右折しようとした車にバイクが衝突する事故はよく耳にします。
今日もこのタイプの事故で被害者が出たとニュースが報じていました。
原因は他の事故同様、複数のモノが考えられるのですが、中でも重要なのがバイクの速度を見誤った為にというのが、原因の大部分を占めているように思います。
何故、よく見えるはずの対向バイクの速度を見誤ってしまうのか、なのです。
車なら見誤る事が少ないのにバイクは見誤るところに、この事故の原因の多くが潜んでいるのです。
対向車の速度は、近づいてくる際の見えかたの変化により人は感じとります。
近づいてくる車は、だんだん大きく見える訳です。
しかし、バイクの場合は小さい為に、その変化がわずかで速度がつかみにくいのです。
トラックやバスは大型な為に、近づく速度を捉えやすいのですが、小型で速いバイクは速度を見誤りやすいのです。
野球で例えると、速い直球はコースは読めるが、タイミング良くバッティングするのは難しく、変化球は左右上下の変化をするために速度は読めるが、コースは読みにくいようです。
真っ直ぐに走る小さいモノは、正面から見ると速度は正確に捉えにくい事を覚えておくとミスをしにくいかもしれません。
また、緊張等の心理的な理由で速度を見誤る事もあります。
対向車を見つめてしまう、いわゆる、ズームインしてしまうのです。
見つめてしまうと、周囲の景色とのバランスで近づく変化を捉えているために見誤る事も考えられるのです。
速度を捉えるためには、小学校で習った、速度=距離÷時間な訳です。
距離と時間が把握できてなければ速度を見誤ります。
人は、距離を周囲の景色との対比の中で把握しています。
時間は、対象物の一定距離における変化により捉えています。
どちらも、見つめてしまうと周辺視野が無くなり、対象物は止まって見えるのです。
もちろん、人は距離や時間を○○キロメートル、○○時間と数値で捉えるのではなく、感覚的におおよそで判断しているのです。
多くのモノを感覚的、直感的に判断する為に、運転中はリラックスが重要です。
緊張や焦りは、視野や情報対象物の選択に影響を与えるからです。
対向車がバイクの場合、通常よりも余裕をもって判断したいものです。
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