少年トッパ

『今度は愛妻家』などの感想です。

 えー、最近すっかり感想を書くのをサボってますが、いろいろと映画は観てます。

 イチオシは今日観たばかりの『すべては海になる』。女性の書店員と男子高校生が主人公の物語です。本に「救い」を求めている人、読書を通じて自分の中の何かを変えられるんじゃないかと思っているような人なら、ぜひとも観るべきじゃないかと思います。主演の佐藤江梨子もいいし、脇を固める安藤サクラや松重豊、渡辺真起子、吉高由里子なども見事すぎる好演。ただ、柳楽優弥は……えっと、悪くないけど、最初のうち山本高広かと思えちゃって……すんません。

 『サヨナライツカ』は、西島秀俊のハダカを見たい人にはオススメ! あとは……えーっと、特に書くことはないです。というか、これ、要はバカップルの話ですね。あ、悪い意味じゃなくて、つまり、恋に落ちた(というより、発情した)男女はことごとく愚かな存在に成り下がるもんだ、という真実を見事に衝いているんじゃないかと思うわけです。なので身につまされる部分も多かったんですけど、後半は……以下略。

 『BANDAGE バンデイジ』は、北乃きいをはじめ女性陣の頑張りが目立つ映画。特に、バンドのキーボーディストが楽曲のアレンジを電話で提案するシーンが素晴らしいです。演じた柴本幸、アッパレ。必要以上に「そそる服装」を常に着用している伊藤歩、クールな雰囲気の杏も良い感じ。男性陣では高良健吾が『フィッシュストーリー』『ハゲタカ』『南極料理人』に続いて相変わらず抜群の好感度でした。
 ただ、劇中で披露されるLANDS(というバンド)の楽曲と、ボーカルを演じる赤西仁には、まったく魅力を感じられませんでした。まあ、好みの問題かな。

 では、拍手コメントでのリクエストに応えて『今度は愛妻家』の感想をば。すんません、お待たせしちゃってました。ネタバレしまくりですので「続きを読む」をクリックして、さあどうぞ。
 大きな仕掛けがある作品です。それは中盤で明かされるんですが、察しのいい人はそれ以前に気付くかも。僕は鈍感なので気付きませんでした、はい。
 で、その仕掛けってのは……書くよ? ネタバラシしちゃうよ? 読むのやめるなら今だよ? ……えっとですね、薬師丸ひろ子演じる妻は、実は一年前に事故で死んでいたんですっ。それまで画面に登場していた彼女は、だから幽霊……というより、トヨエツ演じる旦那が見ていた幻影だった、というわけです。わお、衝撃の展開!
 とはいえ、こういう手法の作品は決して珍しくはなく、ちょくちょく作られています(作品名を挙げたいところですが、そうすると該当作のネタバレになってしまうのでやめときます)。上手くいっているかどうかは当然ながらまちまちなわけですが、この作品に関しては、とりあえず成功しているんじゃないでしょうか。もうひとつ、トヨエツにつきまとっているオカマのオッサンが実は薬師丸ひろ子の父親だった、という意外な事実(でもない?)を明かすタイミングも含めて、なかなか巧みな語り口だったと思います。だがしかし!
 この映画、何が良くないかっていうと、後半やたらと大仰な芝居が続くわけですよ。声を張り上げて互いを責め合ったり、激昂したり、泣きじゃくったり。それが延々と繰り返されるので、正直言って疲れちゃいます。もっと淡々と静かに語り合えばいいじゃん。なんか舞台劇みたい……って思っていて、あとから知ったんですが、これってもともとは舞台劇だったんですね。どうりで、セリフですべてを説明しようと躍起になってるような印象を受けたわけです。いや、おそらく舞台劇としては優れた作品だったとは思うけど、それを映画にする時にはそれ相応の工夫をしないと……ねえ。『曲がれ!スプーン』とかにも言えることですが。

 もうひとつ僕が抵抗を感じたのは、トヨエツのキャラ。ガサツだったり女たらしだったりってのはいいんですが、この男、ものすごく恵まれているわけです。妻に愛されていたということ以前に、才能もあるし、見た目もいいし、スポーツ万能っぽいし、腕力も強そうだしで、つまりは人間としてエリートなわけです。優れた資質を持ちまくりなんですわ。なので、まったく共感できない……ってのは、まあ、自分がそれとは正反対の人間だから思うことでしょうね。

 そんなこんなでいまひとつ好きになれない作品でしたが、濱田岳は良かった! 気弱で純朴で冴えないカメラマン助手を演じているわけですが、この人、こういう役柄が本当にサマになるもんね。トヨエツよりも遙かに好感が持てたし、共感できました。
 その相手役を演じる水川あさみも悪くなかったんですが、えっと、こういう役柄なら、もうちょい若い子をキャスティングした方が良かったんじゃない?
 大笑いしそうになったのは、津田寛治と奥貫薫が夫婦役で登場する洗剤のCM。作り手も嬉々として作ったんでしょうね。そういう遊び心は大好きです。

コメント一覧

トッパ
おっ、気付きませんでしたか。安心しました。人様の感想を読むと、途中で気付いた方が多いみたいなので(笑)。

『サヨナライツカ』、前半はまさにバカップルの話で、それはそれなりに楽しめたんですけどね。ホント、後半は「?」の連続でした。長いし。

>だけど、25年後は変じゃない?

老けメイクが下手すぎるので、西島も加藤雅也も気の毒になりました(笑)。
海くんママ
「今度は愛妻家」にコメ書きたいけど、ネタばれになるので書けないじゃない。(笑)
わたしも鈍感組でした。(笑)

「サヨナライツカ」は途中から退屈になってきたなぁ。
加藤雅也は本当にカッコいいねぇ。(笑)
だけど、25年後は変じゃない?
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