道東を発見する旅 第3の人生

クーニャン、切ない別れ

灼熱の北京より月曜の夕方、無事戻ってまいりました。

今回の旅行のきっかけは、息子が東洋美術の先生から、「日本画をやってるんだったら北京に行って博物館で色々見てくるべきだ。東洋美術の原点はすべて中国にあるのできっと勉強になる」と言われたのがきっかけだ。

息子は無収入なので、自分はパトロンとして付き添い、引っ張られるまま北京のあちこちを見て回った。旅行の話は少しずつ書いていくが、今日は息子の話に関連して中国人の若いお姉ちゃんの話を書きます。

中国語で話しかけられる

今回の旅では、息子が中国人に間違われることが分かった。あっちこっちで、何度も中国語で話しかけられる。理由は明白でN子さんからの遺伝だろう。若い頃、N子さんもアメリカでよく中国人と間違われていた。

また、何故か理由は分からないが中国人女性の好みなのだろうか、もてていたようだ。

カフェテリアの姑娘

姑娘(クーニャン)とは中国語で未婚の若い女性の事だ。

一昨日、帰りの飛行機に乗る前、北京空港で使い残しの中国元を使ってしまうことにした。スタバのような中国のカフェテリアを見つけ中に入ると、チャイナドレスのお姉ちゃんが息子の方に近寄ってきた。中国元の残額を息子に渡してあったので、エスプレッソとかサンドイッチを注文してもらった。

お金を出して会計しようとしたら、4元(50円くらい?)足らない。お姉ちゃんは「カードでもいいわよ」と言っていたので、息子は自分を見た。自分は少額なのでカードを使いたくない。返事をためらって一瞬反応が遅れた。

すると、そのお姉ちゃんが息子に「いいわ、OK、心配しないで」と言うような事を言ったのだ。そのお姉ちゃんは責任者だったのかもしれないが、何か特別な理由がない限り、普通、若いお姉ちゃんが代金をまけてくれるなんて事は起こりえない。お言葉に甘えてご好意を受け入れた。

ガイドの姑娘

今回は、自由旅行で航空券とホテルと万里の長城のオプショナルツアーだけを予約して、後は現地に行って考えることにした。中国語は分からないけど、何とかなるだろうという方針だった。ただ、空港からホテルまでは送迎付きというので安心していた。

不安一杯で、空港の出口から外に出ると我々を迎えてくれたのは小柄で可愛い姑娘だった。客は我々2人だけだったので、彼女に連れられて車に向かう。その間、こちらをふりかえって「親子?」、とか「北京は初めてですか」とか、愛くるしい笑顔で話しかけてくる片言の日本語がとっても可愛い。

顔は違うけど、アグネスちゃんがデビューした時のような感じだ。どうやらHISから依頼されて、このお姉ちゃんはオプショナルツアーなどの注文をとって、その手数料で生活しているようであった。

たくましいお姉ちゃん

西安から北京に出てきて2年だというこの可愛い女の子は、会話していると、つましい生活をしながらも大都会で強くたくましく生きているのが分かった。結局、この人の案内で2日目の夕方、カンフーショーを見に行ったのだが、気遣いが細やかで優しい子であり一緒に過ごした時間がとっても楽しかった。お互いに気心がしれてくると、だんだんと情が移ってくる。

最後の日、ホテルに迎えにきてもらってから、車の中で息子と3人、会話が盛り上がったのだが、息子は相変わらず真面目な質問しかせず、その子自身には興味がなさそうだった。その子は自分に対して気を許していたのか、他の客に聞けないような事や知らない日本語の事などを質問していた。

日本の男性は優しいのか

カンフーショーの後だっただろうか、そのお姉ちゃんが言っていたのは自分も息子もとても優しいそうだ。「日本の男性って、皆、お二人のように優しいのですか?」と質問された。どう答えたらいいのか分からないけど、優しそうに見せて卑怯で弱い者いじめをする人もいるから気をつけた方がいいと話しておいた。

自分で自分が優しいと言う人はおかしな人である。その人が優しいかどうかは他人(相手)が決める事で自分で決めることではないはずだ。

もし自分が優しそうに見えるのなら、それは普通より相手の気持ちを理解しようとする姿勢が強いだけかもしれない。

別れは切ない

なぜか中国人の女の子にもてる息子、日本にあこがれ息子に興味を持っているお姉ちゃん、横目でそれを見ながら、何とかしてあげたいとハラハラしている自分という構図で、お互いに気持ちがかみ合わないまま別れの時がきた。

正直に言うと、息子の嫁になってくれたらいいのに、と思った。だが、叶いそうもない夢だ。戸惑う間もなく出国ゲートを通りすぎてしまった。振り返るとゲートの向こうで一生懸命手を振って見送ってくれる彼女の姿を見たとき、涙が一杯になってこぼれそうだったが、息子に悟られてはならないと必死に我慢した。

思いっきり別れの切なさを味わってしまった北京旅行であった。

このブログは家族に内緒で書いています。もし息子の知り合いの方が読んでいても、息子に内容を話さないでください。
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