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東葛総合法律事務所友の会

千葉県松戸市で"法律"をキーワードに集う市民の会

2.12「ショージとタカオ」上映会in松戸市民劇場~杉山卓男さん「若い人に観てほしい」

2011-01-25 23:27:11 | 日記
東京新聞(2011.1.25朝刊)に大きく1.24のインタビューの記事が掲載されています。

「29年ぶりに一般社会に出て、電車の自動改札機に戸惑う姿や、苦労しながら仕事を得たり結婚したりする2人の姿を紹介。2人の検察や裁判への思いも描いている」
「杉山さんは『(仮釈放後は)いろいろな面で苦労があった。その姿をカメラが追っている。若者に特に見てもらいたい』と話した」

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 布川事件が発生し、「ショージとタカオ」が逮捕されたのが1967年10月。
 桜井昌司さんは1947年1月生まれ、杉山卓男さんは1946年8月生まれですから、当時2人は20歳と21歳の若者でした。

最高裁で無期懲役が確定したのが1978年(逮捕から11年、31歳)、
第1次再審請求が最高裁で棄却されたのが1992年(逮捕から25年、45歳と46歳)、
仮釈放され、千葉刑務所から出獄したのが1996年(逮捕から29年、49歳と50歳)、
第2次再審請求が地裁で認められた2005年(逮捕から38年、58歳と59歳)、
再審開始が決まった2009年(逮捕から42年、62歳と63歳)、

 そしていま2人は逮捕から44年目の新年を迎え、64歳のおじさんになりました。
 仮釈放から数えても実に15年近い歳月が流れています。

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 元テレビドキュメンタリー記者で、関西大学社会学部教授の里見繁氏は、多数のえん罪事件を取材をする中で
「すべての冤罪に共通していると実感したのは、『冤罪はその人の人生を根こそぎ奪う』という事実である。そしてまた、『国家はひとりの人間の自由や生命を、間違って奪い取ってしまうことがある。しかし、もしそれが判明しても、決して責任は取らない』という不条理であり、その恐ろしさである(「自白の理由」冤罪・幼児殺害事件の真相 里見繁 著・インパクト出版会)」と記しています。

 通勤・通学途中の電車で発生する痴漢事件や、同棲相手とのトラブルから生じる事件で逮捕されることもあります。確たる証拠もないのに、日頃の言動や素行を理由に突然自由を奪われ、そして、長期間勾留されて「ウソの自白」を迫られる・・・。職場・家庭・学校、どんな場所、どんな人でも冤罪被害に巻き込まれる危険があることを、残念ですが、今この国で生きる私たちは自覚していなければなりません。

 21歳1ヶ月のとき、まったく身に覚えのない事件に人生を「根こそぎ奪」われてしまったタカオこと杉山卓男さん。若い世代の人達に対して、きっとそんな想いからこの映画「ショージとタカオ」を観てほしいと語ったのではないでしょうか。


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2011年2月12日(土)13時
「ショージとタカオ」上映会inまつど
松戸市民劇場にておまちしています。
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東葛総合法律事務所友の会








1.24千葉県庁で映画「ショージとタカオ」松戸上映会(2.12開催)の記者会見

2011-01-25 10:31:56 | 日記
きのう1月24日、千葉県庁で映画「ショージとタカオ」松戸上映会(2.12開催)の記者会見がおこなわれました。

会見席の3人は、向かって左から、弁護士の宗みなえさん(東葛総合法律事務所)、中央が布川事件えん罪被害者の杉山卓男さん、右は東葛総合法律事務所友の会役員の佐藤雅典さん(北新建設社長)

東京新聞webの記事を引用します。
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映画で知って 冤罪のこと 「布川事件」追ったドキュメンタリー

2011年1月25日

 茨城県利根町で一九六七年に起きた「布川事件」で、強盗殺人罪などで無期懲役となり、仮釈放後に無罪を主張して再審の判決を待つ桜井昌司さん(64)と杉山卓男さん(64)を追ったドキュメンタリー映画「ショージとタカオ」の先行上映会が二月十二日、松戸市の市民劇場で開かれる。杉山さんは「冤罪(えんざい)について知ってもらいたい」と来場を呼び掛けている。 (平松功嗣)

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チケットについてのお問い合せが多くなってきました。
購入方法は当ブログの記事
http://blog.goo.ne.jp/tosoho_tomo/e/a114263c0d4aa324643dad417a3a045c
にまとめて掲載してありますのでご覧下さい。

なお、当日は自由席ですので、
お早めにご入場いただき、席を確保していただければと思います。

また会場ロビーでは布川事件関係のほか、全国各地のえん罪事件に関する展示や書籍等の販売もおこなう予定です。

大勢のみなさまのご参加をお待ちしています。

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2011年2月12日(土)13時
「ショージとタカオ」上映会inまつど
松戸市民劇場にておまちしています。
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東葛総合法律事務所友の会

2011.2.12「ショージとタカオ」松戸上映会・事前予約をご利用ください

2011-01-22 18:25:44 | 日記

2011年2月12日(土)13時「ショージとタカオ」上映会in松戸市民劇場

チケットの事前購入方法についてお知らせします。

下記のいずれの方法でも、前売料金1枚1,000円でご参加いただけます。
なお、当日購入は1枚1,200円となりますので、なるべく事前の購入をお願いします。


1.直接購入

松戸駅西口の、東葛総合法律事務所に直接来所して購入

   →地図はこちらです。

 受付時間:平日9:30~18:00、土曜日9:30~12:00


又は、お近くの東葛総合法律事務所友の会役員からも購入できます。

東葛総合法律事務所 047-367-1313までお問い合わせください。


2.電話で予約

東葛総合法律事務所に電話して「ショージとタカオのチケットを予約したい」とお話し下さい。

電話047-367-1313
 受付時間:平日9:30~18:00、土曜日9:30~12:00

3.FAXか郵送で予約

東葛総合法律事務所あて にFAX又は郵送で前売券予約申込書 を送ってください。

 ・本日の記事に表示されている画像(JPEG)を印刷
 ・PDFファイルをこちらからダウンロードして印刷

4.eメールで予約

  東葛総合法律事務所友の会ブログ管理者 まで
  FAX郵送用のファイルを添付するか、必要事項
  (チケット枚数、お名前、お名前読みがな、連絡先住所・電話番号)
  を書いてお送り下さい。

  このブログ画面右側→ に「メッセージを送る」ボタンがあります。


以上です。

お早めのお申込・ご購入 をお待ちしています。

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2011年2月12日(土)13時
「ショージとタカオ」上映会inまつど
松戸市民劇場にておまちしています。
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東葛総合法律事務所友の会



取調べ可視化を訴える「ショージとタカオ」VS.可視化反対論者~その3 吉村博人前警察庁長官

2011-01-22 14:01:28 | 日記


いま手元に「文藝春秋」2009年12月号があります。
取調べ全面可視化に反対する文章をさがしていて、この記事のことを知りました。

雑誌のバックナンバーを販売する雑誌専門通販サイト
『バックナンバー』
で購入できたのはラッキーでした。

12月号は11月初旬発売ですから、この号はこの年9月の総選挙で民主党が大勝した時期にあわせて発売されています。

ここに「特集 新聞が書かない鳩山政権の深層」としていくつか記事がのっていますが、その中のひとつに吉村博人・前警察庁長官による「取調べ全面可視化に反対する」と題した文章があります。

 著者の吉村博人氏は、いわゆる警察庁キャリアです。
 ウィキペディアによれば、
「来歴 東京大学法学部卒業後、警察庁に入庁。主に刑事畑を歩む。刑事局長、長官官房長、次長を経て、2007年(平成19年)警察庁長官に就任。 取調べの一部録音・録画や被疑者取調べ監督制度の導入を実現させ、取調べ適正化施策の推進に尽力した。2009年(平成21年)に勇退。」とあります。

まさにキャリア組の王道を行っているような人ですが、この下線部分を自画自賛したのが、この特集記事です。


ほんとうは全文(約一万字)をお読みいただきたいのですが、そうもいかないので、
部分的に引用しながら吉村博人氏の取調べ可視化にたいする見解に限定して紹介します(見出しは管理者がつけたものです)。

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■警察も部分的に取調べ可視化を実施している

「検察での取調べの録音・録画がいずれ警察にも及ぶことは時間の問題でもありました。そこで警察では、裁判員裁判事件、すなわち殺人事件や強盗致傷事件などについて、被疑者の自白が任意になされたことを裁判員に分かってもらう手段として、昨年九月以降、警視庁や大阪府警などで調書作成過程の録音・録画の試行を開始し、今年四月からはこれを全国に拡大しました。
 取調べの全過程を録音・録画することには、とても賛成できません。しかし、取調べの結果調書が作成された場合、その調書はいずれ証拠として外に出ていくものであることから、取調べ結果を反映して調書を作成する過程だけを録音・録画したとしても、取調べの機能を大きく阻害する訳ではないと判断し、現場にとっては新たな負担ですが、実施に踏み切ったのです。」

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■録音・録画は取調べの最終局面で実施

「警察の取調べにおける録音・録画は、勾留期間中、ある程度捜査の見通しがつき事件の全体像が明らかとなったとき、犯行に至る過程とその核心部分について、数枚程度の供述調書を作成する際に実施します。
 具体的には、供述調書の印字を終えた段階で被疑者に録音・録画を開始することを告げます。録音・録画のスイッチを入れ、まず調書を被疑者に読み聞かせ、閲覧させ、被疑者がその内容を確認して署名指印をしている状況までを収めます。もし被疑者の申立てで調書を訂正する場合は、その場面も録音・録画されます。このほか、例えば取調べを振り返って言い足りないことはないか、被害者のことを今どう思っているかなどを被疑者に問い、それらに応答している状況も収めます。その後、録音・録画を終えることを告げ、スイッチを切ります。
 録音・録画時間は平均十五分程度。カメラは二台設置し、一台は被疑者の表情が分かるように、また他の一台は、取調べ室全体を撮影しています。画面には時刻も正確に表示されます。撮影映像の処理とDVDへの記録ほ機械的かつ自動的に行われるので、たとえ被疑者が警察側に不利な供述を突然始めても、途中で録音・録画を止めるようなことは不可能です。こうして、録音・録画されたDVDは被疑者の面前で封印し・検察官に送致することになっており、改竄の余地はありません」

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■ 全面可視化反対の理由その1

 ・被疑者との信頼関係構築が困難になる


「取調官と被疑者は、捜査には直接関係しない事柄やプライバシーに関わることも含めて色々な話をしながら、時間をかけて事件の核心部分に入っていきます。地道に被疑者とのコミュニケーションを重ね、人間的な信頼関係を構築することで、少しずつ心の扉を開かせ、供述を引き出していくのです。時には被疑者の話に調子を合わせるなど、様々な駆け引きもあります。この過程がすべて録音・録画されることになれば、被疑者だけでなく取調官も、発問や供述の一言一句、その際の動作や表情に至るまで、カメラを意識してしまうでしょう。」
「取調べは、取調官と被疑者とが人間的信頼関係を構築した上でぶつかり合う、全人格的対決であり、融和でもあります。ウェットそのものの世界であり、ここにドライな録音・録画機材を入れてうまくいくはずがないのです。」

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■ 全面可視化反対の理由その2

 ・第三者の名誉、プライバシーを侵害する危険がある


「被疑者供述の中には犯罪事実とは関係のない事項や、例えば性犯罪被害者など被害者に関する事項なども含まれていることです。
『全過程を録音・録画することで、事件に関係する第三者の名誉やプライバシーにかかわることが、後日、公になってしまう危険がある。それを恐れて被害者が被害申告を躊躇するようなことにでもなれば、それこそ問題でしょう』(第一線の取調官)」

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■ 全面可視化反対の理由その3

 ・被疑者が暴力団構成員の場合、供述がとれなくなる


「今は、被疑者が取調官を信頼するところまで二人の関係を築き、『ここだけの話』として、組織内部のことを聞き出したり、他の組織犯罪に関する端緒情報を入手したりしています。また、組長など犯罪首謀者の検挙につながる供述も苦労して引き出しています。しかし、録音・録画となれば、被疑者は、仲間からの報復や組織内部での信用失墜を懸念し、話してくれなくなります」

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最後に、吉村博人氏は「事は被疑者の取調べです。すべての過程がオープンになったのでは、成る話も成らなくなります。今後とも、取調べの問題について、冷静で多角的な議論がなされることを心から願っています。」とこの稿をまとめています。

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みなさんの感想をお待ちしています。

なお、1月27日(木)午後7時~ 東葛総合法律事務所(千葉県松戸市・松戸駅西口 徒歩5分 【地図】)でおこなう事前学習会では参考資料として可視化反対論をまとめて紹介する予定です。

東葛総合法律事務所友の会会員でない方で参加を希望される場合は、事前に東葛総合法律事務所までお問い合せ下さい。(電話047-367-1313)

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2011年2月12日(土)13時
「ショージとタカオ」上映会inまつど
松戸市民劇場にておまちしています。
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布川事件ニュース370号・ショージとタカオとカマダタカヨ

2011-01-19 23:04:35 | 日記
布川事件ニュース 第370号(2011.1.25)が届きました。

ニュース1面に、
布川事件守る会代表世話人である蒲田孝代(かまだ・たかよ)弁護士
「事件から43年 ようやく 桜井さん杉山さんの無辜の罪 晴らす」
という巻頭文が掲載されています。

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事件から43年 ようやく
桜井さん杉山さんの無辜の罪 晴らす

布川事件守る会代表世話人 蒲田孝代


 ようやく、ようやく、杉山卓男さんと桜井昌司さんが無辜の罪をはらすことができるという予感を感じています。

 この世の中は必ずしも真実が勝つことになならず、正義が勝つことにもなりません。しかし、私たちは、真実の尊さを大切に思いますし、社会的正義の実現の為にはどこまでも力を注ぐ人間で有り続けたいと思い、多くの思いを共通する方達と共にこのえん罪事件を闘ってきました。

 杉山さんと桜井さんの真摯で真剣な訴えと客観的事実が示す無実の証左は、弁護団の熱心な活動と、多くの支援者の輪の中で、ようやく近い日、結実しようとしています。

 杉山さんと桜井さんのこれまでの人生に対するさまざまな思いを、深く知りうることはできません。しかし、想像するだけでも、司法の残酷さを感じざるを得ません。せめて、司法権の行使者は、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事手続きの原則を徹底して実践してほしいと思います。

 3月16日は歓喜の日になりますように、心の底から期待しています。

(弁護士・東葛総合法律事務所)
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蒲田孝代弁護士は、布川事件・第一次再審請求の頃、弁護団の一員として活躍されました。
1987年、水戸地裁土浦支部で第一次再審請求が棄却されたとき、緊張した面持ちで足早に裁判所の建物から門前で待つ報道陣と支援者のもとへ駆けつける姿がテレビ映像に残っています。

2月12日の松戸上映会でも、蒲田孝代弁護士が参加者のみなさんに挨拶されることと思います。
ぜひ、大勢の方に上映会に参加していただき、警察や検察だけでなく、蒲田弁護士の言う「司法権の行使者」つまり裁判官に対しても、布川事件の2人「ショージとタカオ」の人生を狂わせた責任があることを実感してください。

「タカオ」こと杉山卓男さんは「ショージとタカオ」先行上映会でこう話しておられます。
あんずさんのブログより
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・・・裁判所が本当にだらしないですよね。私たちは裁判になればわかってもらえるともって自白もしてきたんですけども裁判官という人間は検察の言うことは全部正しいんだという見方でやってきました。私らの有罪に関わった裁判官は数十人に上ります。その中でやっと今度第2次再審でまともな裁判官にあえてやっともうすぐ目の前に無罪判決が手のひらに乗る寸前まできました。これも皆さんのご支援のおかげと思って感謝しております。

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私たちも「ショージとタカオ」と一緒に、刑事司法の軌道修正を迫る世論作りに貢献していきましょう。

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2011年2月12日(土)13時
「ショージとタカオ」上映会inまつど

松戸市民劇場にておまちしています。
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東葛総合法律事務所友の会