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民話に学ぶ

2012-05-15 15:11:39 | 雑感
 私は最近ホームページを立ち上げまして、その中で神奈川県西地方の民話を紹介しています。今日も町の図書館へ行って民話の情報を集めてきました。その一つに「左地蔵さん」の話がありました。合掌している地蔵さんも多いのですが、普通の地蔵さんは左手に宝珠(ほうじゅ-たま)、右手に錫杖(しゃくじょう-杖)を持っています。しかし、山北町の山市場(やまいちば)にある地蔵さんはそれらを左右逆に持っていたのです。
 昔、このことから山市場村の人たちは「縁起が悪いのでは?」「作り間違えだろう」「よその人からバカにされる」など迷惑がっていた。更には「村が栄えないのは、この地蔵さんのせいじゃないのか?」とまで非難を浴びせていました。そこで村人たちは、この地蔵さんを川に捨ててしまったのです。ところがそれ以降、地蔵堂以外の村の全ての家が全焼したり、疫病が流行ったりして何人も亡くなってしまった。そこで村人たちは「これは地蔵さんのたたりだ」と悟り、川から地蔵さんを引き上げて念仏を唱えて許しを乞うた。それ以降は火事も疫病もなくなった・・・というお話です。
 地蔵さんに限らず、魂の入った仏像や宝物や彫り物などの人工物から、大木など自然界でも際だった物に至るまで、それらを意味無く壊したり、無造作に扱ったりすれば災いが降りかかってくると言う話は多数あります。現代では、「物を大切にしましょう」という昔の教えから生まれたおとぎ話と言う方も、非科学的と言う方もいらっしゃるかと思います。
 私は「丹精して作ったり育てた物を大切にしない」という人には、いつかその報いが来るという教えに共感します。また、うわさ話に翻弄されたり、簡単に物事の責任を他人に転嫁したりするという心の狭さや汚れが、いつしか仇(あだ)となって我が身に降りかかる時が来るのも自然の摂理だと思います。こんな事を言うと宗教じみていますが、私のとらえ方はそんな「宗教」なんて言う狭いものではなく、もっと広い「人の心の奥深さ」を感じるのです。また時代も関係ありません。人の心の弱さはどの時代も同じです。
 特に人が汗水流して作った物や、育て上げた物にはその人の知恵や愛情等が詰まっています。そういう物を大事に感謝して使わせて頂く、食べさせて頂く気持ちが人として大事だろうと思っています。私はまだまだそういう心の持ち主になるには遙かに遠い人間ですが、少しでも近付きたいと思います。
 一つの民話をじっくり読んで、改めて自己を振り返ることが出来たと思う次第です。

今の若い奴らはどうしようもない・・・ン?

2012-05-09 19:47:29 | 雑感
 先日、○○教の方が我が家を訪れて、「今の若い人たちはどうしようも無い人が多いとは思いませんか?彼らの言動を直させなくてはならないと思いませんか?私たちはそういう若者に対して教えを伝えたいと・・・」と話しかけて来ました。私は即座に答えました。「そのどうしようも無い若者達を育てたのは、あなたや私達年代の人間ではありませんか?若い人たちにとやかく言う前に、私を含めたその年配者を直すのが先でしょう?そう思いませんか?」
○○教の方は「・・・そうですね」と言って、そくそくと退散しました。
宗教の勧誘であることは直ぐに分かりましたが、私はその方面に興味はありませんし、この話は宗教とは別次元のことです。
私の周りでも「最近の若い奴らはどうしようもない、オレ達が若い頃はそんなことはしなかった」と言っている年配者やオヤジ・オバサン連中が結構います。
でも、私は(天の邪鬼な性格の為か?)その様に考えたことがありません。若い人たちはその時代に一生懸命生きているのです。彼らは未来の星であるし、将来の日本や世界を担おうと頑張っているのですから。
 確かに若者達には犯罪を犯したり不道徳な者が少なからずいます。悪いことは世間の目に映りやすいものでメディアも過剰な程に取り上げています。でもこういう人間は年配者でも数多く見受けられます。よくTVでも報道するでしょう。「危険な河川敷での迷惑ゴルファー」や「立ち入り禁止区域に無理矢理入り込んでの釣り人」、「近くの横断歩道を渡らず道路を横切る人」等々。これらは人生の先輩達が非常に多いですよね。その人たちを差し置いて若者達に説教するなんてもっての他です。
 今の若者を嘆く人生の諸先輩達は昔を思い出してください。あなた方が若い頃、大人達に同じ事を言われたことはありませんか?そして「何言っているんだ、年寄りに俺たち若者の気持ちなんか分かるもんか!」と憤慨した覚えは有りませんか? そう誰でも若いときは同じ様な事を言われたものなのです。それで良いんです。年配者のいいなりになっている若者は大成しませんし、時代の進歩もあり得ません。時代と共に人の生活環境も考え方も変わって当然なのです。太古の昔から、そうソクラテスでさえ若いとき同じように言われたそうです。
 でも「今の若い者は・・・」と言いたくなる気持ちも分かります。しかし次の時代は若者達が継いでもらわなくてはならないのです。ほどほどに「今の若い者は・・・」としておき、私たち年配者は若者にお手本とならない様な行動を慎みましょうよ。我々は人生の先輩となったのですから。今の若者達には大いに期待しましょう。いつの時代でも頼もしい若者は沢山います。