夏、初めて出会った人生の師匠は云った。
未来に羽ばたく使命を自覚するとき、才能の芽は急速に伸びる。

2018年 春季東京都高校野球大会 4回戦

2018年04月14日 | 誓球の空2016-2020

[写真] 7回表二死13塁から、待望の追加点となるレフトオーバーの二塁打を放った藤井隼選手

4月14日(土)09:57~11:45 晴れ 強風(右→左) ダイワハウススタジアム八王子
春季東京都高校野球大会 4回戦
創価(小平市) 002 000 24・= 8  ※8回コールドゲーム
城東(江東区) 000 000 00・= 0

[ 投 手 ] 菊地
[ 本塁打 ] 若林(8回・左)
[ 三塁打 ] 門脇
[ 二塁打 ] 藤井、杉田

1番(二)藤井
2番(遊)門脇
3番(右)浪川
4番(投)菊地
5番(左)大野 → (5裏・左)松田
6番(三)中山
7番(一)杉田
8番(捕)若林
9番(中)古川

先週末に続いて、今日も若干肌寒いダイワハウススタジアム八王子(旧・八王子市民球場)
本大会のベスト8と、夏のシードの位置取り(4角)がかかった4回戦は、
東東京大会で甲子園経験がある都立の雄・城東との対戦となった。

初戦に続いて先攻となった創価に、城東は背番号13の左のサイドスローをマウンドに送る。
申し訳ないが・・・ 左に苦戦していたのは昔のことで、今の創価は左を苦にしない。
さて、どうなる。

[1回表・創価]
1番・藤井はスリーボールから2球待ってフルカウント、6球目を痛烈に叩くがレフトへのライナー
2番・門脇はツーボールツーストライクから、泳がされ気味のスイングで力がなくレフトフライ
3番・浪川はツーボールツーストライクから、低めのボール気味の球を振らされて空振り三振

[1回裏・城東]
1番はツーボールツーストライクからセンターフライ、大きな当たりだったが古川が余裕を持って捕球
2番はサードゴロ、高いバウンドだったが中山が軽快に捌いてツーアウト
3番はワンボールツーストライクから低めのボールをハーフスイング、主審が空振りをコールして三振

[2回表・創価]
4番・菊地は2球目を打ってセカンドゴロ、5番・大野も2球目を打ってライトフライ
6番・杉田は低めのボールを振らされ空振りの三振

[2回裏・城東]
4番は2球目を打ってファーストゴロ
5番にはフルカウントからのボールが高く外れ四球、両チームを通して初の走者が出る。
6番は3球目にヒットエンドランを仕掛けるがセカンドゴロ
二死2塁で最初のピンチを迎えるが、7番は三つ続けたストレートに手が出ず見逃しの三振
最初のピンチは、菊池の球威が勝り危なげなく打ち取る。

[写真] 8回を散発2安打、4四球、毎回奪三振で完封した菊地投手

[3回表・創価]
7番・中山は2球目を痛烈に叩いて三遊間真っ二つのレフト前ヒット
8番・若林が初球を確実に転がし一死2塁、9番・古川にはストライクが入らず一死12塁
期待の1番・藤井はツーボールワンストライクからセンターへ大きなフライを打つが伸びずツーアウト

若林がタッチアップして二死13塁で、バッターは2番・門脇
ツーボールワンストライクから、甘く入った変化球を振りぬくと、
あっという間にライトの頭上を越えるタイムリースリーベースとなり2点先制
なおも二死3塁だったが、浪川はセンターフライに倒れるが、まずは創価が試合の主導権を握った。

[3回裏・城東]
試合が動き出したので、先頭打者に注意したいところ、
城東の8番の当たりは、セカンドとセンターとライトの中間にフラフラと上がった弱いフライ
これをセカンド藤井が背走しながら後ろ向きでキャッチ(球際に強いナイスプレーだ。)

凄いプレーが出た直後だったが、9番は上手くミートされライト前ヒットで一死1塁
打順は1番、速いボールで追い込んだ後、変化球が甘く入ったがレフトフライ
この打球は・・・ たぶん、打ち損じだと思う。(直前のストレートが力強く力みがあったのだろう。)
2番にはフルカウントまで粘られたが、渾身のストレートが低めに決まり見逃しの三振

序盤を終わって2対0でリード、ここまでは菊地が力勝負で勝っている。
注目は・・・ 次の1点が、どちらに入るかだろうが、
もう一つ気になるのは・・・ 風ではなかろうか。
試合開始直後は全く無風だったのに、3回が終わった頃から強く(右→左)なってきた。

[写真] 先制のライトオーバー三塁打を放った2番・門脇誠選手

[4回表・創価]
4番・菊地は2球目を打って出るがサードへのファールフライ
5番・大野は初球を痛烈に叩くが、ラインドライブがかかりレフト真正面へのライナー
右か左か上か下に・・・ ちょっとズレてれば長打だった。
6番・杉田は、やや詰まり気味もセンター前にポトリと落ちるヒットで二死1塁

ここで城東ベンチが動く。
ピッチャー交代、13番の左から1番を付けた右の本格派が出てきた。
創価打線は、ヒットにこそなってないが確実に捉えはじめており、
続くバッター7番・中山は先制点の切っ掛けとなるヒットを打っており、早め早めの策だろう。

結局、7番・中山はサードゴロに倒れ、この回は得点に至らなかったが、
中盤に入って、徐々に徐々に緊張感が高まって来るのが分かる。

[4回裏・城東]
3番から始まったが、フルカウントから外のボール気味の変化球を振らせて空振りの三振
4番はフラフラとショートとレフトの間に打ち上げる。
15分ぐらい前なら、確実にショートフライだったと思うが・・・ 風に流され以外に伸びる。
レフトの大野とショートの門脇が交錯しながらも大野が捕球するが、ここでアクシデントが起こる。

門脇は何もなかったかのように立ち上がったが、大野は立ち上がることが出来ない。
サードの中山や、三塁塁審、創価ベンチから選手が駆け寄るが、
数分、重い空気が流れた後、大野が立上り一旦ベンチに戻って治療を受け、再び守備に戻るのだが、
守備位置に就いた大野の仕草は痛々しく、何となく不安を抱きつつも試合は再開すると
菊池が5番を空振りの三振に打ち取り、アクシデントはあったが何とかこの回を凌ぎきった。

[写真] 交錯しながらフライをキャッチした大野匠選手、再び守備に就いたが何となく痛々しい。

[5回表・創価]
8番・若林はツーボールワンストライクからショートゴロ、9番・古川は初球を打ってファーストゴロ
二死から1番・藤井が四球を選ぶと、2番・門脇の初球にすかさず盗塁を決め二死2塁
しかし・・・ 門脇はショートフライに倒れ、この回は無得点

[5回裏・城東]
この回の頭からレフトは大野に代わって松田が守備に就く。(大事で無ければいいが・・・ )
6番にどうしたことかストライクが入らず歩かせてしまうと、7番は犠打を決め一死2塁
8番は変化球を振らせて空振りの三振に取るが、9番には追い込んでから粘られて四球を出し二死12塁

打者は常にフルスイングをして来る1番を迎えて、やや高いバウンドのサードゴロを打たれるが、
サード中山がタイミングを合わせて上手く捕球する。
ところが、中山は楽々アウトのベースタッチではなく・・・ 1塁へ送球する。

良いボールを投げて普通にアウトをだったが、アウトカウントと走者がどこにいるかが分かっていれば、
送球というリスクを、あえて冒す必要はないと思うがどうだろう。
城東にタイムリーは許してないものの、じわりじわりとプレッシャーを感じるイニングに入って来た。

[写真] 複数の内野守備をこなすユーティリティープレーヤー中山竜星選手

[6回表・創価]
3番・浪川はフルカウントから粘り、痛烈に捉えたがセカンド真正面のライナー
4番・菊地も捉えていたが・・・ ショート正面へのゴロ
5番・松田は三遊間へ転がすが、城東のサードが三遊間でカットして1塁へ送球しアウト
ここまで両校ともにノーエラー、思わず上手いと言ってしまうプレーが両校で目立っている。

[6回裏・城東]
2番は低めにワンバウンドする変化球を振らせて空振りの三振
3番はボテボテのショートゴロ、門脇がダッシュして華麗に捌きツーアウト
ところが4番に痛烈なセンター返しを浴びると、5番にはストライクが入らず歩かせて二死12塁

バッターは6番、思うにこの場面が・・・ この試合のターニングポイントだったかもしれない。
打球はショートの左に飛び、強い当たりで捉えられていた。
これをショート門脇が逆シングルで捕球すると、振り向きざまにセカンドへ入った藤井に送球してアウト

抜けていれば二死満塁か、もしかしたら1点返されていたかもしれない場面だった。
1点もやりたくない守備態勢で、外野は前気味に守り、門脇は2塁ベースの近くで守っていただけに、
このアウトは・・・ 大きい。

流れるような動作で、何事もなかったかのようにアウトを積み重ねている。
この冬、鍛えに鍛えられた創価の強さが、まさに形となって表れた場面だった。

[写真] 背番号2ながら、打撃が魅力でファーストを守る杉田峻摩選手

[7回表・創価]
流れがこちらにあるうちに追加点をあげなければ、終盤になって縺れることは必至
そろそろ何とかしなければ・・・

6番・杉田は3球目を打ってセンターフライ、7番・中山も3球目を打ってショートゴロ
簡単にツーアウトになったが、8番・若林が粘ったあげく三遊間を破ると、
9番・古川は初球を叩いて、センターとレフトとショートの真ん中にポトリと落とし二死13塁

ここで1番・藤井が期待に応え、低いライナーでレフトの頭上を破る。
3塁の若林に続き、1塁から古川まで戻って来て2点追加
続く2番・門脇は大きなレフトフライに倒れたものの、
この回、貴重な中押し点が入り、試合の主導権をグッと引き寄せる。

[7回裏・城東]
7番はツーストライクから粘られフルカウントされるが、
ややボール気味の、高めのストレートを振らせて空振りの三振
8番には代打が出てきたが、変化球二つでツーストライクから渾身のストレートで空振りの三振

二死から、9番にもワンバウンドになる低めの変化球を振らせて空振りの三振
若林が一瞬ボールを見失ったが、素早く拾って打者走者の直ぐ横を通して1塁へ送りアウト
見逃しがちだが・・・ これも、良いプレーだ。

[写真] 背番号14ながら、堅守と長打が魅力の若林裕司捕手

[8回表・創価]
3番・浪川はレフトへのファールフライに倒れるが、
4番・菊地が外のストレートを合せて三遊間を抜くヒットで一死1塁
5番・松田はサードの前に絶妙のセーフティバントを決めて一死12塁

ここで6番杉田の当たりはライトの頭上を襲う。
逆風でなければホームランだったと思うが、フェンスの上のネットを直撃する2塁打となり1点
7番・中山は外の変化球に釣られて空振りの三振に倒れるが、
8番・若林の打球は低いライナーでレフトスタンドに飛び込むスリーランホームラン
9番・古川はセンターフライに倒れたが・・・ あっという間の4得点、これがダメ押し点になった。

[8回裏・城東]
1番から始まった城東の攻撃は、先頭打者をフルカウントから歩かせてしまうものの、
2番をサードゴロに打ち取ると、5→4→3と渡って絵に描いたようなダブルプレー
最後は3番を、ワンボールツーストライクからストレートで空振りの三振

中盤までは緊迫の投手戦だったが、6回裏の門脇の凄い守備から流れは創価にグッと傾き
走者を出しては長打で戻すといった無駄のない得点でコールドゲーム

8回を一人で投げ切ったエースナンバー菊地は、4個の四球を与えたものの、ヒットは2本に抑え
毎回奪三振で3塁を踏ませないピッチング、まさにアッパレの投球だったといって良いだろう。

勿論、次も頑張ってもらいたいと思うが・・・ 夏が面白くなって来た。
そう思っても、良いんじゃなかろうか。

[写真] 本日の4回戦からは選手名が表示る。観戦者には嬉しいサービスだ。

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7 コメント

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Unknown (すごい!)
2018-04-14 16:51:54
今日もお疲れ様でした!
城東に対して8-0の完勝は驚きました。
菊池君も安定して来ましたね。
今年は打線が安定して打てていますね!
帝京戦のレポートも楽しみにしてます!
てか自分も生観戦しようかな。
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Unknown (火星人)
2018-04-14 16:52:56
⬆︎のコメントは火星人でした!
すいません!
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Unknown (誓球の空)
2018-04-14 19:48:23
火星人さん
いつもありがとうございます。
本当に良い試合でした。

菊地投手も今日の出来なら、帝京のみならず日大三とでも良い試合になると思います。
いままでは1番2番がチャンスを作り、3番4番で返すのが創価の得点力でしたが、
今日の試合では、下位打線でチャンスを作り下位を含む上位打線で返す野球が出来ています。
しかも、下位打線でもホームランが打てる打者が居るのは心強いですね。
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夏も期待します (イルクーツク)
2018-04-14 22:57:19
誓球の空様、
いつも有難うございます。
小生も久しぶりにこの3年生のチームを観戦できました。
彼らが1年生の時以来でしょうか。
肉体的だけでない逞しさを感じました。
浪川君、菊地君に快音が聞こえなかったのが残念でしたが、下位打線の期待も持てる事となり嬉しく感じました。
菊地君の球が高めに行っていたので心配で観ていましたが杞憂に終わって何よりでした。
引き続きの観戦レポートを楽しみにしています。
宜しくお願い致します。
返信する
あれから50年 (誓球の空)
2018-04-15 13:10:16
イルクーツクさん、お久しぶりです。
縁あって創立50周年に集った選手たちが、今年の卒業生と3年生と2年生たちです。
随分と逞しくなったと思います。

未来に羽ばたく使命を自覚する時、才能の眼は急速に伸びる。
およそ50年ぐらい前、西日本の片田舎から夜行列車に揺られて上京し、
人生の師匠から、そのように語りかけられた時のことを、ふと思い出しました。
そう思えば、私と師匠との出会いも、もうじき50年を迎えます。

縁ですね。
頑張ってほしいと思います。
返信する
駆けつけるぞ (小平)
2018-04-20 11:51:20
いよいよ日曜に帝京戦ですね。
一昨年からほぼ観戦しこの二三年生たちへの思い入れは強いです。昨夏敗れた借りを返してほしいですね。
応援してるよ!!
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申し訳ございません。 (誓球の空)
2018-04-23 19:46:01
小平さん
コメントをいただいていたのに気がつきませんでした。
申し訳ございませんでした。

帝京戦は楽しめましたか?
良い試合でしたね。
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