元気の素 SMAPに愛を叫ぶブログ

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「星々の舟」村山由佳

2006-10-21 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
かな~りキツイ話だ。
兄妹でなさぬ恋、不倫、強姦、先の大戦の従軍の記憶、いじめやリンチ、帰宅拒否の中年、死を意識する老人…
書き連ねると凄まじいな。
だけど、描かれている人物群は清清しい。
どろどろしていない。
ジタバタしていない。
なぜだろう。
なぜ問い詰めたり聞き出したりしない?
怒鳴って、暴力をふるう身内がいるのになかなかどうして大人。
くどくどという奴もいない。
一人の人間が決めた事を尊重するような空気がある。
私のまわりは、低次元だな。
親は子供に言う事を聞かせたいし、いつまでも根に持つし。
でも大人って言っても、やっぱり人間だから、
自分を律していても、どうしようもなく決壊することもある。

抜粋;
  何も考えたくなかった。せめてもうしばらくは。

職場不倫をしちゃった男の独白だ。
別の人格になれたりするんだな。
新しい恋は。
背伸びしてるし、いいとこみせるし。
でも長くは続かない。

抜粋;
  仕事も何もかも放り出してやろうか。

なんて思ったり、帰りたくなかったり、無責任な男になっている。
彼は息を吹き返す方法を見つけたからよかったけど。
な~んか身につまされる。

でもさ、そんな男よりなにより、腹違いの兄に激しい恋をした沙恵が辛いよなぁ。
なのに美しく生きてるんだ、これが。
それを知っている父の胸のうちの思いがこれ。

抜粋;
  幸福とは呼べぬ幸せも、あるのかもしれない。
  叶う恋ばかりが恋でないように、
  みごと花と散ることもかなわず、
  ただおいさらばえて枯れてゆくだけの人生にも、
  意味はあるのかもしれない。

そりゃぁ、意味はゼッタイある!
あるけども、おとうさん、娘のそんな状態は本当に幸せっていえるの?
認めてしまうの?
なんだか小さく怒ってしまいますよ。


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