富永さなえダイアリー

"富永さなえ”の活動報告&辛口コラム

議会質問報道される

2006年09月22日 | 議会
私の、18年度第3回定例議会の一般質問が、新聞5紙(朝日。読売、毎日、産経、東京)に採り上げられました。「世田谷区の美術品の管理について」というテーマです。
大庭正明議員にも手伝ってもらい、夏休みを返上して調査していたもので、昭和42年から、美術品の点検がきちんとされておらず、美術品20点が行方不明になっていることを、明らかにしたものです。

私は、今期の議員活動の中で、一貫して税金の使い道を質してきました。
世田谷にもあったスーツ支給の問題、未利用の公有地の問題、学校の休日警備の時間外手当の問題などについて質問の中で、税金の使い方について明らかにしてきました。
その多くがマスコミにとりあげられましたが、区として公にしたくないと思っていることは特に、根気強い調査が必要です。
調査して、検証して、事実確認しての繰り返しです。
税金のムダ使いは決して見逃しません、。

こういった質問ができるのも、政党から離れて、しがらみから開放されて、はじめてできることなのかもしれません。

掲載した写真は購入価格が1100万円以上もしたアンティークオルゴールです。
今では、特養老人ホームの片隅にひっそり置かれています。

少し長いですが、質問の全文を掲載します。


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2006/09/ 一般質問

質問通告に基づき、世田谷区の美術品等の管理について伺ってまいります。

私は、今期の議会活動の中で、特に税金の使い道について質していくことを中心にすえて、質問をしてきました。
スーツ支給の問題や、未利用の公有地の問題、そして、学校の休日警備の時間外手当の問題など、税金の使われ方について明らかにしてまいりました。

今回は、区のさまざまな物品の管理について、その中でも特に、美術品の管理を例に挙げて伺ってまいります。

区の美術品は、世田谷美術館の収蔵、管理によるものと、庁舎内などに展示するものとに分けられ、総数は13000点にのぼります。


庁舎内展示用の美術品は約1200点あり、展示されている美術品以外は、船橋公文書庫や区民会館倉庫などに収蔵されています。
展示用美術品の評価額は、1点数万円から、1千万円あまりまでさまざまで、購入したものと寄贈いただいたものがあります。

今回、区が所有している庁舎内展示用の美術品を中心に点検を求めましたところ、60点にものぼる美術品の所在が不明ということが判明しました。

そこで、まずこのことに関しての事実経過について伺いますが、どうも質問通告の前後から、いろいろな場所から、なかったとされる品々が発見されてきているようですが、現在まで所在のわからない美術品は何点になるでしょうか。
また、どのような場所から発見されたのでしょうか。お答えください。
いまだ所在のわからない美術品の中には、船橋公文書庫が開設された際に、船橋デポーから船橋公文書庫に移されたものがあります。
移動の際に、一点ずつ移動番号を付けて、美術品専門業者が移動を行ったのですが、その時の点検で確認できなかった美術品もあったということです。
その結果も所管に報告がなく、台帳の記載はそのままになってしまい、今となっては、デポーに収蔵されている間に他施設へ展示したのだけれど、その情報を台帳に登録しなかったためだろうと、推測するよりほかに手だてがないといった、おそまつなものもありました。

では、なぜこのような結果になったのでしょうか。

庁舎内展示用の美術品で、台帳に記載されている購入年月日では、一番古いものは、昭和44年でしたが、それ以降一度も、きちんとした点検をしてこなかった事実が判明したのです。

区役所には、物品管理規則があり、毎年点検を行うことと定められています。
そうしますと、これは明らかに物品管理規則違反と言われても仕方のないことではないでしょうか。

申すまでもなく、物品はすべて税金で購入しており、その管理をおろそかにすることは税金をおろそかにしていることにつながります。

また、今から10年前、平成8年に、古今情報館という管理ソフトを購入して、物品管理のシステムづくりを行おうとしたようですが、基礎データの入力が行われたのは、ようやく今年度になって、ということです。この空白の10年間はどのように説明するのでしょうか。

そこでまず伺いますが、美術品の管理において、物品管理規則にしたがった点検が行われず、美術品の紛失を招いてしまったことについて、見解を質したいと思います。お聞かせください。

また、美術品は、購入価格によって、備品と消耗品にわけられるということですが、美術品を一元的に管理するルールが確立されていないということも今回の質問を作る過程で判明しました。
金額上消耗品だからといって、いいかげんに扱っていいということはないと思います。
美術品を一元的に管理するルールを早急に設けるべきと考えますが、見解を伺います。

加えて、今回行方不明の美術品も、管理のルールがしっかりしていれば、なくなることもなかったわけですが、さらに一歩進めて、管理の方法をもっと効率的にしてはどうかと思います。
最近はICタグを物品に付けて管理する方法が取り入れられて、有効だと聞きます。美術品についても、また備品全般についても、そうした方法を導入してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

美術品の管理は、点検だけに止まりません。
区民の財産をいかに有効に活用するかということです。

区立特養ホームの「きたざわ苑」のエントランスにドイツ製のアンティークオルゴールがおいてあります。
これは庁舎内展示用美術品の中での最高額、1107万1058円で平成3年に購入されたものです。
今では、ごくたまに、希望があると演奏されることもあるといった程度で、あちこちぶつけたような傷がついて、つやもなく、片隅に置かれていました。
現在、価格の評価をしたら、購入当時の値段には、はるかに及ばないことでしょう。

このオルゴールは、「きたざわ苑」がオープンしたのは平成13年4月のことですから、最初から「きたざわ苑」に置くために購入されたのではなく、実は烏山総合支所の開設に際して、ロビーに置くオブジェのかわりとして購入し、当時
は、一日4回オルゴールコンサートがおこなわれていたそうです。
「きたざわ苑」に置いてはいけないと言っているのではありません。「きたざわ苑」に持ち込まれた経緯も、こんなものが余っているようなのだけど置いてみようか、というようなことだということです。一千万円を超すオルゴールの扱わ
れ方とすればあまりにもぞんざいではないでしょうか。
価値をきちんと認識した上で、広く区民が、楽しむことができる使い道を考えるべきではないでしょうか。

また、最近の緊縮財政のもとでは美術品の購入は行われていませんが、いちばん新しいもので、平成13年、14年の購入があります。その美術品のなかには、購入されたきり一度も展示されることもなく、区民会館収蔵庫にしまわれているものもあります。
では、なんのために購入したのでしょうか。
月日が経てば資産価値が上がるというものでもないでしょう。(それにしては、区民会館収蔵庫では、管理状態が良好に保てるとは思えないのです。)
美術品は、飾って、めでる人があって、はじめて価値があるものだと思います。

区民の大切な財産である美術品の有効活用について、今後どのようにしていくのか見解を伺います。

最後に、私は、以前の一般質問でも、区の公有財産の不統一な事務処理について質してまいりました。
そういったことが、所管が変わると活かされていないということが、残念でなりません。
区の仕事のアウトソーシングがすすんでいる今、管理という仕事が大きな比重をしめてまいります。というより、役所にあって管理は基本の基本なのではないでしょうか。
今回は美術品について質問をしましたが、物品管理規則があるにもかかわらず、それがなおざりにされていたことが明らかになったわけです。
そのことからしますと、区の物品全般についても、同様のことがあるのではないかと、残念ながら懸念せざるを得ません。
また、点検作業で、棚の上から出てきたり、はずしたまましまいこまれていたりと、職員の間にも、物品が区の財産、区民の税金なのだという意識が低いように思うわけです。

今後、美術品に限らず、物品管理を徹底していくために、規則のじゅん守や職員の意識をどのように変えていかれるつもりか、区の考えを伺います。

以上で壇上からの質問を終わります。