元気の素 SMAPに愛を叫ぶブログ

SMAPがSMAPらしくいられますように。草彅剛くんを贔屓にしていますが、SMAPあってこそなんです!

ラストレター さだまさし

2014-12-31 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
遠い昔、さださんが大好きでした。
日々がさださんで回っていた高校時代がよみがえりました。
ラジオ番組も聞いていました。
ラジオの時間笑い声をたてずに聞くのが大変でした。
小説にでてくるとおり、笑と感動がある時間で楽しみにしていました。

この本は内容を全く入れないで手にとりました。
読み始めは、くだけた文が読みづらくて、
隙間時間に少しづつしか進まなかったです。
でも、だんだん引き込まれて、深夜までに読み切ってしまいました。
後半、やめられませんでした。
なんだろう。
幸せな本ですね。
きっと楽しい終わり方だと確信できる流れだったです。
仕事って、いいね。
仲間っていいね。
冗談っていいね。
自分を信じて人を信じて生きてみて、
きっといいことがあるって思える、思わせてくれるそんな本でした。

「通天閣」西 加奈子

2007-09-14 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
自分の問題に向き合わない40代の男。
男に依存して自分を生きていない20代ぐらいの女。
交互に二人の生活が描写され、淡々と毎日が過ぎていく。
何が楽しいのか?
楽しまない人生を楽しんでいるのか。
時間がどんどんすぎていき、人生がすくなくなっていき、
楽しめるはずの、その年代にしかない醍醐味を
味わうことなく彼らの時間は滑り落ちていく。
そんな彼らの人生を動かしたのは、「人」。
特別に立派な人ではない。
成功している人でもない。
輝いているわけでもない。
だけど、生きている人。
家に閉じこもって、人と接しないで仕事をしていたら、
何も変わらないかもしれない。


抜粋;「オーナーも私も、聞いててん、
    チーフがいつもトイレの中で、
    別れたわけやない、て、
    言い聞かせてるの。」

泣いた。ここで。
終わっている恋に目を逸らしている女の気持ちが、痛い。
まだ大丈夫って、誤魔化していても、本当は気がついてる女。
辛いね。

でも彼女は愛を知る。
どんなのが愛か。
物語だから、こんなに都合よく、なきぬれている時に、
事件はおきるけど、
それでも、やっぱり現実でも、こういうことはあるのだと
思いたい。
昔、小さな女の子に言ってやれなかった言葉を、
今、別人に言うのだ。
ウソでも、その人が生きるのに、必要な大事な言葉を言うのだ。
回りまわって、その言葉が届いて欲しい人に、
ちゃんと届くのだと信じて生きる事ができたら、
幸せだから。

「落下する夕方」江國香織

2007-01-20 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
華子に会ってみたい。
恋に落ちた男子が哀れなくらい夢中になる女。
どんな奴かな。
恋敵の梨香も囚われていく。
どんな魅力を持っているんだろう。
自由を体現しているのかな。
ゆったりできるのかな。
輝いているのかな。

抜粋;
  華子は怠そうに起きあがり、
  おかえりなさい、と言った。
  おかえりなさい。
  子供が言うような言い方だった。
  私は胸が一杯になる。
  1ミリグラムの誤差もなく、
  正しい重さの「おかえりなさい」を
  きいたのは、ひさしぶりのことだった。

どんな「おかえりなさい」か。
聞きたかった言葉なんだろうか。
失くした言葉なんだろうか。
手に入れたいものなんだろうか。
純粋な言葉を使う女。
そんな華子を愛してしまう人たち。
本人には、生き辛い世の中のようだ。
自分の気持ちさえ信じられない華子。
真っ直ぐなのに。

「ブレイブ・ストーリー」宮部みゆき

2006-12-22 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
本という魔物は読む人次第だと。
つくづくそう思います。
三年ぐらい前にこの本を読みました。
その時は面白い冒険譚だ、と。
一気に読んだ、と。
記憶しています。
今回、再読して、遅々として進みませんでした。
胸が痛い。
ここんところコレばかりですが。
生活全般がリアルにそうなんだから仕方がありません。
それでも虚構の世界で痛んで悲しむのは、癒されます。
なぜだかは解りません。
本の存在がこんなにありがたいとは。
娯楽でしかなかったのに。
ワタルの旅は、私のすべき事。
ミツルの旅は、しないですむ。
憎しみが巨大になりすぎる前に私は引き返すことができる。
やりなおすことができる。
喜怒哀楽。
十分、十二分、めいっぱい味わいたい。


「名もなき毒」宮部みゆき

2006-12-21 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
抜粋;
  人生で必要なのは、正しい質問を、正しい時に、
  正しい相手に向かって問いかける事。

 自分の胸の内で言葉にならないけれど、後悔していたりして、
渦巻いている感情を、言い当てられた。
ものすごく痛い。
痛すぎる。
人生でこんな日が来ると思わなかった。
早い段階でなぜ問いかけなかった?、私。
きっと、自覚していないんだな、自分の感情。
抱いている思い。
ただ家族と言うだけで安心していた。
飼い猫のように。
・・・
あ、落ち込んできた。
それはそれとして。
「名もなき毒」。

怒らせると後が怖い人間っている。
電話でも、やっぱり警戒する。
邪険にして報復とかって思われたら嫌だから、
穏やかに断る術を考える。
なんでこんな世の中になってしまったんだろうか。
アレルギーをおこす物質も人生を狂わす。
子供が何に反応しているのかわからない不安。
住んでいる家、場所、地区。
動くに動けないことってあるし。
人事じゃないし。
何をどうすれば、改善するんだろう?
汚染された物質をどうしたら排出しないですむんだ?
アレルギーを起こす前にどうにかしたいんだけど。
今多会長の言葉が静かに語られる。
静かなだけに余計何も出来ない苛立ちが、怒りが伝わる。

抜粋:
  ただ、別のものを怒ってはいるよ。
  空しいとも思っている。
  自分の無力が悲しいとも思う。
  これから先の世の中が不安だとも思う。

本当にどうなっていくんだろう、この世の中は。

「福音の少年」あさのあつこ

2006-12-01 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
美しい声の柏木と、怖い自分を隠している秀才永見。
二人の少年は、面白い。
友達にはなれなくても、絡んでいるのが好ましい。
きっと別の舞台を用意しても活躍してくれるんだろうなって
期待する役者みたいな。
藍子がなぁ。
いまいち納得できない。
藍子、何考えていたの?
どうしたかったの?
身体に流されるような荒々しい精神をもっていたの?
どうもわからない。
強いて思い出すと、
漫画で、ページ制限とかあったり、
媚びた画面を作ったりする場合の違和感に近い。
そんな話にする必要があったのか?
いいキャラクターが二人もいるのに。
もったいない。
楽しみに読んだのに残念だ。

「エンキョリレンアイ」小手鞠るい

2006-12-01 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
カタカナにすると明るくて前向きになれるのか?
ミコンノハハである海晴の母親は、
「漢字の未婚の母の悲しみと涙が蒸発した存在」なんだそうだ。
世界で一番幸せな未婚の母なんだって。
私が受けとるイメージは、カタカナにすると、
「意味解ってないんじゃないか。
解ろうとしてないでしょう。」
ですが。
なんだか正面向いていない気がする。
生きていくためにここから先はダメヨみたいに。

この話は凄い恋愛にであってしまった二人ってのはいい。
二人のメールもいい。
だけど。
=お邪魔虫がでてきて
神様のイタズラで何年もオモイチガイをしていました=
ってのは嫌い。
もしかしたら、もっとその何年ものところを
書き込んであって、いい時間を過ごした事が
解ればまた違う感想も生まれるかもしれないけど。
消化不良、もしくは、食い足りないのかもしれません。

「大統領の最後の恋人」アンドレイ・クルコフ

2006-12-01 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
ウクライナの冬は、寒そうだ。
冬に向かう日本でこの本を読んでいると、
無性に温もりを求めた。
ココアなど暖をとる飲み物が、
至福を感じた。
かと思うと、夏は無闇に暑そうだ。

抜粋;
  氷はジャグジー風呂の底全体に敷き詰められている。
  私は石炭の上で焼かれるように、
  その氷に上で五分ばかり横になっていた。
  それから冷水の蛇口をひねる。
  水はざあっと流れて私の体に当たり、
  四角い氷を私の下から押し流し、渦を巻いた。

20キロの氷風呂に嬉々としてはいるんだって。
ウィスキーを持ち込んで
風呂に浮かんだ氷を入れてオンザロックにするんだって。

抜粋;
  なにか他にもっと荒々しいものがほしかった。
  私の体を共鳴させるようななにかが。

氷風呂に酒。ここに音楽を足すんですって。

抜粋;
  これぞまさに肉体の共鳴だ。
  私は軽い震えを感じた。
  それは、私がこの声を耳だけでなく
  皮膚全体で、氷風呂で冷やされた私の
  肉体の本質全体で聴いているということを
  証明していた。

寒いだけじゃないのか!
そう突っ込みたくなる。
彼がどれだけのストレスを抱えて日々を過ごしているのか。
これほどの刺激がないとやってられない感じが伝わる。
寒さ、冷たさに快感を覚えるために、
命を落としそうにさえなった過去もあるのに。
彼の空しさは、若き日の子供の死産、子供がもてなかったことが
陰を落としているのかもしれない。
時間の交錯する小説は、読みにくい。
流れるようにはいかないが、
ジグザグと曲がりくねる道から
ちらちらと見える恋人を待つように
会える時を楽しむように読んだ。
だんだん解ってくる彼が
いとおしくなって来る。
悲劇があると感情移入してしまうし。
謀略があると怒りを感じたし。
好みでない作品のはずなのに
忘れがたい印象を残した。

「月のしずく」浅田次郎

2006-10-26 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
夜は、その闇で汚いものも隠してしまう。
満月の明かりはなんでもないようなものを美しく照らし出す。
舞台みたいだね。

「月のしずく」
安っぽい時計が、割れたガラスの中に落ちている。
昼間にそんなものを見ても、ちりとりと箒でゴミ箱に捨てちゃうな。
電気の明かりの下でも。

抜粋;
  月が雲間に隠れると、庭は灯を消したように翳り、
  やがてまた傾いた軒の端を切って、光が満ちた。

こんな夜の中にいたリエには、工場群さえクリスマスツリーに見える。
汲み取りのトイレと金木犀の匂いの組み合わせさえ、
へんな効果をかもしだしたんだろうなぁ。
なぜかリエを現実から童話の世界へいざなってしまう。

抜粋;
  お月様のかけらは、どこへ行ってしまったのだろう。
  もしかしたらそれは、コンビナートの高炉の炎に
  焼かれて、ひと夜のうちに溶けて流れてしまった
  のではないかしら。
  リエは壊れた時計を拾い上げ、腕に巻いてみた。
  これは、月のしずくだ。

まいったなぁ。
酔ってるなぁ。
大丈夫かなぁ。
実直なだけな男だよ?
リエを美しくしているのは、環境が大きいんじゃないの?
今までと違う生活ができるの?
辰夫だってさ、欲望をだくような世界から切り離していた
生活だから今までやってこれたんであって、
貪欲にあれもこれもと欲しはじめたら、抑制できるのかな?
経験不足なんじゃないかな。
・・・。
それとも、破綻しても、いいのかな。
男と女が一度でも童話の世界に生きられたら、本望かな。

「聖夜の肖像」
思い切らないままの恋愛を胸に秘めたまま
結婚生活を何十年も送るってさ、どうよ?
パートナーが他のヤツを好きってどうよ?
煮え切らないことが多すぎるけど、我慢強いっていうのか?
好きなんだからしょうがないってことか。
彼らは一人でそれを抱えて生きてきたって?
孤独だよ。
誰かに共有してほしいよ。
精神、病みそうだよ。

抜粋;
  きょうは特別の夜だ。サイレント・ナイト。
  でも、黙っちゃいけない。

表参道のイルミネーションも美しいクリスマスイブ。
趣味の写真を撮る夫。
そして暴露話する妻。
なのにきざな事を言うんだ、この夫ってば。
芸術家ってのは、こんなんなのか?
乱れない精神、強いってば。
やるなっ、おぬし、いい男!
ばかな女を愛して、
愛する事にはなんの不自由もなかっただろうけど、
それでよくぞこの日を迎えれましたね。
愛されたいと思わなかったのかな。
裏切りはなかったけど、
引きずったまま、夫と正面むいていないにぶい妻でも
必要だったんですね、きっと。

「星々の舟」村山由佳

2006-10-21 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
かな~りキツイ話だ。
兄妹でなさぬ恋、不倫、強姦、先の大戦の従軍の記憶、いじめやリンチ、帰宅拒否の中年、死を意識する老人…
書き連ねると凄まじいな。
だけど、描かれている人物群は清清しい。
どろどろしていない。
ジタバタしていない。
なぜだろう。
なぜ問い詰めたり聞き出したりしない?
怒鳴って、暴力をふるう身内がいるのになかなかどうして大人。
くどくどという奴もいない。
一人の人間が決めた事を尊重するような空気がある。
私のまわりは、低次元だな。
親は子供に言う事を聞かせたいし、いつまでも根に持つし。
でも大人って言っても、やっぱり人間だから、
自分を律していても、どうしようもなく決壊することもある。

抜粋;
  何も考えたくなかった。せめてもうしばらくは。

職場不倫をしちゃった男の独白だ。
別の人格になれたりするんだな。
新しい恋は。
背伸びしてるし、いいとこみせるし。
でも長くは続かない。

抜粋;
  仕事も何もかも放り出してやろうか。

なんて思ったり、帰りたくなかったり、無責任な男になっている。
彼は息を吹き返す方法を見つけたからよかったけど。
な~んか身につまされる。

でもさ、そんな男よりなにより、腹違いの兄に激しい恋をした沙恵が辛いよなぁ。
なのに美しく生きてるんだ、これが。
それを知っている父の胸のうちの思いがこれ。

抜粋;
  幸福とは呼べぬ幸せも、あるのかもしれない。
  叶う恋ばかりが恋でないように、
  みごと花と散ることもかなわず、
  ただおいさらばえて枯れてゆくだけの人生にも、
  意味はあるのかもしれない。

そりゃぁ、意味はゼッタイある!
あるけども、おとうさん、娘のそんな状態は本当に幸せっていえるの?
認めてしまうの?
なんだか小さく怒ってしまいますよ。

「ナラタージュ」島本理生

2006-10-20 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
高校の先生に人間関係の悩み相談なんかしたことない。
心を割って話せる人間なんて高校ではできなかった。
中学の友人と進路が分かれたときも、通っている時も深く考えなかったが、
結構、閉じていたんだな。
姉が結婚して家をでて、ぽっかり空洞があったせいかな。
家庭の雑事で考えもしないまま過ぎたな。
家って家族って、どんなに支えになっているか今よく身に沁みる。
自立がどんなに大切かも。
誰だって寂しい。
けれど、寄りかかって生きていてはだめなんだな。
寄生してはね。
人間である宿主は自由な心を持っていいるからね。
人間って、たいてい、いいかげんだしね。
じゃ、共生ならいいかって、やっぱり人間はね、欲があるからね、
ここまではいいや、とか我慢できないときもあるから。
島本先生の奥さんも大事で、工藤も大事、ってのは私も我慢できないな。
別れるのが辛くても、思い出して泣けても、忘れようとしなければ、どこへもいけないし、泣き止む事はできないんじゃないかな。
小野とつきあったりしたけど、あれもどうなんだろう。
恋われてつきあえば、女の精神状態は安定するけど、男に性根が座ってないと無理だよね。
性根って書いたけど、我慢しろってことか。
彼女が好きな相手を思っているなんて無理だよね。
やっぱり気持ちが一人に定まっていないのに、好きな相手に触れちゃだめか。
身体って、身体の気持ちがあるって思う。
心と繋がってはいるけれど、同じじゃない別の感情も身体から生まれる気がする。
だから!
島本と工藤はキスしちゃいけなかったし、手つないじゃいけないし、ましてや寝ちゃだめなんだよ!
工藤は立ち直るんだろか…

「非色」有吉佐和子

2006-10-20 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
人が人を差別する。
たいていは自分を守るため。
使う人間と使われる人間。
搾取する側と搾取される側。
利益を守るためだったり、自尊心を保つためだったり。
自分よりも低い位置に誰かがいることで、心の平静を保つだけなら哀れと思うだけ。
ストレスのはけ口にしたり、金儲けに使ったり、欲に使うのは、空しくなる。
人間ってそんなものなの?
人間として自分は未熟であるけれど、そんな人ばかりじゃないと思いたい。

生きていくために必要な事は、意欲。
こうなりたい。
こうでありたい。
夢がかなえられると信じる事が出来る生活が必要だ。
眠る事、食べる事、勉強する事、安心できること。

自分はもういい大人だ。
誰が何をしてくれない、とか
誰のせいだから、こうなんだとか
ぐちぐち思っていたって何も改善しない。
人生を食いつぶすだけだ。
自分のために、子供のために、何ができるか?
愛があったら、くさい部屋でも生きていけるか?
生命を維持するだけじゃだめだよね。
なにかあったとき、気力がなくてはね。
笑子にはある。
戦後家族を養わなければならなかった時、
黒人と結婚すると決めた時、
黒い子供を育てる時、
アメリカでも生計を背負った時、
次々と妊娠出産していく時、
いつも前向きに元気だった。
無我夢中な毎日だったが。
その間も、ずっと笑子の頭は考えていた。
なぜ、どうして?
どうして夫のトムは東京とニューヨークでこんなに違うのか。
なぜ自分はプエルトリコ人といっしょにされると怒るのか。
レイドン家の育児と自分の育児との差異。
育ちが違う。
環境が違う。
約束された将来が違う。
平等ってホントは、何?
アメリカみたいに人種のるつぼであれば、それは何層にも差別はあるだろう。
日本の小さな町にだってあるじゃない。
学校だってあるじゃない。
就職する時に、親切にも助言してくれるじゃない、年長者が。
「そんな職業は、○○がするもんだよ」
○○には地域により違ったりするらしい。
種々あるらしい。
そんな差別を聞いた時は、言った人が大層汚らしくみえた、その時から。
どんなに今まで信頼してても、敬意がなくなった。
だけど自分も「そうなのか、じゃそれは避けよう」とその意見を取り入れたんだ。
自分も汚い。
なぜそうしてしまうのか?
自分は、差別される側にいたくないからだ。
差別する人間を軽蔑しているくせに、黙認しているんだな。
・・・。
ひどいことなのに。

「光ってみえるもの、あれは」川上弘美

2006-10-04 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
大人たちがいい。
自由だ。
子供からも家族からも。
祖母と母と年頃の少年の家は貧乏である、
が、品がある暮らしだ。
世間で言うところの、ろくでもない男が時々泊まったりするので、
どこが?と言われると困るが、
祖母と少年がジタバタしてない感じからかな。
ろくでもない男も、なかなか情があるのがいい。
結婚を自分から避けておいて、
子供を生ませといて、
金銭の援助もできないんだけど。
彼がいるのといないのとでは、ずいぶん違うと思う。
現状の自分がもやっていて、スパッとしてなくて、
どうしようもなくて、それでも人間は生きていく。
ぬかるんだ足元が気になるんだけど、
先に見える海の光に励まされるみたいな、
そんな感じがした。


「絶対泣かない」山本文緒

2006-09-29 | 本ー小説・絵本など読書がらみで

副題が「あなたに向いている15の職業」
全部、女が主人公。
人生、落ち込むこともあるが浮上する事もある。
ちょっと報われたり、視点が変わったりして、前向きになれたりする。
そんな短編が並んでいる本。

これらの短編を読んでいたら、人間がすきになってくる。
やさしいなぁ。
ちょっと泣いてもいいですか、と言いたくなる。
タイトルが絶対泣かない、なのにね。

人生、一生懸命やっていても、傍から見たら、ちょっとコミカルにさえみえてしまうことがある。本当に周りが見えていない感じで、正しいとか間違っているとか、そんな話じゃないんだと気付く。
山本文緒が、すきかもしれない。

「ドラママチ」角田光代

2006-09-28 | 本ー小説・絵本など読書がらみで
待つのが嫌いな男がいた。
待ち合わせをすれば、他人を待たせるのは平気なくせに待つのが嫌いだったヤツ。
理由がすごい。
寝坊プラス風呂だっていうから。
寝起きでイイから早く来い!
女を一時間も待たせるな・・・待つ私にも現在の自分から言っておこう、待つな!見限れ!
そいつは、外食は極力さけていたらしい。
デートでは平気そうだったが、注文してから待つのが嫌いらしい。
では、自分で作るのかっていえば、いい大人になっているのに自炊もできない・・・するつもりがなかったんだね、わがままだね。何様?
王様気分で優雅に過ごすことが、人間を高めるみたいなこと言ってたし。
言ってろよ、身の程にあってないし、小心ものだったし、周りに迷惑って知らないだろ、感謝も知らないだろ、って。

なんでこんなに怒っているのかって、それを許していた自分が嫌いだからだな。
待つってのは「人事を尽くして」いる場合はいいんだけどさ、胡坐をかいて、緊張感のない幼い自分がきらいになってしまうからだな。

で、本の感想はどこ行ったんだろう。。。