穀菜食堂なばな

オーガニックを日常に
昭和の香り漂う路地の奥、尼崎の和風ヴィーガン食堂。

第11回 ドラッカー読書会

2020年10月13日 | ドラッカー読書会

ほぼ一か月に一度のペースで、長崎の鬼塚さんにファシリテートして頂いて、ドラッカー読書会を開催しています。
6月からはオンラインで、そして8月からは朝の時間を使って続けられています。
このコロナ禍の下、数カ月前のことがとても遠くに感じられます。

これだけの大きな変化の時代にあって、拠り所となる杖を持てるのは本当に心強いこと。
なばな自身も業態を変えるといった大きな動きがあり、動いてるなかで時々は不安に陥ることもありますが、支えになる言葉がいくつもあります。
「変化を求めるのであれば、『これは機会か、もしそうならばいかなる機会か』を問えるようにしておかなければならない」

先行きが見えない状況にあるとき、不安に駆られそうなとき、ふっと我に返してくれるフレーズです。
自分一人でコツコツ見つけていくのも良いですが、読書会という形で、一冊の本をいろんな角度で見ることで様々な光が当たって、思いがけない視点がいくつも見つかるのです。
それが読書会の醍醐味ですね。
今日も新しい視点がたくさん見つかりました。
さっそく振り返ってみたいと思います。

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前回から今日までの振り返りと、今日の目標ゴール】

★M.Tさん
受け持っていたクラスの受け渡しがうまく行った。
渡したら終わりではなく、落ち着くまではフォローするのが大事。
コロナの頃にzoomを使い始めた事で、オンラインでの仕事が来るようになった。
その運営に当たっては全てを自分でするのではなく、苦手な機会操作などの部分は他の人に振って、みんなで利益を得るようにしている。
「今日のゴール」は、自分は意識して成果を上げるのが苦手で、成果は自然についてくるものと思っていたが、これからは自分なりの成果を上げるやり方を知っておきたい。

(鬼ちゃんコメント)
移譲は難しいけど、意識的にやらないといけない。
そこで必要になるのは、成果の定義づけ。
たとえば数値目標設定しておくと、時間軸としてそこに達したときに他と比較しやすい。
zoom仕事は予期せぬ成果だから、可能性を探っていく必要がある。


★R.Tさん
色々なことに携わるのが好きで楽しく過ごしてるが、身体は疲れていると漢方の先生に指摘された。
好奇心の赴くままに動きがちだが、何をして何をするべきじゃないのか、どこに向かってるのか意識しないといけないと思った。
「今日のゴール」は、皆さんのお話聞きながら、確かめていきたい。

(鬼ちゃんコメント)
ファシリテーターが読書会に当るとき、ここに着地するだろうという意図を持って始めるが、意図の通りには絶対ならない。
意図を超えた成果につながる。
参加者の中から言葉が降りてくる。
他の人が読んでるところに、自分が知りたかったことが見つかったりするのが、読書会の面白さ。

成果が出たり楽しんでる時には忘れがちだが、「上手く行ってるときほど考えるべし」とドラッカーも言っている。

★Y.Sさん
日常生活の中に成果と言えるものはないが、本を読んできたせいか、頭が整理されてきた気がする。
動物愛護とはこうあるべきじゃないかと思ってたことが、ドラッカーとの会話を通して論理的に考えられるようになった。
感情的なあがきではなく、少し俯瞰的に見られるようになった。
三田市で行政と連携して地域猫を作る取り組みに向かえるようになった。
「今日のゴール」は、今までは個々の団体について考えていたが、今回の課題箇所では、動物愛護団体業界ではどうなるのか?を意識するようになった。

(鬼ちゃんコメント)
個々の活動ではなく、全体への影響を考えるのを「全体最適」という言葉で推奨してる(byドラッカー)
「なされるべきこと」とは、外から見ての自分たちへの期待
ドラッカーとの対話を、読書会を通して進めていく。

★K.Yさん
いろんな対立のなかに巻き込まれていて、心が疲れてる。
「今日のゴール」は、意見の対立を超えるには、というテーマを深めたい。

(鬼ちゃんコメント)
意見の対立は意図的に起こすべき。
満場一致はちゃんと議論したことにならない。G・Mアルフレッドスローンのやり方。
不一致は、議論が深まるきっかけ
対立を当たり前にする。
幸福度が高いデンマークでは、意図的な対立を当たり前のことにしてる。
誰もが自分の意見を通したい人たちだが、相手をリスペクトする姿勢があるからうまく行く。
相手の意見に被せたり、遮ったりするのは最低の討論会。

※鬼ちゃんが以前教えてくれたデンマークの本。
まだ読めてなかった。。

★私
これまで数値目標を意識してこなかったが、これからは数値を意識していこうと思う。
地域活動は、他の人に分担してもらえることは割り振っていきたい。
必要なことに必要なだけ時間を割けるように、「急ぐことは遠回り」と意識している。
よつ葉さんで乾物レシピ担当を続けてきたお蔭で、「乾物といえば金岩」と認識して声かけてもらえるようになった。

(鬼ちゃんコメント)
非営利組織は「数値目標」という言い方が苦手。
数字は全世界共通語なので、誰もが検証しやすい。
KPIが当たり前のように使われている。
数値化する難しさはあるが、数値目標に向かおうとすることによって、成果に近づきやすくなる。
コンサルとしてサポートするときには、全社員に目標を数値化してもらうのは大前提。
「頑張る」という目標設定は、評価の対象にならない。
頑張った結果として数値にどう表れるか。
逆に、頑張るためには、「一日に○○を△△回する」などの数値設定が必要。
設定した数値目標を、半年後などに検証。

人に覚えてもらうには、自分のミッションを明確にして常に発信することが大切。

★鬼ちゃん
ノルディックウォーキングを、壱岐市の介護予防事業として受託して、3年前から取り組んでる。
初めてのときは2人しか来なかったが、まる二年の活動で参加者80人になった。
これがかなり拡がりをみせて、観光との親和性「ヘルスツーリズム」をノルディックウォーキングを使ってやりたいとの依頼があって、奄美に出張。

介護予防の入口から、観光の出口へ。
今年度の事業計画2期目を策定したとき、「ヘルスツーリズム」を掲げていた。
自分のやりたい事を組み込んでたら、流れがやってきた。
あらかじめ明文化すると、次に繋がっていく。
「本日のゴール」は、ファシリテーターはいつも得してる。
必ず降りてくる言葉を、今日も楽しみにしている。



【ここからが本題】
参加者それぞれが、気になった所に線を引いて発表していきます。
本日の課題箇所は、第Ⅲ部「非営利組織の成果」p.118~159です。


★M.Tさん
p.125「常にそれらの目標をより高次元のものにしていかなければならない」
これまで一応の知識として持っていたものを、きちんと学び直して理解を深めて伝えられるようにする。

P.131 権限の委譲について
移譲する相手は、選ばないといけない。

(鬼ちゃんコメント)
大局を掴むと、今やるべきことが見える。
大局はなにかというと、広い視点で見た時の成果とはなにか。
それを意識すること。

★R.Tさん
p.128 礼儀について「動いているものが~大儀は礼儀を不要にしない」
自分は礼儀を大切にしてるほうだが、その大切さを他の人には伝えにくかった。
ここですっきり説明されている。

p.140 意見の対立について
自分は、対立するのが本当に苦手。
ミーティングではメンバーの意見を汲んでるつもりだったが、ミーティングで決めたことが現場に反映されていないのを知って愕然とした。納得されてなかったという事が分かった。
対立するのが嫌で説き伏せていいたのだとわかった。
対立を避けるとそういうことが起きるのだと分った。

(鬼ちゃんコメント)
読んでほしいところを読んでくれてる。
我々法人のマニフェストは、p.140「本質における一致、行動における自由、あらゆることにおける信頼」
共通認識を作るまでは、意図的な反対意見を活かして深めていく。

「礼儀」は、マネジメントでも使われてる言葉。
摩擦を滑らかにするものが「マネジメント」
マネジメントは教養=誰もがもっておくべきもの。
なぜ礼儀が必要か、合理的な説明が必要。

★Y.Sさん
「真摯な不同意」について
p.139「全員が違う現実を見ている」
p.142「反対者のほうも、意思決定の論拠を理解できる」
反対意見を豊かさの源として、ポジティブに捉えたいし、理想を言えば統合したい。

(鬼ちゃんコメント)

Yちゃんは本を通じてドラッカーと対話してる。

最終的な意志決定はマネジメントの仕事だが、そこに至るまでのプロセスにいかに関係者を巻き込んでいくか、様々な意見を取り上げて共有することが大切な仕事。
決めたことに対しては、トップマネジメントが責任を持つ。
時間も手間もかかるが大切なこと。

重要な問は「顧客とは誰か」
トップマネジメントにとっての顧客は従業員、または事業に関わる近い人。その人たちに、いかに意思決定のプロセスに関わってもらえるかが大切。
鬼ちゃんの例:プラチナメンバーの意見を聞く
(私の感想:メンバーにプロセスが見えないと、やらされ感が出てしまう。納得感が無い。⇒自分が蔑ろにされてるような感じ。)

顧客の種類は2種類
・プライマリーカスタマー=顧客
・サポーティングカスタマー=従業員やボランティア。どちらも大切だが、トップマネジメントについては、こちらがより大切。

★K.Yさん
p.140「本質における一致~真摯な不同意として受けとめられなければならない」
アズワン鈴鹿コミュニティに注目している。
社長のいないお弁当屋さんを運営しているが、設立当初はメンバー同士仲悪かった。
「本当はどうか」を考え出してから、争いなくなりコミュニティが運営できるようになった。

p.126「非営利組織は内部指向になりがち~『ミッションに貢献するか』を考えずに『内規に合っているか』を考える」
今関わってるコミュニティのミッションは「地域に開かれる」ことだが、ルールを作ると閉じていく。
毎週会議してるが、ほとんど何も決らない。
ボランティアというと、成果は二の次という風潮。
自由にすると責任がでる、その怖さ。
開かれたコミュニティスペースというよりは、自分達だけのコミュニティになりつつある。
ルールはどこまで作るべきか、ジレンマがある。

(鬼ちゃんコメント)
典型的な非営利組織の罠。
自分たちの成果は外にしかないのに、内側に向いてしまう傾向。
非営利組織こそ、外にしか成果は無い。
外に貢献するための存在なのに、内規に縛られるのはナンセンス。
ボランティアという言葉に対する軽さ。
自由と責任はセット。ボランティアでも正規職員でも同じ。
我々の活動は大儀に基づくと、理解してもらう。
会議の冒頭には、会議の目的を明らかにする。
時間があれば、それぞれのミッションに対する考察からスタートするのも良い。

ボランティアという言葉に対する甘えが出やすい。
サポーター、クルーなど言うことが多い。

★私
p.149「子供に教えることだけが上手であるという人にはお目にかかったことがありません。
私の知ってる一流の教師はみな、子供と大人の区別をしていません。
進み方の速さに違いがあるだけです」
大人と子供だけでなく、大人でも速く学ぶ人とゆっくり学ぶ人がいる。
今、尼崎市の陳情制度廃止の動きに反対してるが、主な理由は、発言力が弱い人の発言の機会を奪ってはいけないから。
ゆっくりと必要なだけ時間をかけたい。
私が尊敬しているSORA川内たみさんが以前運営されていた食堂は、女性なりのコミュニケーションの形を大切にしていて、ミーティングは月に一度、朝10時~夕方5時まで、結論を急がずに好きなだけ話題が脱線するが、その脱線先から生まれるものを大切にするというもの。

(鬼ちゃんコメント)
会議の価値について
「会議は無くさないといけない」それがマネジメントがうまく行ってる組織。
会議というやり方そのものが問題。
意思決定や共有は他の機会でもできる。
普段の共有や意志決定をどうやっていくか、みんなが意思決定に加わっていくにはどうするか考えること。

陳情制度を無くすことは、社会サービスが失われるかどうかにも関わること。
行政にとっての顧客は誰か→市民

大局を見ることで個別のことを理解できる。
SDGSの成果=地球市民が向かう方向が明確になった。
壱岐はSDGS推進市、こういうゴールを描いてそこに向かってると市民が共有できるものがSDGS。
市民が共通言語として持てるものは、なかなか持てないのじゃないか。



【今日の振り返り】

★M.Tさん
どんな人がいても一緒にできるヨガを目指す。

★R.Tさん
教育のこと。
合理化効率化を先行すると、本当になにが大事かがおざなりになる。

★Y.Sさん
ミッションに対する考察から始めるべき。
私の活動でもそうだなと思ったが、ミッションに対して吟味する姿勢がないといけない。
陳情に限らず、気軽に市民の声が拾えるようなしくみが欲しい。
行政の顧客は市民じゃないかと思った。

★K.Yさん
心病んでたけど癒された。
SDGs「誰一人取り残されない」を目標にして、それ以外は捨てる。さっぱりした気持ち。
今回、陳情ってなに?と思った人が多い。
今回、陳情廃止の意見が出たことで、様々な意見が拡がったのが成果。

今日も大充実の読書会。
私はいつも、皆さんの発言やコメントをPCのメモ帳にタイプしながら聞いていて、それを後から整理しながら振り返る「ひとりフィードバック」が大好きです。
一度に二つのことができないので、自分の発言はあまり残せません(笑)
本日の一枚。

壱岐のJ.Bですね!素敵すぎる✨



私はこの後、竹炭パウダーコンポストの講習会。
講師を勤めさせて頂いたのですが、大切にするべきは何かを念頭に置いて、お話させて頂きました。

大切にすべきことは「人と社会が守られること」
これは、当然ですが自然環境があった上でのことです。
大切な自然がずっと後々までも、大切なものとして守られますように。
これまで守ってくださった先人方への感謝を込めて。


余談ですが、2年まえに楽天堂の千晶さんがなばなに来てくださった時に、私は長年の憧れの方の来店にとても感激していて、その日のブログにも「『忙しい』という呪縛から解放されて、呼吸をゆったりとできるように。」と書いたのですが、そのブログを千晶さんがシェアしてくださったのを見て、SORAの川内たみさんが「このブログを読めて良かった」と言ってくださったそうなのです。
千晶さんがわざわざお電話で教えてくださったのを思い出しました。
その頃には夢にも思いませんでしたが、今なばなには、SORAさんから仕入れた商品「ボディクレイ」と「タケフ」のコーナーが出現しています。
いつも思う事ですが、ご縁の糸は想像を超えて張りめぐらされていますね。


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