あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

新鮮感覚で芥川龍之介

2014-12-07 | 本(文庫本)
芥川龍之介の「羅生門」「蜘蛛の糸」「杜子春」など21の作品が収められた文庫本を読みました。
2年前の入院時に、宮沢賢治の作品集を読みましたが、そのときと同じパターンの、名作を集めたお得な作品集です。
芥川龍之介の作品は、正直、前述の作品以外には「鼻」とか「地獄変」くらいしか読んだことがなかったので、この文庫本に出会えてよかったと思っています。短編なのに重めの作品ばかりですけど、「読んだ~」という充実度は半端ないです。そして宮沢賢治のときと同じく、これさえ読んでおけば芥川作品は「ほぼ読んだ!」と言ってしまってOKでしょう。ありがとうございます。

芥川賞(正しくは「芥川龍之介賞」)は、新人作家による発表済みの短編・中編作品を対象に与えられる賞で、何故「芥川賞」なのか、本書を読むとスッキリ納得できました。短編作品がこれほど鮮やかで、ボリューム感があり、ずっしりと心に残るものだとは。教科書で知るだけの芥川では、本当の価値とか良さとか、分からないだろうな~、というのが読後の率直な感想でした。短編って、深い。奥深い。
たっぷり読めてお得な本書。「前に読んだことがある「地獄変」って、こんなに迫力があったんだっけ?」とか、改めての感動もありながら、初めて読んだ「河童」と「玄鶴山房」「秋」「一塊の土」が心に残りました。全体的に夕方から夜になるときのような暗さが漂っていて、その雰囲気、正直嫌いじゃないです。
芥川作品こそ、教科書で勉強する年代じゃなくて、オトナになってから読むべき。教科書に持っている芥川の写真って、ちょっと怖い雰囲気のものだったけど、この文庫に掲載されているのはかなりイケメンな良い写真でした、ってことも記しておきます。
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