主演は監督でもあるベン・スティラーと、ロバート・ダウニー・Jr、ジャック・ブラック。ものすごく豪華な顔ぶれであるし、感慨深い組み合わせでもある。
典型的な二枚目スターで明朗快活なイメージだったロバート・ダウニー・Jrを二十数年前に『チャーリー』や『愛が微笑む時』で見た頃は、まさかこんなバカバカしい役(もちろん、いい意味です)を演じるようになるとは思わなかった(というか、何年も獄中で過ごすことになるとも思わなかった)。思慮深く知的な青年という印象だったベン・スティラーを十数年前に『リアリティ・バイツ』で見た時も、まさかこんなバカバカしい大作(しつこいけど、いい意味です)を作るようになるとは予想しなかった(ついでに、共演したウィノナ・ライダーが不祥事を起こしたのも予想外)。人間、どこでどう変わるか分からないものである。
この酸いも甘いも知り尽くした感のある二人と比べると、さすがのジャック・ブラックも大人しく感じられる。まあ、彼の場合は最初っから曲者俳優だもんね。それに、この映画では普段ならジャック・ブラックにあてがわれそうなクドい役を超有名な某スターが嬉々として演じてござるのよ。それが誰なのかはご覧になってのお楽しみ。まあ、広告とかでバラされちゃってるけど。
派手な爆破シーンや戦闘シーンも大いに見応えあるのだが、それ以上に楽しいのは数々の有名な映画をパロった場面と、演技論などについての会話だ。「アカデミー賞を取るには愚かなだけじゃダメ」には大笑いしつつも納得。DVDやブルーレイに関するウンチク話も面白かった。というか、これはもっと聞きたかった。
そんなわけで、前半のスプラッター的描写を除けば、かなり楽しめる作品だった。でも、良識派には評判が良くないだろうなぁ。って、僕も良識派の端くれのつもりなんですが。この際、ちょっとぐらい不謹慎かと思われるネタでも笑っちゃおうよ。
お気に入り度 ★★★★★★★☆☆☆
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