ひかりとしずく(虹の伝言)

勉強会や講演会、上映会のレポートなど主に載せています。

 生きるとは 自分の物語をつくること

2012-11-26 | ポルカさんのちゃぶ台だよりから
もと文化庁長官で有名な心理学者でもあった故、河合隼雄先生が含蓄あることばを言われております。
「生きるとは自分の物語をつくること」(同題の本、新潮社)
「せっかく生まれてきたこの世で自分の人生をどんな物語に仕上げていこうか、という生き方のほうが幸せなんですね」
自己実現という言い方より、夢のある表現だと思います。
昨年七月、朝日新聞の天声人語にも似たようなことが書かれておりました。書き写してみます。___________________________________________________________________________
昨日の小欄で「人生もまた書物」と書くうちに、米国で会った民俗学者を思い出した。黒人の多い南部の州の大学教授だった人で、奴隷時代からの生活や文化を調べていた。
「老人が一人亡くなるのは、分厚い本を一冊失うようなもの」と話していたのが印象に残っている

彼の調べ歩いた地方には読み書きの出来ない人もいた。だがそんな人ほど回想は多彩で具体的だったという「最高の書物」は「無筆のおばあさん」だと言っていた。この評価は世界中に通じるものがあろう。

「生きている図書館」という活動がいま、欧州で広まっている、こちらは元マフィアや同性愛者といった、ふだんは接する機会の少ない人たちを図書館が招く。そして「本」として借りて、一対一で話を聞ける。社会の偏見を減らす目的で始まったといい、ある日のロンドンでは、26冊の「本」を100人の「読者」が交代で借りた。一番人気の元ホームレスは8人に読まれたそうだ。(以下割愛)

私はこの「生きた図書館」にとても魅力を感じます。ちゃぶ台ホテルで近くのお年寄りを招いてお一人おひとりの人生の物語を聞けたらいいなと想像しております。

皆さんはそんな物語を綴っておりますか?

次に紹介する新聞切抜きは昨年9月17日付のタレント萩本欽一さんが語ったこと。今はテレビ界の寵児ですが20代半ばで行き詰った時のことが述べられています。落ち込みのどん底で海から気付かせてもらった事を書き抜いてみます。
「この時、プロデューサーたちの言う通りにするのではなく、自分が思うようにやってみようと思った。いろいろな注文をすべてやろうとしたのが失敗の原因。たいした商品もない店のくせに、デパートのふりしてた。それからは、僕にはこれしかありません、それでもよかったらお持ちください。と、考えを変えた。そのひとつを、もっといい商品にすればいいんだと気付いた。」
去年、私も自分にすっかり自信を失って落ち込んでいた時、欽ちゃんのこの言葉がとても救いになりました。
「私にはこれしかありません。これでよかったら貰ってください」
そんな思いで立ち上がることができました。

ある人が“いい文章とは”というテーマでこう言われています。
「自分の一番のセールスポイントが大切。その部分しか売り物にならないもの。これについては私は自信があるという財産。それは天からあなただけに降りてくる、あなただけのいのちの言葉なのだ。」
一人ひとりの人生にはそういう物語が準備されているといわれます。“オリジナリティ”“アイデンティティ”“オンリー・ワン”とか色々言われます。人間の創造活動で最高の作品は“自分を造りあげていくこと”ともいいます。
「良い人生を生きるほど、高等な芸術はありません。あなたの仕事は聖職の一つ。私たちは人の心に奉仕するためにこの地球にいます。あなたは魂のアーチストです。(『愛への帰還』太陽出版、マリアン・ウィリアムソン著

ポルカ


いつも、面白いお話を送ってくれる友人の文章には、感心させられます。
私の職場は介護施設ですが、お年寄りの方々は、昔話を聞くと、皆さんとても波乱万丈な人生なんですよね。人生の先輩です。

私の人生のセールスポイント、未だ探し中。いつか、生きた図書館になるために。

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