芸能人でも有名人でも金持ちでもない冴えない男が、ハリウッド女優であるドリュー・バリモアとデートしようと試みる姿を追ったドキュメンタリー。この映画に関して知っていたのは、それだけだ。しかし、観たいと思わせるには、それだけで充分。面白そうじゃん。ねえ。
で、観た感想。まったくもって、予想していた通り。意外性はゼロに近い。バカバカしくて他愛ない計画を立てて実行に移し、なおかつ撮影する行動力は大したものであるとは思う。でも、面白味はほとんどない。いや、「良かったねぇ」とは思ったし、ドリューが気さくな女性であることも分かったけどね。
それで思い出したのが、『スーパーサイズ・ミー』である。「ハンバーガーばっかり食べまくったら身体はどうなる?」という思い付きで作られたドキュメンタリーだ。結果は言うまでもないだろう。ハンバーガー(に代表されるファーストフード)ばっかり食ってたら、身体に良くない。それが立証されたわけだけど、そんなこたぁ誰だって分かってるって。まあ、つまんない作品じゃなかったけどね。
『デート・ウィズ・ドリュー』の場合も、ほぼ同じ。「なんだかんだ言って、最後にはドリュー・バリモアとデートできるようになるんだろうなぁ」と思っていたら、まったくその通りになるんだもん。まあ、あまりにも上手くコトが運んだことでヤラセ疑惑も生じたみたいだけど、その真偽にゃ興味はない。娯楽作品なんだから、ヤラセだろうがホラ話だろうが、観ていて面白ければいいのだ。
しかし、この作品、観ていてさっぱり面白くない。予想通りの展開が続くのみ。そして、肝心の部分で、大きな過ちを犯している。そう、あの「偽造パス」だ。それは違法行為でしょ。いや、違法行為が必ずしも悪いってわけじゃないけど、この場合は少々タチが悪く思えるのだ。僕が堅苦しい男だからかな?
予想通りの展開を見せる作品ではあったが、意外だったこともある。主人公の性格だ。もっと内気で小心な男かと思っていたら、ものすごく行動力があるし、社交的なのだ。しかも友だちも多い。確かに外見は少々「イタい」部分もあるけど、そんなに不細工ってわけでもない。もっとも、行動力がなければ、こういう映画を作ることもなかったろうけどね。
ところで、この映画を観ていて、僕は不思議なことに気付いた。主人公の友だちや協力者たちが次々と画面に現れるのだが、それがすべて白人なのである。僕が記憶する限り、最後の最後まで黒人や黄色人種は出てこなかった。あ、ルーシー・リューは別として。
ハリウッド映画では、白人と黒人が親友同士であるように描かれていることが多い。白人の上司が黒人だったり、白人と白人以外の者が一緒に食事をしている場面も見ることも多い。でも、現実のアメリカ社会では、ほとんどの白人は白人としか付き合わないのだろうか。的外れな考えかもしれないけど、そんな風に思っちまったのよ。実際はどうなんだろ。
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