少年トッパ

殴り書き映画感想<1> 『ツリー・オブ・ライフ』 ※ネタバレあり

 冒頭に聖書の一節が引用されるので、ついつい「キリスト教にウトい日本人にゃ理解できんか?」なんて思っちゃいそうだし、途中で宇宙空間やら恐竜やらが出てくるので「常人にゃ理解不能な、天才による芸術作品か……」とタメ息をつきそうになるのだが、そんなこたぁ全然ない。この映画から放たれるメッセージは、ものすごく単純なものである。それは「オレはママが大好きだったーーーっ」ってこと。要するに、テレンス・マリック監督が作品を通じてマザコンであることを大々的にカミングアウトした、というわけだ。いや、別に今まで隠していたわけでもないだろうけど。

 そういう意味では、リリー・フランキーのベストセラー小説『東京タワー』と同じ。もちろん、マザコンであることは全然恥ずべきことではない。むしろ、息子想いで気立てが良く、しかも美しい母親を持ったことは、ものすごく幸せなことなのだ。

 しかしまあ、確かに母親のシュミーズ(って単語、最近すっかり使わなくなりましたね)を失敬し、なおかつそれを廃棄しちゃうという行為は、確かに恥ずかしい。だから、その場面の前に延々と宇宙空間とかを出して高尚そうなイメージを醸し出そうとしたのかも。つまり、哲学的に思える諸々のシーンは単なる照れ隠しじゃないか、とも思えてしまった。って、こんなこと書いてたらテレンス・マリック信者の方々に殺されそうですね。すんません。
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