[写真] 弾丸ライナーで逆転サヨナラホームランを放った浪川選手を迎える創価ナイン
4月8日(日)09:57~12:13 晴れ 強風(中→本) ダイワハウススタジアム八王子
春季東京都高校野球大会 3回戦
佼成学園(杉並区) 000 010 020 = 3
創価 (小平市) 101 000 002x= 4
[ 投 手 ] 吉澤(7.2/3)‐ 菊地(1.1/3)
[ 本塁打 ] 浪川(9回・右)
[ 三塁打 ]
[ 二塁打 ]
1番(二)藤井
2番(遊)門脇
3番(右)浪川
4番(三)菊地 → (8表・投)
5番(左)大野
6番(一)中山 → (8表・三)
7番(投)吉澤 → (8表・一)松田
8番(捕)若林
9番(中)古川
晴れてはいるものの、センターからホームに向かって吹く強い風で肌寒い八王子球場
夏のシード権がかかった春季大会の三回戦は、
昨秋の準優勝校で、今大会第二シードの佼成学園との対戦となった。
後攻めの創価のマウンドには、右のサイドスローから変幻自在のピッチングをする吉澤が上がる。
速いボールはないものの、遅いストレートを速く見せる変化球とチェンジアップを
上下左右と、ど真ん中に投げ分けてくる。
スタンドで観戦するには、スピード感がないので常にハラハラドキドキだが、
それが、なかなかどうして、抜群の制球力で殆んど芯に当たらせず
飄々とアウトカウントを積み重ねて行く、打てそうで打てない・・・ 頭脳派の投手だ。
[1回表・佼成学園]
ほぼ定刻にプレーボールがかかった。
1番、フルカウントから歩かすと、2番は2球目をキッチリ転がし(犠打)一死2塁
3番・三球目叩いて二遊間よりのゴロを打つが、セカンドの藤井が回り込んで二死3塁
4番は2球目を打って、セカンド藤井へ真正面のゴロ、いきなり3塁まで進められたが何とか凌ぐ。
[1回裏・創価]
佼成学園のマウンドには背番号10番のサウスポーが上がる。(やっぱり・・・ 今日も左だ。)
1番・藤井はフルカウントから痛烈に捉えるがサード真正面のゴロ
2番・門脇はセカンドベース寄りのゴロだったが、これをショートがファンブルし一死1塁
3番・浪川の時、門脇が走るとキャッチャーからの送球がセンターに抜け、労せず一死3塁のチャンス
初回とはいえ、佼成学園は前進守備の態勢を取らず定位置で守る。
浪川は左投手の外のボールを押っ付けてショート真正面のゴロとなるが、
守備態勢を見ていた門脇のスタートが良くホームイン
4番・菊地はセカンドフライに倒れるが、初回からノーヒットで先制する。
[2回表・佼成学園]
5番・粘られるが外の変化球にタイミングが合わず空振りの三振
6番・フルカウントからストレートが外れてしまい四球で一死1塁
7番・打者との駆け引きで吉澤が若干眺めのセットに入ると、1塁走者がスルスルとリードし始める。
吉澤はまだモーションを起こしてないが、走者は既に12塁間の真ん中辺りまで進塁
そこで吉澤が投げ、キャッチャー若林のミットにボールが納まった時には1塁走者は2塁ベースの上
たぶん途中でセットを解くと、ボークを取られるのではと思ったんじゃなかろうか。
してやられた感は否めないが、この回もまたピンチを背負ってしまった。
7番はフルカウントから低めの変化球を引っ掛けて、サード前へのボテボテのゴロ
菊池が勢いよくダッシュしてファーストに送ると、間一髪だったがアウトとなり二死3塁
8番・2球目の高めのストレートを振ってショートフライ、この回も3塁まで進められたが凌ぎきった。
[2回裏・創価]
5番・大野は痛烈にはじき返すが、ワンバウンドした打球はジャストでピッチャーのグラブに入る。
6番・中山はフルカウントまで粘るが、高めのボール球に手を出しセカンドゴロ(勿体なかった。)
7番・吉澤は三遊間真っ二つのレフト前ヒットで二死1塁
8番・若林は外のストレートを見逃して三振(ボールに見えたが・・・ ?)で得点ならず。
[写真] 一時は逆転を許したものの、粘りの投球で見事にゲームメイクをした吉澤投手
[3回表・佼成学園]
9番・ライトに高く舞い上がった大きなフライを上げるが、逆風に押し戻されてイージーフライ
1番・今度は詰まった打球が幸いして、ライト前にポトリと落ちるヒットとなり一死1塁
2番・ワンボールツーストライクから走られるが、打者は空振りの三振、2塁は際どかったがセーフ
3番・ワンボールツーストライクから粘られると、結局歩かせてしまい二死12塁
4番・外の変化球を引っ掛けて12塁間に転がすが、藤井が回り込んでスリーアウト
吉澤マジックと言った方が良いかもしれないが、ここまで芯で捉えた打球はなく当たり損ねの凡打の山
きっと、ボールが微妙に動いているのだろうが・・・ ナイスピッチングだ。
[3回裏・創価]
9番・古川が四球を選び無死1塁
1番・藤井がバントの構えからバスターに切り替えるが、前進したサードへのファールフライ
2番・門脇は外のボールにバットをちょこんと出すと、フラフラとサードの頭上を越えレフト前ヒット
3番・浪川は痛烈に引っ張って12塁間真っ二つのライト前ヒット
ライトが前にはじいたが、サードコーチが既に止めておりホームへは無理して突っ込まず一死満塁
4番・菊地はワンストライクから自信を持って見送ったボールがストライクになったことから、
3球目の高めのつり球を振ってしまい空振りの三振で二死満塁
5番・大野は粘りに粘ってフルカウントまで持ってくると、
外のボールにピクリと反応したものの、主審・1塁塁審ともに判定はボールとなり押し出しで1点追加
6番・中山はセオリー通り四球の後の初球を叩いたがショートフライ
もっと点が入っても良い打順だったが、無得点だけにはならず2点目をあげ序盤が終わる。
[4回表・佼成学園]
5番・初球を叩いてライト前へのクリーンヒットで無死1塁、何となく試合が動き出して来たようだ。
6番をレフトフライに打ち取った後、7番は当たり損ねのピッチャーゴロだったが、
ファースト中山が飛び出してしまい、ベースがガラ空きとなったが、
予め12塁間へ詰めていたセカンド藤井が猛ダッシュでベースカバーに入り、間一髪でアウト
二死2塁とまたまたピンチを背負うが、8番を変化球で空振り三振に打ち取り・・・ この回も凌ぐ。
[4回裏・創価]
7番・吉澤は良い当たりだったが、ライト真正面へのライナー
8番・若林は平凡なセンターフライに倒れツーアウトになるが、9番・古川が粘って四球を選び二死1塁
1番・藤井の長打に期待したが・・・ フルカウントからインコースのストレートを見逃して三振
2点リードはしているものの、今日の創価打線はここ一番でのタイムリーが欠乏している。
[写真] 再三のピンチを堅守で救ったセカンドの藤井選手
[5回表・佼成学園]
9番・フルカウントから高めのストレートを見逃して三振
1番・ノーボールツーストライクからレフトポール際にホームラン
追い込んだところで、キャッチャー若林は1球外すような仕草をみせただけに・・・ これは失投だ。
2番は嵩にかかって初球から強振するが平凡なセンターフライ
3番はショート、セカンド、センターの真ん中に打ち上げるが、
上空に強い逆風が吹いているのを計算してショートの門脇がキャッチ
ついに、吉澤が失点したが、許したヒットはまだ3本、相手打線は・・・ まだ迷っている。
[5回裏・創価]
2番・門脇は2球目を打ってファーストへのファールフライ
3番・浪川は3球目を打ってセカンドゴロ
簡単にツーアウトを取られたが、4番・菊地が三遊間真っ二つのヒットで出ると
ここから暴投が二つ飛び出し二死3塁とするが、5番・大野がセカンドゴロに倒れホームベースが遠い。
[6回表・佼成学園]
4番の当たりはレフト前への小飛球、捕れると思った大野がダイビングキャッチを試みるが、
打球は逆風に押し戻されて、大野のグラブをかすめファールグラウンドに転がって無死2塁
風が頭に入っていれば、無理をしてはいけない打球である。
こんなところで、前の回のチャンスに凡打したことを引きずっては・・・ いけない。
5番・犠打の構えからインコースのストレートを空振りすると、
2塁走者が飛び出し、若林から門脇に送られタッチアウト、創価のディフェンス力の高さが光る。
結局5番はボテボテのサードゴロに倒れツーアウト
6番は強振した後にキャッチャーのミットにボールが納まる究極のチェンジアップで三振
この回も凌いだ。何とか・・・ 凌いだ。
[6回裏・創価]
6番・中山は3球目を打ってショートゴロ、7番・吉澤は初球を打ってライトフライに倒れるが、
8番・若林と9番・古川が続けて四球を選び二死12塁とすると
佼成学園ベンチが動きピッチャーを交代、
背番号10のサウスポーから、満を持して1番を付けたエースがマウンドに上る。
1番・藤井のタイムリーに期待がかかったが、藤井は2球目を高々と打ち上げレフトフライ
中盤が終わって投手戦の様相を呈してきた・・・ 次の1点がどちらに入るか、それが勝負どころだ。
[写真]堅守に加えて、小技も冴える創価の主将・門脇選手
[7回表・佼成学園]
7番・強い当たりのショートゴロ、芯で捉えている。(そろそろ慣れて来ている。)
8番・ショートゴロ、名手・門脇がワンバウンドで送球してしまったが、中山が上手く救ってアウト
9番・セカンドゴロ、藤井の正面で難なくアウト
この試合で初めての三者凡退、上手く行き過ぎて・・・ 逆に何か不安が出てきた。
[7回裏・創価]
2番・門脇は一塁線にセーフティバンドを試みるが、
当たりが強すぎてファーストが取って、ベースカバーのセカンドに送ってアウト
3番・浪川はセカンドの左を痛烈に抜くライト前ヒットで一死1塁、浪川の打球はとにかく速い。
4番・菊地はライトフライ、ちょっと擦ってしまった、いつもの菊池なら持っていけるコースだった。
5番・大野はレフトフライ、この回も走者を出すが無得点に終わる。
[8回表・佼成学園]
ホームランを打ってる1番から始まるこの回が、この試合最大の山場になるだろう。
1番・痛烈に捉えた打球がサード菊地の真正面を襲うがジャストキャッチ、サードライナーでワンアウト
2番・初球を叩いて高いバウンドのセカンドゴロ、藤井が上手く捌いてツーアウト
3番・やや詰まり気味だったが、これが功を奏してレフト前に落ちヒット、二死1塁
4番・フルカウントから粘られて歩かせてしまい二死12塁
ここで佼成ベンチが動き5番に代打を送ると、初球を叩いてボテボテのサードゴロ
菊池が懸命に前進してファーストに送るが・・・ 間に合わず内野安打
二死走者なしから一転、二死満塁の大ピンチとなった。
さらに6番にも代打を送ると、2球目を叩いて二遊間真っ二つのヒットを打たれて2失点
けっして強い当たりじゃなかったが、飛んだコースが良くて当たりが弱かった分2塁走者も戻って来た。
ここで創価ベンチが動いた、ピッチャーの吉澤に代えてファースト松田、
ファーストの中山がサード、サードの菊地がピッチャー
もうこれ以上の失点は出来ない・・・ 背水の陣で守り抜く。
急遽マウンドに上がった菊地は制球がもう一つ、ストライクとボールがハッキリしてて
7番をスリーボールワンストライクから歩かし再び二死満塁
さらに、続く8番にもフルカウントまで粘られてしまう。
今日のもう一つのターニングポイントは、渾身の力で投げ込んだこの1球
高めに外れたボールだったが、菊池の執念が打者にスイングを促し・・・ 空振りの三振
何とか、本当に何とか、1点差で攻撃に繋いだ。
[8回裏・創価]
6番・中山はフルカウントまで粘り、強い当たりで捉えるがレフト正面のライナー
7番・松田もフルカウントまで粘るが、サードゴロに倒れてツーアウト
追いつめられたが、8番・若林がピッチャーの足元を抜きセンター前ヒットで出て二死1塁
9番・古川はセンターフライに倒れたものの、
若林のヒットで9回は1番からの打順となり、逆転の望みはまだ切れてはいない。
[写真] 先発の吉澤をリリーフし、大ピンチを凌ぎきった創価のエースナンバー菊地投手
[9回表・佼成学園]
9番はフルカウントから、ズバッとストレートを投げ込み見逃しの三振
今日、良く振れている1番はショートゴロ、三遊間の深いところに飛んだが門脇が軽快に捌きツーアウト
2番はワンボールワンストライクからレフトフライ
難なく三者凡退に打ち取り、逆転のおぜん立てだけは出来た。
[9回裏・創価]
1番・藤井に対して、勝ちを意識したのだろうか・・・ 佼成のエースは、ストライクが入らない。
藤井がストレートの四球で歩くと、2番・門脇が初球をキッチリ転がし一死2塁
3番・浪川が、ゆっくりとバッターボックスに向かう。
初球の変化球が暴投となって、藤井は労せず3塁
相手エースの動揺もあり、何となく同点にはなりそうな雰囲気が漂った直後だった。
ワンボールからの2球目だった、あまいボールが吸い込まれるように真ん中に入って来た。
まさに一閃、打球はあっという間にライトフェンス越え、スタンドで弾んでいた。
相手投手からしたら明らかに失投だと思うが、あの場面でスタンドに放り込んだ浪川も凄い。
佼成のエースは、あんなに良いピッチングをしていたのに、唯一思うところがあるとすれば、
8回表、逆転直後の二死満塁の場面、見逃せば押し出しで1点入るところで、
菊池が投げた高めのボール気味の球を空振り三振していた。
それを引きずったのではないと思うが、9回入り突然制球を乱したのは気の毒としか言いようがない。
逆転サヨナラホームランを打ち、ダイヤモンドを一周する浪川を創価ナインが総出で出迎え、
余韻に浸る間もなく試合終了の挨拶が行われると、
間髪を入れず、場内放送では「勝った創価高校はグランド整備をしてください。」とのアナウンス
どこまでもマニュアル通りの筋書きだが・・・ それすら心地良く聞こえるのだから、
勝負事は勝たねばならない。
嬉しいね。
この春、創価の活躍を、もう少し観戦できることが嬉しくて堪らない。
次も頑張れ!
高校生では、あの低い弾道では中々ホームランにならないと思いますが、凄い当たりでした。
今日は吉澤君の打撃も良かったですね。
最後まで負ける気はしなかったのですが、あの場面でホームランとは正直驚きました。
吉澤君は体も一回り大きくなったように見えました。
ピッチングといい、バッティングといい、自信をつけたようですね。
選抜大会を見ても分かる通り、いまやピッチャーが一人では勝ち抜けませんから、彼の活躍に期待するところ大ですね。。
劇的なサヨナラ2ランだったのですね⤴勢いにのって、先ずはベスト8勝ちとって欲しいと願っています。
スタメンの守備交替の部分ですが、
6番(一)中山 → (8表・投)
になっています。
念のためお知らせまで…。
また、中山選手の守備位置について教えていただきありがとうございました。
早速訂正しておきました。
歳なもんで・・・ 最近、うっかりが多く反省すること大です。
誤記や不適切な表現等があったら、これからも遠慮なくご指摘いただけたら幸甚です。
今日もまた緊張感ある素晴らしい試合でしたねー。
創価高校らしい粘りのある守り勝つ野球が出来ている感じがします。
浪川君の一撃は凄い!
2年前に夏の予選の準決勝で放った決勝ホームラン思い出しました!
次も城東ですか。
強い相手ですね。
土曜日の城東戦もきっといい試合になると思います。
次回からは1~2日おきじゃなく、1週間の間隔が空きますから投手陣には助かります。
心配なのは・・・ 雨と気温だけですね。
八王子は、晴れてても北風が吹くとけっこう寒いんですよ。
風邪をひかないように観戦しなきゃなりませんね。