元気の素 SMAPに愛を叫ぶブログ

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「大統領の最後の恋人」アンドレイ・クルコフ

2006-12-01 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
ウクライナの冬は、寒そうだ。
冬に向かう日本でこの本を読んでいると、
無性に温もりを求めた。
ココアなど暖をとる飲み物が、
至福を感じた。
かと思うと、夏は無闇に暑そうだ。

抜粋;
  氷はジャグジー風呂の底全体に敷き詰められている。
  私は石炭の上で焼かれるように、
  その氷に上で五分ばかり横になっていた。
  それから冷水の蛇口をひねる。
  水はざあっと流れて私の体に当たり、
  四角い氷を私の下から押し流し、渦を巻いた。

20キロの氷風呂に嬉々としてはいるんだって。
ウィスキーを持ち込んで
風呂に浮かんだ氷を入れてオンザロックにするんだって。

抜粋;
  なにか他にもっと荒々しいものがほしかった。
  私の体を共鳴させるようななにかが。

氷風呂に酒。ここに音楽を足すんですって。

抜粋;
  これぞまさに肉体の共鳴だ。
  私は軽い震えを感じた。
  それは、私がこの声を耳だけでなく
  皮膚全体で、氷風呂で冷やされた私の
  肉体の本質全体で聴いているということを
  証明していた。

寒いだけじゃないのか!
そう突っ込みたくなる。
彼がどれだけのストレスを抱えて日々を過ごしているのか。
これほどの刺激がないとやってられない感じが伝わる。
寒さ、冷たさに快感を覚えるために、
命を落としそうにさえなった過去もあるのに。
彼の空しさは、若き日の子供の死産、子供がもてなかったことが
陰を落としているのかもしれない。
時間の交錯する小説は、読みにくい。
流れるようにはいかないが、
ジグザグと曲がりくねる道から
ちらちらと見える恋人を待つように
会える時を楽しむように読んだ。
だんだん解ってくる彼が
いとおしくなって来る。
悲劇があると感情移入してしまうし。
謀略があると怒りを感じたし。
好みでない作品のはずなのに
忘れがたい印象を残した。


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