元気の素 SMAPに愛を叫ぶブログ

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「月のしずく」浅田次郎

2006-10-26 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
夜は、その闇で汚いものも隠してしまう。
満月の明かりはなんでもないようなものを美しく照らし出す。
舞台みたいだね。

「月のしずく」
安っぽい時計が、割れたガラスの中に落ちている。
昼間にそんなものを見ても、ちりとりと箒でゴミ箱に捨てちゃうな。
電気の明かりの下でも。

抜粋;
  月が雲間に隠れると、庭は灯を消したように翳り、
  やがてまた傾いた軒の端を切って、光が満ちた。

こんな夜の中にいたリエには、工場群さえクリスマスツリーに見える。
汲み取りのトイレと金木犀の匂いの組み合わせさえ、
へんな効果をかもしだしたんだろうなぁ。
なぜかリエを現実から童話の世界へいざなってしまう。

抜粋;
  お月様のかけらは、どこへ行ってしまったのだろう。
  もしかしたらそれは、コンビナートの高炉の炎に
  焼かれて、ひと夜のうちに溶けて流れてしまった
  のではないかしら。
  リエは壊れた時計を拾い上げ、腕に巻いてみた。
  これは、月のしずくだ。

まいったなぁ。
酔ってるなぁ。
大丈夫かなぁ。
実直なだけな男だよ?
リエを美しくしているのは、環境が大きいんじゃないの?
今までと違う生活ができるの?
辰夫だってさ、欲望をだくような世界から切り離していた
生活だから今までやってこれたんであって、
貪欲にあれもこれもと欲しはじめたら、抑制できるのかな?
経験不足なんじゃないかな。
・・・。
それとも、破綻しても、いいのかな。
男と女が一度でも童話の世界に生きられたら、本望かな。

「聖夜の肖像」
思い切らないままの恋愛を胸に秘めたまま
結婚生活を何十年も送るってさ、どうよ?
パートナーが他のヤツを好きってどうよ?
煮え切らないことが多すぎるけど、我慢強いっていうのか?
好きなんだからしょうがないってことか。
彼らは一人でそれを抱えて生きてきたって?
孤独だよ。
誰かに共有してほしいよ。
精神、病みそうだよ。

抜粋;
  きょうは特別の夜だ。サイレント・ナイト。
  でも、黙っちゃいけない。

表参道のイルミネーションも美しいクリスマスイブ。
趣味の写真を撮る夫。
そして暴露話する妻。
なのにきざな事を言うんだ、この夫ってば。
芸術家ってのは、こんなんなのか?
乱れない精神、強いってば。
やるなっ、おぬし、いい男!
ばかな女を愛して、
愛する事にはなんの不自由もなかっただろうけど、
それでよくぞこの日を迎えれましたね。
愛されたいと思わなかったのかな。
裏切りはなかったけど、
引きずったまま、夫と正面むいていないにぶい妻でも
必要だったんですね、きっと。


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