ひかりとしずく(虹の伝言)

勉強会や講演会、上映会のレポートなど主に載せています。

原発のない世界へ  ①  (シェーナウ編)

2013-04-17 | 季刊誌なな色メールより
『シェーナウの想い』という映画をご存知ですか?日本の各地で上映され秋田でも昨年遊学舎や由利本荘市民交流学習センターで上映会がありました。私も由利本荘市での上映会には携わりました。

この映画は、ドイツ南西部、黒い森の中にある小さなまちシェーナウ市の住民グループが、チェルノブイリ原発事故をきっかけに「自然エネルギー社会を子どもたちに」という想いから、ドイツ史上初の「市民の市民による市民のための」電力供給会社を誕生させるまでの軌跡を綴るドキュメンタリーです。

1986年チェルノブイリ原子力発電所の事故でドイツ南西部に位置する小さなまちシェーナウも放射能による影響を受けました。不安を抱いた10人の母親が「原子力のない未来を求める親の会」を結成。自宅等で勉強会、チェルノブイリの子どもたちへの支援、村全体で「節電キャンペーン」や「節電コンテスト」を行いました。さらに住民グループは、原発に頼らない電力供給、エコ電力の買い取り価格の引き上げ、そして節電を促すために、シェーナウ電力会社(EWS:Elektrizitätswerke Schönau)を発足させます。

当時独占電力企業のKWRが所有していた電力網を買い取る必要がありました高額な金額を提示されましたが住民グループは諦めず、社会目的に積極的に融資をするGLS銀行や広告会社の無償の協力、さらには人々の善意の寄付のおかげで無事電力網を手にするに至りました。1997年、EWSは念願の電力供給を開始します。チェルノブイリ事故をきっかけにした親の会の発足から、操業に至るまで実に10年もの歳月が流れていました。今日では10万人以上がEWSから自然エネルギー電力を買っています。
「母親は、子どもを守るためにライオンのように戦わなければなりません」ウルズラ・スラーデクさん(シェーナウ電力代表・5人の子どもの母親)の言葉です。一人ひとりの努力が無ければこのような奇跡的な変化は無かったと思います。シェーナウのような実績があったからこそ、ドイツ政府はいち早く脱原発へと舵をきれたのでしょう。
日本でも上映会の開催や、EWSがドイツで発行した『原発をやめる100の理由』という本の日本版を311後に全国からの有志で作成しています。

上映会の後は参加した全員で思いをシェアしたり、情報交換、雑誌や書籍の紹介をしました。

∵食品の放射能汚染について、食事についてベクレル表示をすればいいのではという話もあるが、どうすればいいのか決まっていない。食べて応援は本当の支援ではない。国に保障を求めるべき。今は基準値以下は(100ベクレル)OK。これは今までなら放射能廃棄物として隔離されていたものと同じレベルのもの、それを食べても大丈夫とされ食卓に上がっているのだということを解っているべきである。練り物の中の魚の産地はわからない。その前に硝酸塩を使うそうです。

∵エネルギーのこと、原発を止めるとして、次のエネルギーを考えていくにも、問題を調べてクリアしていく必要がある。風力発電はフランスから取り入れていて、フランスの企業にお金が流れる。そうではなく、地元の企業(マイクロビジネス)ができること、小水力や波力だと秋田に合っている。それと、電力網のパート分けの必要性。太陽光発電ではエアメタルの採掘の場、鉱山で被害がある・・・。風力は、電磁波やセメントの埋め立て、渡り鳥の被害があるとのこと。

∵エネルギーの生産方法を違うもの(エコな再生可能エネルギー)に変えればいいというものではない。暮らし方も無駄をなくした節約的なものに変えていくことを考えないといけないと思う。

∵今の問題としては、作業員の保障をきちんとしたものにしていく必要がある。

∵TPPについて:アメリカの貿易、ビジネスを促進するものである。ビジネスに支障があれば、他国のものでも法を変えられる。原発や遺伝子組み換え作物もアメリカの企業の言いなりになる。(モンサント、シンジェンタなど)日本は今までは食物安全保障というもので守られていたがそれも危うい。シェールオイルは劇物、毒物を使って採取する。日本は塩酸だけだが、アメリカでは多くの薬剤を使ったので、アメリカでは周辺地区の地下水が汚染されて飲めなくなった。日本では水質汚濁防止法があるがこれもTPPでアメリカの企業が来ると制限できなくなる。…etc.

<書籍紹介>

Actio』 日本国内での環境、食に対する取り組みが紹介されているえこ&ぴーすな雑誌

週刊金曜日』 学校給食への働きかけや食品の汚染を減らす方法についての工夫掲載

ママ・レボ』 主婦たちが作り出した冊子

100人の母たち』 九州へ避難した亀山のの子さんという女性カメラマン(自身も親子避難)が100人の親子の写真を綺麗に撮ったもの。エッセイとともに子供への愛情がつづられています。

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