ひとりごちごち

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**愛犬「なると」との生活**

マルホランド・ドライブ - 悲しい夢

2007年08月04日 | 日記
昨夜何となく眠れないままケーブルTVをつけていたら、デヴィッド・リンチ監督の「マルホランド・ドライブ」(2001年公開)が始まったので見た。

「ツイン・ピークス」にはメチャクチャハマった私だが、彼の映画作品はこれまであまりピンと来ていなかったので今回もあまり期待しないまま見始めた。
だが見終わった後、未だにこの作品に心とらわれ、体内のどこかが震えているような、「揺さぶられた」感じが続いている。

「ハリウッドのダークサイド」がテーマらしいこの作品、今までのリンチの作品と同様「難解」「ワケわからん」とする人も多く、確かに好き嫌いは分かれるとは思う。
私も今までの作品はあまりよく分からなかったものの、これは「理解」はできなかったんだけど感覚的には何か「わかる」感じがした。これまでの作品と比べて(といっても全部見たわけじゃないんだけど)それでも難解度としては低い気がする。
ただ時系列が前後することと、ナオミ・ワッツとローラ・エレナ・ハリングがそれぞれ2つの名前の役を演じているので(全くの別人格ではないのだが)それがわかりにくい面もあるものの、私がイメージするリンチの「散文的な映像」という印象はかなり少なかったです。
夢って、後から考えるといろんな点で矛盾があるのに、それを見てる間は特におかしいとも思わない。そういう意味での散漫さはあるけど、支離滅裂な感じはしない。
見終わってなんだか、ものすごく悲しかったのだ。ヒリヒリした悲しい感情がずっとくすぶっている感じです。英語では感激とか心を動かされた状態を「I was moved.」と表現するけど、まさにそんな感じです。

映画を見終わって、わからないけど悲しくて、ちょっと怖くて、すごく心にひっかかるものがあったので、解説しているサイトがないか探したところ
この「[超映画分析] マルホランド・ドライブ完全解読編」(超ネタバレ)というのを読んだら目からボロボロとウロコが落ちる感じでした。
まあリンチの映画なので正解(解釈)は無限にあるのだとは思いますが、私にとってはこれはとてもしっくりくる解釈でした。もう一度本編を見たくなった。

とりわけナオミ・ワッツが凄かった。彼女は「ベティ」と「ダイアン」という二役を演じているのだが、最初二役とは思わなかった。「ちょっと感じ似てるなあ」という風に別の俳優さんが演じているのだと思ってました。映画見終わって、解説のサイトを見るまでは(遅っ!)。
それで「えっ、ダイアンもナオミ・ワッツ?」とびっくりして、わざわざYouTubeで動画見直してしまいました。それほど表情をはじめ、彼女は「別人」になっていたんです。

興味がある方は、是非見てみて下さい。見てわからなかったら、先に挙げたリンクに飛んで解説を読んでみることをお奨めします。少なくともある1つの納得行く解釈が得られると思います。

ちなみに映画のコピーは「わたしのあたまはどうかしている。」
この言葉を映画を見て&解説を読んでから、もう一度思い出してみて下さい。新たにこの1行に込められた強烈な悲しみ、業みたいなものを感じられることと思います。

マルホランド・ドライブ 
Wikipedia解説(下の方にネタバレがあります)
「[超映画分析] マルホランド・ドライブ完全解読編」(完全にネタバレです。ご注意下さい。まあ先に読んだからと言ってつまらなくなるということはないと思いますが・・

リンチの映像って(改めて思ったのですが)夢に似てますね。
それが人を惹きつけるのかもしれません。

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