「老いらくの恋」を描いた成人映画。そっち系の映画館で公開された時のタイトルは『いくつになってもやりたい男と女』だったらしい。そのままでも良かったんじゃない?
主人公の「ふなやん」は65歳の左官工。末期癌で入院している妻を慈しみながらも、スーパーで見知らぬ女のスカートをまくったり、スナックのママと昼間からコトに及んだりと、恵まれた……いや、やんちゃな毎日を送っている。ある日、中学の同窓会に出たふなやんは、初恋の相手と50年振りに再会する。老けてはいるが清楚さを失っていない彼女を見てふなやんは胸をときめかせるが、彼女の方も実はふなやんへの秘めた想いを胸に抱いていたのだ。そして……と、こんな感じで物語が進む。
とにかく愉快なのは、ふなやんの飄々としたキャラだ。これぞ自然体。大らかさが感じられる。かと思えば、スナックのママが若い男と寝ている場面に出くわすと、自分のことを棚に上げて怒り、ふて腐れる。とことん自分の感情に正直なのである。いいなぁ、こういう老人(今の時代、65歳を老人と呼ぶかどうかは難しいところだけど)。
ものすごく笑えるのは回想シーン。なんと、現在の老人を演じている俳優たちが、カツラをかぶって50年前の中学生を演じているのだ。最初は面食らったが、途中からは笑えて仕方なかった。怒って相手のカツラを取ってしまうところなんて最高。ゲラゲラ笑いたかったけど、周りで誰も笑ってないので我慢した。
意外だったのは、成人映画である割には、いわゆる本番シーンが少ないことだ。編集し直したのかな? まあ、僕としてはこれくらいで充分ですが。いやホント。
終盤でのヒロインの言葉は、とても味わい深く、なおかつ清々しい。彼女の姿を見送るふなやんの視線は、どこまでも温かい。心地よい余韻と爽やかな後味が残る作品だった。
ところで、居酒屋からホテルへ行く時って、酔っ払い運転じゃなかった? ふなやん、それはアカンですわ。火遊びは大いに結構だけどね。
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