穀菜食堂なばな

オーガニックを日常に
昭和の香り漂う路地の奥、尼崎の和風ヴィーガン食堂。

第15回 ドラッカー読書会

2021年03月02日 | ドラッカー読書会

なばドラ15回目の今回より、『ポスト資本主義社会』に取り組むことになりました。
(課題図書が決った経緯はこちら

このことが決ってから初めてこの本を手に取ったのですが、先に実物を見てたら選んだかどうか微妙だなあ。
ひとりじゃなくて、読書会というスタイルで読み進められる機会を、ありがたいと思います。

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いつものように、前回から今日までの振り返りと、今日の目標(ゴール)の発表から。

★たかちゃん
参加が久しぶりのこともあって、今回の本を見て、概念的で難しい感じがした。
今まで勉強してたことも結構忘れてると思った。
こちらの本を勉強しつつ、これまでの復習の機会にしたい。
ゴール:「教養」という言葉が何度も出てくるが、一回読んだだけでは霞の向こうにあるみたい。
この言葉を、もう少し理解したい。

「教養」って確かに当たり前に使う言葉だが、どういう意味か?
ドラッカーの情報収集は、歴史書から。
「歴史から学ぶ」ことを最重要視してた。
学んで活かすこと。

本を読んだだけでは、情報収集の段階。
使って初めて、知識を得たことになる。

★ようちゃん
感謝。
読書会が無いと、こんな難しい本を読む機会が無い。
ゴール:コロナのことがあったり、本のなかでも、親の世代とまったく違う世界を生きると書かれてある。
読書会が終ったあと、世界に希望を見出したい。

「どのような社会が到来するか」みんなの関心事。
我々がラッキーなのは、ドラッカーに学んで備えることができる。
1993年の時点で、2020年の予想がされている。
コロナによって社会は変化を余儀なくされたが、この先社会は元には戻らない。
コロナによって、変化が加速した。

次の社会は知識社会。
楽な社会ではなく、競争・格差社会になる。
『ポスト資本主義社会』で学んで次に備えられる。

★みぽちゃん
鬼ちゃんが言われたように、この本のなかで今の世の中のことが予測されている。
バブルが弾けて大変な頃、そこから見てもすごい変化があった。
前回までで『非営利組織の経営』を読んで、自分のこれまでの選択に間違いがなかったと思ったが、この本は今に必要な本だと思った。

★ゆきちゃん
これは預言の書ですか?
これを読んだら、今どう振る舞ったらよいのか分かりそうで、期待が高まった。
日本の経済がリーダーシップとってないということ、93年の時点からわかってたのに、あの時点で手を打っていれば。。。

ドラッカーが先を見通してた作法は、歴史から学ぶこと。
歴史は繰り返すものなので、パターンとして体系化してた。
もう一つは、すでに起こっている世界を見ていた。
一番わかりやすいのは、人口動態。
ドラッカーの観察者としての力が天才的だったので、今起きてることを見て、一つずつ未来を見通してた。
ドラッカーが手掛かりを残してくれてるので、我々はそこから学ぶことができる。

★よしこちゃん(お友だちのよしこちゃん。福島からの初参加です)
ドラッカーについては経営とかマネジメントとかの印象だったが、なばなで質問したら「ドラッカーは人々を幸福にして社会を良くするために、必要なことを教えてくれてる」と意外な返事が返ってきた。
そう聞いて『ドラッカー入門』を読んだが、難しく思った。
次になばなに行ったときに難しいと言ったら『人生を変えるドラッカー』を貸してくれて、面白かったので『経営者の条件』を読んでみたが、難しい。
ゴール:自分が知りたいことを理解できる糸口を見つけたい。

初回からこの本なのは、ハードル高いが、逆にラッキーかも。
赤本を一人で読み解くのは難しい。
課題図書を読まずに参加する人もいるが、それもフラットに見えて良いかも。
読書会の良さは、他の人の注目ポイントが見えたり、他の人の実践を聞いて勇気づけられたり、実際の行動に結びつけるきっかけが得られること。
まずは、ドラッカーの言葉の一つから、使ってみるのが重要!

★ひさみ
前回から今までの間、できるだけやる事を減らして、少しのことに集中している。
仕事と遊びの境目がなく、ずっと自分らしく良い感じで過ごしている。
ゴール:この本の序章と目次を眺めただけだと、新しい時代への不安も感じるが、読み進めることで展望が開けるのではないかと期待している。

やる事減らす。
イノベーションの第一歩は廃棄から。
生産性にとって何が大事かというと、一番は時間。
時間を空けるために、やらないことを決める。

遊びと仕事が同じという感覚=心地よい。
精神状態が安定してる。

この本は、最後まで読んだら、何をなすべきか分かってくる。
最終的には、希望の書であると分かる。

不安の感覚は持っておくべき。

『経済人の終わり』は、1939年に書かれたが、その当時、ナチスの侵攻があった。
一昨年、ウィーンの軍事博物館に行ったが、オーストリアの人たちは、みずからナチスを招き入れていたと分かってぞっとした。
なぜそんな事が起きたのか。
『経済人の終わり』1939年と『産業人の未来』1942年の2冊に書かれている。

ドラッカーが言おうとしたのは、「全体主義を阻止しなければならない」ということ。
それに代わるものとして発明したのが、マネジメント

オーストラリア人が、どうしてナチスを招き入れたかというと、自由を手放していたから。
自由は責任と苦しさを伴うので、苦しいよりは誰かに委ねたい感覚があった。

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さて、ここから本題に入ります。
今回の課題箇所は、「日本語版へのまえがき」と「序章」。


★たかちゃん
p.17 「こうして『社会による救済』の信仰が終わりを迎えたからには、内面への志向が始まる。改めて個人、すなわち人間が重視される。さらには、個人の責任への志向さえ生まれるかもしれない」
今までは、資本主義が良くも悪くも回っていたが、これから次の世界に向かうにあたって、国や自治体に任せてたらやっていけない。
ドラッカーのいう意識ある人と無い人の差が出てくるから勉強しなさいと言ってるのだと思った。

1956年『現代の経営』を出して、日本に最初にドラッカーを紹介した野田一夫氏が言ってたのは、「国を愛しても国家は信じるな」
我々はこれまで資本主義を拠り所にしてたが、これから激変していく。
これからはドラッカーをバイブルにして生きていく。
ドラッカー学会が重視してるのは、セルフマネジメント。
その中の要素の一つとして、マインドフルネスがある。
※セルフマネジメントを一冊にまとめたのが、『経営者の条件』。ドラッカーに慣れたら読んでみて、セルフマネジメントに繋げていってほしい。

p.20 「教養ある人間」とは?

例えば大学の在りかたについて。
大学は、これまで若い人だけの教育の場になってるいたが、今まさに生涯学習にシフトし始めてる。
継続学習、学び続けることの重要性をドラッカーは語っている。

読書会も継続学習のしくみ。
月に一度、本を読んで意見を言い合う。
松下村塾スタイル、同じコンセプトでやる。
学べないはずがない、行動に結び付く。
行動して成果を上げてほしい

★ようちゃん:
p.6「われわれのほとんどは、あらゆる先進国が、いわゆる資本主義から脱しつつあることも知っている」⇒そうなんだ。知らんかった。

p.16「システムとしての共産主義には英雄が何人もいたが、信仰としてのマルクス主義には、聖人は一人も現れなかった」
「国を愛しても国家を信じるな」に繋がるのか。
親の時代と比べて全く変わることも含めて、本を読んで、期待よりも不安が大きかった。

資本主義、株式が崩壊してるという人が増えてきた。
岩崎さん:終ってると分かってて、今のシステムを維持するために無駄なことを続けてるのが現代人。
マネジメントを学んでるが、マネジメントがなくなる社会を見越しておくことが必要。
マネジメントは、いずれ捨てないといけない。
※岩崎さんとは、『もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」=通称『もしドラ』の著者、岩崎夏海さんのこと。
ドラッカーと同じ、社会生態を見る優れた目を持ってる。

第一次大戦に直面して、第二次大戦、イギリス、アメリカへ亡命という時代背景のなかで、ドラッカーは全体主義を止めるために、人を幸せにするためにマネジメントを発明したが、その役割は果たし終わってる可能性がある。
人である以上、人のマネジメントは続くが、それに代わるものが必要。
マネジメントの次に来るものとは?
この本を読むと見えてくる。

★みぽちゃん
p.11「ここでいう社会の二分とは、知識人と組織人への二分である」
私が苦手な組織人を一つにするのは、そんな賢いことじゃないがそこで立ち回ってたのかな、自分。

「私」をみんなが生きていくのが大事と思った。
感覚で生きて来た私が読んでも、なにか染み込むものがある。

セルフマネジメント、「私は私」というキーワード
そんな人がどんどん増えてる。
マネジメントはそんな人の、生き方そのものにも必要なもの。
組織との関わりは常にある、コミュニティも組織といえる。

★ゆきちゃん
p.7⇒これからの時代は知識だと言ってる。
この本の執筆当時に言ってた知識と、今の知識とは違うのかなと思った。スマホがあったり。

幸福度世界一のデンマークの教育は、スマホを試験に持ち込みOK。
それは、スマホで得られる情報は知識ではないという事。
情報ではなく、考察を求める。
日本もそうなれば良いと思うが、少しずつ変わって行ってる。
考察が実践、行動に繋がっていく。
そういう所を含めて「知識」
これから求められるの、知識労働者に必要なのは考察力。

p.12 イラク戦争について。
みんなが正義のために立ち上がったというのは疑問。

p.16 マルクス主義は終わった。
「マルクス主義がもたらしたものは腐敗、貪欲、権力欲であり、嫉妬、不信、秘密主義であり、欺瞞、強盗、威嚇だった」⇒良いところもあっただろう!
マルクス主義に魅力を感じる人が多かったからには、良いところもあったのではないかと思う。疑問が残る

p.12 フセインが計算違いをしたということを述べてるので、アメリカの侵攻が正しかったとは言ってない。
p.16 ドラッカー学会の人間として擁護するわけではないが、ドラッカーはある程度フラットな目線でファクトを語るが、共産主義には少し表現が強いかも知れない。

★よしこちゃん
p.ⅷ 「日本が日本独自の文化、世界観、美意識を強化しつつ、新たな課題に応えていくことを確信している。
しかしそのためには、それらの課題が何であるかを理解しなければならない」
日本で生れて仕事をしてる私は、これらを表現してるが、新たな課題って何だろう?
ものを作って売る、思想を広めるでもない。
これからの行動にどうつなげていくか

「新たな要求、新たな脅威、新たな機会」この順番にも意味がある。
・新たな要求:新たな要求がどこから発せられるかが大事。要求してくるのは「顧客」。顧客とは、我々の行動によって生活が変わる人。
顧客のニーズにあったものを企業は提供する。
・新たな脅威:強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats) の分析=SWOT分析をやる。
これ以上に優れて誰でもできる分析はない。
強みと弱みは組織の内の世界にある。
機会と脅威は、外にある。
機会と脅威は、表裏一体。どう捉えるかによる。
・新たな機会=すでに起こってる未来を見ていくこと。

★ひさみ
p.ⅵ 「日本の経済的な成功こそ、過去四十年間の非共産圏における経済成長と繁栄の要であったと論じている。日本の成功がなければ、自由世界が繁栄することはなかった。」
日本は、アメリカにとって都合の良い存在。
戦後の占領政策のなかで伝統的な食生活は破壊されて、アメリカの余剰作物=小麦や牛乳を組織的に売りつけられた。学校給食など。
その事を連想してしまって、不快に感じる。
その一方で、ドラッカーが言うからには、そういう意味ではないだろうとの期待、この先を読み進めることへの期待もある。

日本は戦後、アメリカの都合によって左右されてきた、その一方で、アメリカの防衛力に守られてきてる面もある。
事実として見ると、日本の経済成長はアメリカの想定を超えていたので、アメリカは圧力をかけてストップかけたという面もある。
ドラッカーはそこは分かったうえで、アメリカをも凌駕するような日本の経済発展に興味を持った。

イギリス時代に日本画に出会って、「恋におちた」
ドラッカーの山荘コレクションを見に行ったが、感動的だった。
ドラッカーは、日本画から垣間見える日本人の感性に注目していた。
「明治維新」と「第二次世界大戦からの復興」を評価してきた。
ドラッカーは、アメリカと日本の関係を分ったうえで、日本にエールを送ってると見ている。

野田一夫の言葉「国を愛しても国家は信じるな」
これに尽きる!



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ひと通りシェアが終わり、今日の振り返りです。

★たかちゃん
「教養」とは、歴史を学んで今に活かすことと知ってすっきりした。

ドラッカーだけ学べば良いと思って、他のビジネス書を読むのは廃棄した。

★ようちゃん
ドラッカーだけ読んでおきます。
明るい未来を想像できたらと思って参加したが、みんなのを聞いてたら、学んでいられる、軌道修正、リセットできる。

継続できるのが大事

★みぽちゃん
これだけ血なまぐさいなかで楽観的。
日々選択しながら、最後の日まで生きる。

p.21 「いまが未来をつくる時である」
背中を押される感じがある。

★ゆきちゃん
情報はスマホで得られるので、賢く生きていくのが大事と思った。

ドラッカーはインテリを否定してる。
誰もが知識人になれると言ってる。

★よしちゃん
今日のゴール、知りたいことが見つける糸口見つかった。
難しく考えるよりも、参加してみてよかった。
思ってもみなかった話が聞けてよかった。

読書会というコミュニティが一番深まる。
共通言語を持てる。
その人のことを良く理解できる。
最初は単なる勉強会だけど、だんだんソウルメイトになっていく。

★ひさみ
これから先を読み進めるのが楽しみになった。



ドラッカーは、分析だけして私たちを放り出すようなことはしないだろうと思う。
「ドラッカーは親切」
読書会に参加するようになってから、度々思うことです。


1993年、私たちが大学で中途半端に過ごしていた頃、アメリカから日本の事を思って文章を書き連ねてくれていた老ドラッカーの心を思うと、ここにもあなたの弟子がいますと言いたい気持ちになる。
全体主義には持っていかれないよう、自分らしい在り方で、社会を明るくする一粒になりたい。



読書会のあと、小さなワークショップを開きました。
素朴だけど、上質の素材に少しだけ手を加えて、自然の恵みをありがたく頂きました。
土を守って植物を大切に育ててくださる農家さんへの、感謝と尊敬を込めて。


コロナウィルス感染拡大に関する緊急事態宣言は解除されましたが、社会には不安な空気がまだまだあります。
それぞれが思いやりと節度を持って、この事態を穏やかに乗り越えられますように。

 

 

 

 



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