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FPと文学・エッセイ 〜是れ日々なり〜

ライフプラン、資産設計のほか、文学・社会・芸術・文化など気まぐれに日々、FPがつづるエッセイ。

ジャーナリズムの崩壊 ~ 朝日新聞の誤報問題

2014-09-22 01:19:04 | 政治・社会・歴史

  少し時間がたってしまいましたが、やはり書いておきたい。朝日新聞の責任は重大だと思います。

1つ目は、従軍慰安婦の「吉田証言」の誤った記事。

2つ目は、これをコラムとして批判した池上彰氏の記事を朝日新聞が掲載拒否した記事。

3つ目は、東電社員の「命令を無視して撤退した」という「吉田証言」の記事。

 どれも目を疑わざるをえないようなことです。ジャーナリストとしての責任と誇り、良心というものはないのでしょうか。

  1つ目については、事実的根拠に基づかない、「軍による強制連行」をあったとする証言をいとも簡単に容認し、何度も掲載してきたこと。国際世論は慰安婦の事実があったということが問題で、「強制か否か」には影響されないとしていますが(クマラスワミ報告)、そんなことはないと思います。この誤報記事によって河野談話を呼び、日韓の従軍慰安婦問題は大きくこじれ、長い間日本は恥知らずの国とされ、外国各地で慰安婦像設置という屈辱の根拠となっています。 

 2つ目については、池上彰氏が上記のことをジャーナリストの立場で、自分自身が連載している朝日新聞のコラムに載せようとしたところ掲載拒否されたということです。数日後に掲載されましたが、コラムを読む限り、池上氏の批判は当然のものであり、述べられている意見もすごく真っ当です。なぜ朝日は掲載拒否したのか。池上氏は毎回、このコラムでは複数紙を読み比べ第三者の立場で社会問題についてコメントしています。ところが、朝日にしてみれば、「朝日新聞に掲載してもらっている1ジャーナリストの分際で、朝日について口出しするとは何事だ」ということらしい。まったく呆れたものです。それで波紋が大きくなると、やっと掲載に踏み切りました。 

 こういった組織の構造は、ひじょうに気味悪いし、気分が悪い。このような構造は大企業に見られますが、朝日というのはただの会社ではありません。新聞社です。世の中の事実と真実を伝える使命があり、なにびとに対しても言論の自由を封じてはならない所のはずです。この新聞社は、ただのサラリーマンの集まりの会社でしかないのでしょうか。おそらく、こういった社風が朝日の中にも常にはびこっているのでしょう。しかも一部の編集幹部が他の編集員に有無を言わさぬ圧力を持っていると思わざるを得ません。 

 3つ目にしても、2週間ほど前の記者会見で朝日新聞社長が謝罪していましたが、事実を確認せずに報道してしまったということに呆れてしまいました。事実を事実として正確に確認できていないということ、確認できていないのに報道するということは、もはやジャーナリズムの責任を果たしていないということです。 

 たとえば、事実を巧みに隠ぺいする者がいて、事実を簡単に見破れなかったというならともかく、これら2つの「吉田証言」(同じ「吉田」で紛らわしいですが)は隠ぺいどころか本人により公開されたものです。公開されたものについて十分な検証ができないということは、むしろ事実を恣意的に曲げて解釈していたとしか思えません。

 いったい、朝日新聞は何を考えているのでしょう。その横暴さにいまだに腹が立ち、おさまりません。もはやジャーナリズムの崩壊集団、言論の権力集団と言っても言い過ぎではないと思います。