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FPと文学・エッセイ 〜是れ日々なり〜

ライフプラン、資産設計のほか、文学・社会・芸術・文化など気まぐれに日々、FPがつづるエッセイ。

米国大統領 ― 国家リーダーの報酬はいくらか

2009-04-02 06:37:32 | 政治・社会・歴史
金融エリートたちはもらいすぎだ

AIGの賞与について、全米のみならず、日本でも怒っている。国が救済したのに、破綻させた張本人たちに巨額のボーナスが支払われていたからです。総額で1億6500万ドル(1ドル100円で単純換算しても165億円)が約400人に、最高では一人650万ドル(6億5000万円)もが支給されました。その後、返還する人も出たり、90%課税法案が可決したりと進展はありますが、オバマ大統領も怒り心頭、税金を払っている失業者たちはもっと激怒してました。

ウォール街の金融エリートたちの報酬はべらぼうに高い。自動車業界では、破綻しかけたGMのトップがアメリカ議会で詰め寄られ、報酬を1ドルにしたというコミックみたいなことがありました。オバマ大統領はリーマン・ブラザーズなど公的資金を受ける金融機関の経営者の報酬を50万ドル(5000万円)に制限したばかりでした。
そこに、AIGの巨額賞与の支給が発覚したわけです。


アメリカ大統領の報酬

オバマ大統領の報酬は40万ドル(4000万円)。その安さに驚いた人も多いでしょう。日本の首相ですら、それよりもちょっとばかり多いのです。これくらいの報酬は、中小企業の経営者、いや大企業の役職員クラスでももらっている人はざらにいます。この程度で、核の発射ボタンを預けているのかと思うと、事情の知らない人はゾッとするでしょう。AIGへの怒りは、高額報酬の金融エリートたちへのやっかみか、と思えたりもします。お金の誘惑で核の発射ボタンを押されたりしたら、たまったものではない、と。

でも、心配はいりません。米国大統領には、絶対的権限が持たされているのです。軍、大統領府、閣僚、政治任用者のすべての任命権を統括する力を持っています。権力は、お金に優るものです。もちろん、正しく使われるための権力であることは言うまでもありません。

ついでに言えば、お金の面でも、大統領経験者には年金として一生困らないほどの金額が生涯支給されます。引退後は講演料、著作権料(引退した大統領はたいてい回顧録を出します)など、半端な金額ではないそうです。だから、お金のことで大統領職が誘惑に動かされるなどと、心配することはまったくありません。

お金よりも、世界平和のために行使できる全権限、そして世界の政治家のトップに立つという自負と名誉が彼らを支えているのでしょう。

わが日本の総理大臣も政界のトップとして、米国大統領に劣らぬ報酬を得ています。それなりの権限と自負と名誉を感じるはずです。なのに、どこが違うのでしょう。権限はあってもないようだし、自負もなければ恥じらいもない。まさか、現職の報酬だけで比較して、自分のほうが米国大統領より多くもらっているなどという“名誉”に満足しているのではないでしょうね。


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