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(賽の河原上から富士山と川胡桃沢ノ頭)
ボクは人にお薦めの山を聞かれると必ずと言ってよいほどに大菩薩周辺を紹介している。バスで上日川峠まで上がれば1時間半ほどで2000m峰の主峰である大菩薩嶺まで行くことができるし、手軽に高原の景色も楽しめる。そして何より富士山が美しい。また大都市である東京から比較的近いのも魅力だ。10月の連休は中日が快晴になる代わりにかなりの暑さになる予報だったので、富士山が拝められて、かつ比較的高所から出発できる小金沢連嶺を歩くことにした。
小屋平から石丸峠
自宅の最寄り駅である新所沢から西武鉄道・八高線・中央線と変則的な形(NAVITIMEで一番安い運賃のルートを探したらこうなった)で乗り継ぎ、7時40分過ぎに甲斐大和駅に降り立つ。栄和交通のバスが出るまでにはまだ30分ほどあるが、臨時便が出るらしく、予定の8時10分よりも早く甲斐大和駅を出発することができた。バスは見覚えのあるやまと天目山温泉を過ぎるとやがて日川に沿って対面通行がやっとの細い道を登っていく。駅を出て40分ほどで石丸峠への道が延びる小屋平バス停に到着。9年前にも来たことがあるのだが、当時と雰囲気は変わらず何もない所だ。
バスを降りたのはボク以外にも二人いたが、準備をしている間に出発していた。最後尾からゆっくりと行くとしよう。まずは傾斜の急な樹林帯を行く。道が九十九折で段差の大きな所もないので、傾斜の割にはそれほどきつい道程ではない。それでも標高1700m地点の林道を越えるまでは急傾斜の道を行く必要がある。小屋平が標高1580mほどだから120mを一気に登っていかなければならない。その林道に出るとしばらくは南に進む。最初にこのルートを歩いたときは道が付け替わる前で、この辺りはちょっと歩き辛かった記憶もある。現在は迂回する形になったので、急斜面を歩く区間はやや短くなった。
カラマツ林の急斜面を登りきると緩やかな尾根に出る。日差しの下で休憩を取っている人達がいたが、どうにも暑くて自分はあまり陽の下に出たい気分ではなかった。再びやや急な所を登るが、それもすぐに終わり、あとは樹林帯の緩やかなトラバース道が続く。一帯はほとんどがカラマツ林と笹薮になっているが、今年はカラマツの色付きがあまり良くないようだ。台風の影響でかなり葉が落ちてしまっているのだろう。道がフラットになると向かいの尾根に高原が見える。狼平と呼ばれる所で、今日歩く小金沢連嶺はこうした高原をいくつも繋いで歩いていくことになる。
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(カラマツ林の急斜面 見た目よりも歩きやすい)
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(一旦緩やかな尾根に出る ここを過ぎるとしばらくはトラバース道になる)
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(カラマツ林と笹藪の道)
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(紅葉はそれなりに)
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(狼平が見える)
カラマツの樹林帯を抜けると笹原が広がる高原に出る。石丸峠はもうすぐだ。峠の手前は富士山と大菩薩湖を望む展望スポットになっていて、これから向かう狼平と小金沢山へ連なる尾根も見渡すことができる。小屋平から1時間で笹原の広がる石丸峠(およそ1930)に着く。地形図を見ると建物らしきものが描かれているが、9年前に初めて歩いた当時から何もなかった。この峠は小屋平から牛ノ寝通りへ続く道と大菩薩峠から小金沢山へと続く道とが交わる地点なのだが、牛ノ寝通りへの道はこの先の1957m峰近くから延びており、現在は変形した十字路になっている。峠まで来ると富士山は半分ほど、大菩薩湖は全体が隠れてしまうので、展望を楽しみたい人は少し西へ行くことをお薦めする。とはいえ、明るく開けた峠は気持ちが良い。もう少し涼しければもっと良かったのだが…。
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(樹林帯を抜けると遮るものの無い富士山が見える)
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(気持ちの良い笹原が峠まで続く)
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(石丸峠手前からのパノラマ)
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(石丸峠)
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(峠から熊沢山を見上げる)
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(峠からの眺め)
狼平を経て小金沢山
1957m峰を登り始めると一転樹林帯の道となる。牛ノ寝通りへの道を分け、1957m峰を越えると狼平を眼下に望む笹原の斜面に出る。狼平の背後には小金沢山へ連なる黒黒とした自然林の尾根が連なり、その左には雁ヶ腹摺山、右には大菩薩湖と甲府盆地が望める。この伸びやかな気持ちの良い景色は小金沢連嶺を代表する光景の一つだ。見晴らしの良い岩の上には山岳部らしき若者グループが居たので、写真だけ撮って狼平へと下る。狼平は木が疎らに生える笹原の広場で縦走路から外れた木の下に標識が立っている。今日はとにかく暑いので、陽射しを遮って休憩出来るところは有難い。
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(1957m峰付近は樹林帯)
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(牛ノ寝通り分岐 牛ノ寝通りも一度は歩いてみたい)
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(狼平上からの大菩薩湖)
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(熊沢山を振り返る)
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(狼平を望む)
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(狼平上からのパノラマ)
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(狼平)
狼平から小金沢山へは自然林の樹林帯が続く。最初こそ小屋平から石丸峠までで見られた笹の下草が多かったが、足下が岩場っぽくなると笹は無くなり、モミやマツの針葉樹の森となる。石丸峠への道や日川・焼山沢沿いは9年前には綺麗な紅葉を拝むことができたが、小金沢連嶺の尾根自体はそれほど紅葉を楽しめる所は多くないようだ。道は尾根の上を行くというよりも西側の斜面をトラバースしていくことが多い。傾斜も急になり、歩き難い道に手こずっていると同年代くらいの坊主頭の男性が背後からやって来た。先へ行ってもらおうとすると道が分かり難いので先行してもらいたかったと言われる。余裕があればそうしたいけれども、足が速い人にはどんどん先へ行ってもらうというのがボクの山歩きのやり方なのだ。
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(針葉樹の森を行く)
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(トラバース道が多く、道が分かり難い所もある)
小金沢山の北にある無名ピークを越えるとフラットな尾根となる。背丈の低い木が密集しているのが印象的だ。樹林帯を抜けると開けた岩場の山頂(2014.4)に出る。山頂に立つとまず目に飛び込んでくるのは青い富士山だ。無雪期の富士山は近ければ赤く見えるのだが、大菩薩周辺からだと青く見える。宝永火口が見えない位置にある大菩薩周辺は綺麗なシンメトリーの富士山を望むのに一番適していると思う。流石は大月市が秀麗富嶽十二景の2番山頂として選んでいるだけのことはある。富士山の眺めが優れている割にそれ以外の展望は木々に遮られているのも面白い。山頂には先ほど会った男性がいたが、挨拶を交わしただけで先に出発していった。しかしこの男性とはその後も度々出くわすことになる。
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(小金沢山手前 背丈の低い木が多い)
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(小金沢山頂上)
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(小金沢山からの富士山)
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(右の木の近くに大岳山が見える)
いくつもの笹原と牛奥ノ雁ヶ腹摺山
小金沢山の南側直下は開けた笹原になっている。富士山が望めるのはこの笹原があるからだ。小金沢山から牛奥ノ雁ヶ腹摺山にかけてはこのような笹原が多く存在する。展望の良い所もあり、小金沢連嶺の中でも最も面白い所だろう。小金沢山の南にある南北に長いピークを越えると東に奥多摩、西に富士山の展望が広がる。特に奥多摩側は凸凹とした大岳山が顕著だ。同時に他の奥多摩三山である御前山と三頭山も望むことができる。1985m峰周辺は笹原が茂る樹林帯。かなり倒木が多く踏み跡のない迂回を強いられる。今年は台風が多かったので、その影響もありそうだ。
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(小金沢山直下の笹原)
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(紅葉も結構楽しめる)
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(牛奥ノ雁ヶ腹摺山へ向かう途中に富士山を望めるスポットがある)
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(奥多摩三山)
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(富士山と奥多摩三山を望める展望スポット)
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(笹原が多い 昔はもっと背丈が高かったらしい)
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(樹林帯の中の紅葉)
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(倒木がかなり多く、迂回したり潜ったりを強いられる)
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(笹原と紅葉)
牛奥ノ雁ヶ腹摺山の北に広がる笹原は9年前に歩いたときは腰の高さくらいまであった記憶があったのだが、現在は膝下ほどの高さに落ち着いている。「山の写真集」の金森さんが20年近く前に歩いたときは背丈ほどの高さがあったという(そういえば石丸峠から1957m峰に登るときも腰近くの笹薮だった記憶がある)からその変化に驚かされる。黄色く色付いた広葉樹が生える緩やかな斜面を登りきると牛奥ノ雁ヶ腹摺山の山頂(1990)に出る。小金沢山と似た雰囲気でここも富士山の眺めが良い。違いがあるとすればこちらのほうが山頂は広く感じることだ。小金沢山もここも山頂の雰囲気は以前とそれほど違わないのだが、バス停へと書かれた道標があるのが気になった。9年前に書いていた記録にはこの道標についての記載はないので、近年整備された道なのだろう。かつては適当なエスケープが無いルートだったので、かなり利用価値は高そうだ。この山頂でも小金沢山で出会った男性(仮にSさんとしておく)がいた。Sさんはこのルートを歩くのが初めてのことで、ついついこのルートの魅力を力説してしまった。まあボクもこのルートを歩くのはまだ3回目なのだが、9年経っても魅力は減じていないのは間違いない。
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(牛奥ノ雁ヶ腹摺山北の笹原 膝下くらいの高さでだいぶ歩きやすくなった)
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(紅葉の森を抜ければ山頂へ)
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(牛奥ノ雁ヶ腹摺山から 中央の高い所は雲取山だろうか)
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(牛奥ノ雁ヶ腹摺山頂上)
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(牛奥ノ雁ヶ腹摺山からの富士山)
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(牛奥ノ雁ヶ腹摺山から笹原が続いており、富士山と川胡桃沢ノ頭が見えるようになっている)
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(バス停へ下りるエスケープルートができていた)
黒岳と白谷ノ丸
疲労でだいぶ足が動かなくなっていたので、Sさんより一足先に黒岳へと向かう。山頂から続く笹原を下ると正面に雁ヶ腹摺山とこれから登ることになる川胡桃沢ノ頭が見える。川胡桃沢ノ頭の北側斜面は結構紅葉しているので、登る途中で楽しめるかもしれない。富士山と川胡桃沢ノ頭を同時に望む斜面は次第に傾斜を増していき、笹原から薄原へと姿を変える。山と高原地図によるとこの辺りは賽の河原と称されているらしい。確かに所々岩が露出し、笹原の高原よりも荒涼とした感じがする。笹原が広がる鞍部には水場への踏み跡が延びている。往復30分とのことだが、未だに訪れたことがない。
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(賽の河原へ下る途中 左奥が雁ヶ腹摺山、右手前が川胡桃沢ノ頭と黒岳)
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(賽の河原上の薄原から 川胡桃沢ノ頭は結構紅葉している)
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(賽の河原 右手に水場への道がある)
鞍部から川胡桃沢ノ頭へは標高差100mの登りだ。道は確りしているが、傾斜は結構きつい。のろのろと歩いていると山頂に出る手前でSさんがやって来た。お話を聞く限りだと同年代くらいなのだろうけれども、ボクよりも遥に足が速い。ボクは年々足が遅くなるばかりなので、羨ましい限りだ。斜面を登りきると川胡桃沢ノ頭の山頂(およそ1945)に出る。開けた草原の山頂は尾根の一部といった感じで、標識がなければ山頂であると意識する人は少ないだろう。ボクはここでも休憩を取り、Sさんには先へ行ってもらうことにした。川胡桃沢ノ頭から黒岳へは地形図で見る限りでは大きなアップダウンもなく、快適そうな道に見える。実際体力的にはきつい所は無いのだが、その代わり異常に倒木が多い。倒木を避ける度に分かり難い迂回路を探す必要があり、予想以上に時間がかかる。9年前に歩いたときも自然林特有の雑然とした感じはあったのだが、これほど荒れた感じではなかった。
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(川胡桃沢ノ頭への登り 途中トラバースしながら上がっていく所)
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(川胡桃沢ノ頭頂上)
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(黒岳への道 倒木が多く、踏み跡も薄い)
大峠への分岐を見送るとほんの少しで黒岳の山頂(1987.6)に着く。頭上は開けているが、樹木に囲まれて展望が無いという点は以前と変わりない。黒岳から南へ下る道も酷く荒れており、短い距離ではあるが、何度も迷わされる。白谷ノ丸との間にある広い鞍部まで来てようやく落ち着ける。ここは落葉樹が多く、あと一週間くらいすれば盛りを迎えた紅葉が楽しめそうだ。紅葉した木々が生える緩やかな斜面を登ると白谷ノ丸の頂上(1920)に着く。山名の由来となったと思われる花崗岩らしき岩が露出する白砂の山頂で、南側が大きく開けており、展望の広さはこれまでの行程で随一だ。それだけに富士山が雲に隠れてしまったのは残念だ。
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(大峠分岐)
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(黒岳頂上)
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(白谷ノ丸への道も分かり難い)
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(黒岳と白谷ノ丸の鞍部 広葉樹が多い)
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(白谷ノ丸側から見た鞍部の紅葉)
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(白谷ノ丸頂上)
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(白谷ノ丸南東のピーク)
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(白谷ノ丸主峰からの眺め)
先行していたSさんはここで休憩を取っていて、ボクが山頂に着くと出発の準備を始めていたところだった。湯ノ沢峠への道を聞かれたのでうろ覚えの知識で山頂から直接下る道があるはずと答えてしまった。Sさんは周辺を探ってから下るとのことだったので、ボクは南東にある小ピークへ足を延ばすことにした。南東の小ピークは白谷ノ丸主峰よりも白砂のスペースが広い。まるで人工的に造られた庭のようだ。砂の上に腰を下ろし、地形図を開いて湯ノ沢峠への道を確認してみる。すると主峰から道があるのが見えた南西の小ピークを越えていくのが正解だった。Sさんが心配になり、主峰へと戻るが当然ながら居ない。一応迷って戻ってくる可能性も考え、15分ほど待った。しかし戻ってくる気配がないので、正しい道を進んだものとして湯ノ沢峠へ下ることにした。
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(白谷ノ丸南東のピークからの眺め)
焼山沢を下り、やまと天目山温泉へ
白谷ノ丸の南西のピークを越えると峠の手前までは急斜面の連続となる。疲れの出てきた身体には厳しい道だが、黒岳周辺とは異なり、道ははっきりとしている。また以前悩まされた背丈を没するほどの深い笹薮も広く切り開かれ、快適な道へと変貌していた。笹薮に囲まれた狭い湯ノ沢峠はあまり居心地の良い所とは言えず、休憩を取らずに避難小屋へと向かう。駐車スペース下にある小さな避難小屋は相変わらず健在であったが、予定宿泊が禁止になった今では存在価値はだいぶ低くなった。避難小屋の脇を下っていくと焼山沢の源頭に出る。塩ビパイプが刺してあり、水場として利用できる。掬って飲んでみたが、癖のない美味しい水だ。
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(湯ノ沢峠への道 傾斜が急なので見晴らしが良い所もある)
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(笹の密藪は広く切り開かれていた)
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(湯ノ沢峠 狭くて長居したい所ではない)
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(湯ノ沢峠避難小屋)
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(水場)
水場から下は焼山沢に沿って下る。湯ノ沢登山口から峠までは標高差が250mくらいあるが、傾斜はそれほどきついようには感じない。ただこの峠道は思ったよりも難しい。奥武蔵の峠道なら大水で道が壊されることを想定して時には高巻くこともある。しかし焼山沢では沢の中で水が少ない歩きやすそうな所が道になっているだけで、基本的には沢の中を歩くのと変わりがないのだ。しかも台風の影響で増水したせいなのかピンクテープの目印がある所に道が無いことも多い。9年前に歩いたときも歩き難かった記憶があり、小金沢連嶺のルート全体を見ても比較的山慣れた人向けと言えるだろう。右岸に付けられた道が広くしっかりしたものとなってくれば登山口も近い。廃屋を見送ると舗装路が通る湯ノ沢登山口に着く。
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(焼山沢 まずは歩きやすそうな所を適当に下る)
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(道が右岸に付けられていることが多い)
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(一箇所高巻く所がある)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/83/4dd985699161d177dec2299857871b0a.jpg)
(沢の合流は二度ある)
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(トリカブトの花 暗かったので花はブレている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/79/8991db8b62ed1f8fbf32f908f67a61a4.jpg)
(ここを沢に沿って左に進むと道が穏やかになる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/34/71a3756632f26572099eafd57742203f.jpg)
(広くなった右岸の道)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/99/f742dc1cd02eba226bef583143e1adee.jpg)
(廃屋が見えてくれば登山口は近い)
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(湯ノ沢登山口)
舗装路に出てからもバス停のあるやまと天目山温泉までは遠い。奥武蔵も名郷周辺や武甲山などのように長い舗装路歩きを強いられる所は多いが、小金沢連嶺は山道の悪さもあって、舗装路歩きがかなりしんどい。初めてこのルートを歩いたときは温泉までクルマで乗せてもらったことがあったのだが、今日は全くクルマも通らない。登山口から40分ほど下るとゲートが見えてきた。なるほどこれではクルマは通らないわけだ。しかしこれだとタクシーを湯ノ沢峠まで呼ぶこともできないような気がするのだが、現在はどうなっているのだろうか。右岸に付けられた道が左岸へ変わるとやまと天目山温泉は近い。廃屋のような民宿群を過ぎるとようやくやまと天目山温泉に着く。いやぁ、スタートから7時間も掛かってしまった。
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(焼山沢林道のゲート 一般車は通行できないということなのだろうか)
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(龍王宮 道が左岸に移るとこの神社がある)
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(天目山民宿村と書かれた看板が立つ やまと天目山温泉は近い)
温泉の入館料は3時間コースで510円と結構お安い。その分、施設は古く、ロッカーも貴重品くらいしか入れられないほど小さい(大きな荷物は休憩室に置ける)。泉質は高アルカリ性でぬるすべ感が強い。かんぽの宿寄居の金山温泉のお湯に近いだろうか。風呂を出るとアナウンスが入り、17時にバスの臨時便が出るという。急いで荷物をまとめ、バスに乗り込むとSさんがいた。Sさんの話によるとボクが白谷ノ丸南東のピークから戻ってくるの見て、南西のピークを越えていくのが下山路だとわかったという。とにかく無事下山してくれたことに安心した。
9年ぶりに歩いた小金沢連嶺は、高原と自然林の魅力は変わらないままであった。他方で笹薮の勢いは弱くなり、エスケープルートも整備されたことで一層歩きやすくなった。小金沢山や黒岳、焼山沢の荒れ具合を考えれば、まだまだ初心者向けとは言い難いものの、今後も歩く人は増えていきそうなルートであることは間違いない。
DATA:
甲斐大和駅→(栄和交通)→8:32小屋平→9:31石丸峠→9:54狼平→10:38小金沢山→11:24牛奥ノ雁ヶ腹摺山→12:05川胡桃沢ノ頭→12:40黒岳→13:02白谷ノ丸13:45→14:07湯ノ沢峠→14:51湯ノ沢登山口→15:38龍王宮→15:52やまと天目山温泉17:00→(栄和交通)甲斐大和駅
地形図 大菩薩峠 笹子
トイレ 湯ノ沢峠避難小屋近く
交通機関
西武新宿線・拝島線 新所沢~拝島 267円
JR八高線・中央線 拝島~八王子~甲斐大和 1144円
栄和交通 甲斐大和駅~小屋平(石丸峠入口) 950円
やまと天目山温泉~甲斐大和駅 300円
JR中央線 甲斐大和~国分寺 1317円
西武国分寺線・新宿線 国分寺~東村山~新所沢 237円
やまと天目山温泉 510円
ボクは人にお薦めの山を聞かれると必ずと言ってよいほどに大菩薩周辺を紹介している。バスで上日川峠まで上がれば1時間半ほどで2000m峰の主峰である大菩薩嶺まで行くことができるし、手軽に高原の景色も楽しめる。そして何より富士山が美しい。また大都市である東京から比較的近いのも魅力だ。10月の連休は中日が快晴になる代わりにかなりの暑さになる予報だったので、富士山が拝められて、かつ比較的高所から出発できる小金沢連嶺を歩くことにした。
小屋平から石丸峠
自宅の最寄り駅である新所沢から西武鉄道・八高線・中央線と変則的な形(NAVITIMEで一番安い運賃のルートを探したらこうなった)で乗り継ぎ、7時40分過ぎに甲斐大和駅に降り立つ。栄和交通のバスが出るまでにはまだ30分ほどあるが、臨時便が出るらしく、予定の8時10分よりも早く甲斐大和駅を出発することができた。バスは見覚えのあるやまと天目山温泉を過ぎるとやがて日川に沿って対面通行がやっとの細い道を登っていく。駅を出て40分ほどで石丸峠への道が延びる小屋平バス停に到着。9年前にも来たことがあるのだが、当時と雰囲気は変わらず何もない所だ。
バスを降りたのはボク以外にも二人いたが、準備をしている間に出発していた。最後尾からゆっくりと行くとしよう。まずは傾斜の急な樹林帯を行く。道が九十九折で段差の大きな所もないので、傾斜の割にはそれほどきつい道程ではない。それでも標高1700m地点の林道を越えるまでは急傾斜の道を行く必要がある。小屋平が標高1580mほどだから120mを一気に登っていかなければならない。その林道に出るとしばらくは南に進む。最初にこのルートを歩いたときは道が付け替わる前で、この辺りはちょっと歩き辛かった記憶もある。現在は迂回する形になったので、急斜面を歩く区間はやや短くなった。
カラマツ林の急斜面を登りきると緩やかな尾根に出る。日差しの下で休憩を取っている人達がいたが、どうにも暑くて自分はあまり陽の下に出たい気分ではなかった。再びやや急な所を登るが、それもすぐに終わり、あとは樹林帯の緩やかなトラバース道が続く。一帯はほとんどがカラマツ林と笹薮になっているが、今年はカラマツの色付きがあまり良くないようだ。台風の影響でかなり葉が落ちてしまっているのだろう。道がフラットになると向かいの尾根に高原が見える。狼平と呼ばれる所で、今日歩く小金沢連嶺はこうした高原をいくつも繋いで歩いていくことになる。
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(カラマツ林の急斜面 見た目よりも歩きやすい)
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(一旦緩やかな尾根に出る ここを過ぎるとしばらくはトラバース道になる)
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(カラマツ林と笹藪の道)
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(紅葉はそれなりに)
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(狼平が見える)
カラマツの樹林帯を抜けると笹原が広がる高原に出る。石丸峠はもうすぐだ。峠の手前は富士山と大菩薩湖を望む展望スポットになっていて、これから向かう狼平と小金沢山へ連なる尾根も見渡すことができる。小屋平から1時間で笹原の広がる石丸峠(およそ1930)に着く。地形図を見ると建物らしきものが描かれているが、9年前に初めて歩いた当時から何もなかった。この峠は小屋平から牛ノ寝通りへ続く道と大菩薩峠から小金沢山へと続く道とが交わる地点なのだが、牛ノ寝通りへの道はこの先の1957m峰近くから延びており、現在は変形した十字路になっている。峠まで来ると富士山は半分ほど、大菩薩湖は全体が隠れてしまうので、展望を楽しみたい人は少し西へ行くことをお薦めする。とはいえ、明るく開けた峠は気持ちが良い。もう少し涼しければもっと良かったのだが…。
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(樹林帯を抜けると遮るものの無い富士山が見える)
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(気持ちの良い笹原が峠まで続く)
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(石丸峠手前からのパノラマ)
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(石丸峠)
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(峠から熊沢山を見上げる)
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(峠からの眺め)
狼平を経て小金沢山
1957m峰を登り始めると一転樹林帯の道となる。牛ノ寝通りへの道を分け、1957m峰を越えると狼平を眼下に望む笹原の斜面に出る。狼平の背後には小金沢山へ連なる黒黒とした自然林の尾根が連なり、その左には雁ヶ腹摺山、右には大菩薩湖と甲府盆地が望める。この伸びやかな気持ちの良い景色は小金沢連嶺を代表する光景の一つだ。見晴らしの良い岩の上には山岳部らしき若者グループが居たので、写真だけ撮って狼平へと下る。狼平は木が疎らに生える笹原の広場で縦走路から外れた木の下に標識が立っている。今日はとにかく暑いので、陽射しを遮って休憩出来るところは有難い。
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(1957m峰付近は樹林帯)
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(牛ノ寝通り分岐 牛ノ寝通りも一度は歩いてみたい)
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(狼平上からの大菩薩湖)
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(熊沢山を振り返る)
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(狼平を望む)
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(狼平上からのパノラマ)
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(狼平)
狼平から小金沢山へは自然林の樹林帯が続く。最初こそ小屋平から石丸峠までで見られた笹の下草が多かったが、足下が岩場っぽくなると笹は無くなり、モミやマツの針葉樹の森となる。石丸峠への道や日川・焼山沢沿いは9年前には綺麗な紅葉を拝むことができたが、小金沢連嶺の尾根自体はそれほど紅葉を楽しめる所は多くないようだ。道は尾根の上を行くというよりも西側の斜面をトラバースしていくことが多い。傾斜も急になり、歩き難い道に手こずっていると同年代くらいの坊主頭の男性が背後からやって来た。先へ行ってもらおうとすると道が分かり難いので先行してもらいたかったと言われる。余裕があればそうしたいけれども、足が速い人にはどんどん先へ行ってもらうというのがボクの山歩きのやり方なのだ。
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(針葉樹の森を行く)
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(トラバース道が多く、道が分かり難い所もある)
小金沢山の北にある無名ピークを越えるとフラットな尾根となる。背丈の低い木が密集しているのが印象的だ。樹林帯を抜けると開けた岩場の山頂(2014.4)に出る。山頂に立つとまず目に飛び込んでくるのは青い富士山だ。無雪期の富士山は近ければ赤く見えるのだが、大菩薩周辺からだと青く見える。宝永火口が見えない位置にある大菩薩周辺は綺麗なシンメトリーの富士山を望むのに一番適していると思う。流石は大月市が秀麗富嶽十二景の2番山頂として選んでいるだけのことはある。富士山の眺めが優れている割にそれ以外の展望は木々に遮られているのも面白い。山頂には先ほど会った男性がいたが、挨拶を交わしただけで先に出発していった。しかしこの男性とはその後も度々出くわすことになる。
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(小金沢山手前 背丈の低い木が多い)
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(小金沢山頂上)
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(小金沢山からの富士山)
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(右の木の近くに大岳山が見える)
いくつもの笹原と牛奥ノ雁ヶ腹摺山
小金沢山の南側直下は開けた笹原になっている。富士山が望めるのはこの笹原があるからだ。小金沢山から牛奥ノ雁ヶ腹摺山にかけてはこのような笹原が多く存在する。展望の良い所もあり、小金沢連嶺の中でも最も面白い所だろう。小金沢山の南にある南北に長いピークを越えると東に奥多摩、西に富士山の展望が広がる。特に奥多摩側は凸凹とした大岳山が顕著だ。同時に他の奥多摩三山である御前山と三頭山も望むことができる。1985m峰周辺は笹原が茂る樹林帯。かなり倒木が多く踏み跡のない迂回を強いられる。今年は台風が多かったので、その影響もありそうだ。
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(小金沢山直下の笹原)
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(紅葉も結構楽しめる)
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(牛奥ノ雁ヶ腹摺山へ向かう途中に富士山を望めるスポットがある)
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(奥多摩三山)
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(富士山と奥多摩三山を望める展望スポット)
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(笹原が多い 昔はもっと背丈が高かったらしい)
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(樹林帯の中の紅葉)
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(倒木がかなり多く、迂回したり潜ったりを強いられる)
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(笹原と紅葉)
牛奥ノ雁ヶ腹摺山の北に広がる笹原は9年前に歩いたときは腰の高さくらいまであった記憶があったのだが、現在は膝下ほどの高さに落ち着いている。「山の写真集」の金森さんが20年近く前に歩いたときは背丈ほどの高さがあったという(そういえば石丸峠から1957m峰に登るときも腰近くの笹薮だった記憶がある)からその変化に驚かされる。黄色く色付いた広葉樹が生える緩やかな斜面を登りきると牛奥ノ雁ヶ腹摺山の山頂(1990)に出る。小金沢山と似た雰囲気でここも富士山の眺めが良い。違いがあるとすればこちらのほうが山頂は広く感じることだ。小金沢山もここも山頂の雰囲気は以前とそれほど違わないのだが、バス停へと書かれた道標があるのが気になった。9年前に書いていた記録にはこの道標についての記載はないので、近年整備された道なのだろう。かつては適当なエスケープが無いルートだったので、かなり利用価値は高そうだ。この山頂でも小金沢山で出会った男性(仮にSさんとしておく)がいた。Sさんはこのルートを歩くのが初めてのことで、ついついこのルートの魅力を力説してしまった。まあボクもこのルートを歩くのはまだ3回目なのだが、9年経っても魅力は減じていないのは間違いない。
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(牛奥ノ雁ヶ腹摺山北の笹原 膝下くらいの高さでだいぶ歩きやすくなった)
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(紅葉の森を抜ければ山頂へ)
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(牛奥ノ雁ヶ腹摺山から 中央の高い所は雲取山だろうか)
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(牛奥ノ雁ヶ腹摺山頂上)
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(牛奥ノ雁ヶ腹摺山からの富士山)
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(牛奥ノ雁ヶ腹摺山から笹原が続いており、富士山と川胡桃沢ノ頭が見えるようになっている)
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(バス停へ下りるエスケープルートができていた)
黒岳と白谷ノ丸
疲労でだいぶ足が動かなくなっていたので、Sさんより一足先に黒岳へと向かう。山頂から続く笹原を下ると正面に雁ヶ腹摺山とこれから登ることになる川胡桃沢ノ頭が見える。川胡桃沢ノ頭の北側斜面は結構紅葉しているので、登る途中で楽しめるかもしれない。富士山と川胡桃沢ノ頭を同時に望む斜面は次第に傾斜を増していき、笹原から薄原へと姿を変える。山と高原地図によるとこの辺りは賽の河原と称されているらしい。確かに所々岩が露出し、笹原の高原よりも荒涼とした感じがする。笹原が広がる鞍部には水場への踏み跡が延びている。往復30分とのことだが、未だに訪れたことがない。
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(賽の河原へ下る途中 左奥が雁ヶ腹摺山、右手前が川胡桃沢ノ頭と黒岳)
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(賽の河原上の薄原から 川胡桃沢ノ頭は結構紅葉している)
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(賽の河原 右手に水場への道がある)
鞍部から川胡桃沢ノ頭へは標高差100mの登りだ。道は確りしているが、傾斜は結構きつい。のろのろと歩いていると山頂に出る手前でSさんがやって来た。お話を聞く限りだと同年代くらいなのだろうけれども、ボクよりも遥に足が速い。ボクは年々足が遅くなるばかりなので、羨ましい限りだ。斜面を登りきると川胡桃沢ノ頭の山頂(およそ1945)に出る。開けた草原の山頂は尾根の一部といった感じで、標識がなければ山頂であると意識する人は少ないだろう。ボクはここでも休憩を取り、Sさんには先へ行ってもらうことにした。川胡桃沢ノ頭から黒岳へは地形図で見る限りでは大きなアップダウンもなく、快適そうな道に見える。実際体力的にはきつい所は無いのだが、その代わり異常に倒木が多い。倒木を避ける度に分かり難い迂回路を探す必要があり、予想以上に時間がかかる。9年前に歩いたときも自然林特有の雑然とした感じはあったのだが、これほど荒れた感じではなかった。
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(川胡桃沢ノ頭への登り 途中トラバースしながら上がっていく所)
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(川胡桃沢ノ頭頂上)
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(黒岳への道 倒木が多く、踏み跡も薄い)
大峠への分岐を見送るとほんの少しで黒岳の山頂(1987.6)に着く。頭上は開けているが、樹木に囲まれて展望が無いという点は以前と変わりない。黒岳から南へ下る道も酷く荒れており、短い距離ではあるが、何度も迷わされる。白谷ノ丸との間にある広い鞍部まで来てようやく落ち着ける。ここは落葉樹が多く、あと一週間くらいすれば盛りを迎えた紅葉が楽しめそうだ。紅葉した木々が生える緩やかな斜面を登ると白谷ノ丸の頂上(1920)に着く。山名の由来となったと思われる花崗岩らしき岩が露出する白砂の山頂で、南側が大きく開けており、展望の広さはこれまでの行程で随一だ。それだけに富士山が雲に隠れてしまったのは残念だ。
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(大峠分岐)
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(黒岳頂上)
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(白谷ノ丸への道も分かり難い)
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(黒岳と白谷ノ丸の鞍部 広葉樹が多い)
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(白谷ノ丸側から見た鞍部の紅葉)
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(白谷ノ丸頂上)
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(白谷ノ丸南東のピーク)
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(白谷ノ丸主峰からの眺め)
先行していたSさんはここで休憩を取っていて、ボクが山頂に着くと出発の準備を始めていたところだった。湯ノ沢峠への道を聞かれたのでうろ覚えの知識で山頂から直接下る道があるはずと答えてしまった。Sさんは周辺を探ってから下るとのことだったので、ボクは南東にある小ピークへ足を延ばすことにした。南東の小ピークは白谷ノ丸主峰よりも白砂のスペースが広い。まるで人工的に造られた庭のようだ。砂の上に腰を下ろし、地形図を開いて湯ノ沢峠への道を確認してみる。すると主峰から道があるのが見えた南西の小ピークを越えていくのが正解だった。Sさんが心配になり、主峰へと戻るが当然ながら居ない。一応迷って戻ってくる可能性も考え、15分ほど待った。しかし戻ってくる気配がないので、正しい道を進んだものとして湯ノ沢峠へ下ることにした。
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(白谷ノ丸南東のピークからの眺め)
焼山沢を下り、やまと天目山温泉へ
白谷ノ丸の南西のピークを越えると峠の手前までは急斜面の連続となる。疲れの出てきた身体には厳しい道だが、黒岳周辺とは異なり、道ははっきりとしている。また以前悩まされた背丈を没するほどの深い笹薮も広く切り開かれ、快適な道へと変貌していた。笹薮に囲まれた狭い湯ノ沢峠はあまり居心地の良い所とは言えず、休憩を取らずに避難小屋へと向かう。駐車スペース下にある小さな避難小屋は相変わらず健在であったが、予定宿泊が禁止になった今では存在価値はだいぶ低くなった。避難小屋の脇を下っていくと焼山沢の源頭に出る。塩ビパイプが刺してあり、水場として利用できる。掬って飲んでみたが、癖のない美味しい水だ。
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(湯ノ沢峠への道 傾斜が急なので見晴らしが良い所もある)
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(笹の密藪は広く切り開かれていた)
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(湯ノ沢峠 狭くて長居したい所ではない)
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(湯ノ沢峠避難小屋)
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(水場)
水場から下は焼山沢に沿って下る。湯ノ沢登山口から峠までは標高差が250mくらいあるが、傾斜はそれほどきついようには感じない。ただこの峠道は思ったよりも難しい。奥武蔵の峠道なら大水で道が壊されることを想定して時には高巻くこともある。しかし焼山沢では沢の中で水が少ない歩きやすそうな所が道になっているだけで、基本的には沢の中を歩くのと変わりがないのだ。しかも台風の影響で増水したせいなのかピンクテープの目印がある所に道が無いことも多い。9年前に歩いたときも歩き難かった記憶があり、小金沢連嶺のルート全体を見ても比較的山慣れた人向けと言えるだろう。右岸に付けられた道が広くしっかりしたものとなってくれば登山口も近い。廃屋を見送ると舗装路が通る湯ノ沢登山口に着く。
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(焼山沢 まずは歩きやすそうな所を適当に下る)
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(道が右岸に付けられていることが多い)
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(一箇所高巻く所がある)
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(沢の合流は二度ある)
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(トリカブトの花 暗かったので花はブレている)
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(ここを沢に沿って左に進むと道が穏やかになる)
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(広くなった右岸の道)
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(廃屋が見えてくれば登山口は近い)
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(湯ノ沢登山口)
舗装路に出てからもバス停のあるやまと天目山温泉までは遠い。奥武蔵も名郷周辺や武甲山などのように長い舗装路歩きを強いられる所は多いが、小金沢連嶺は山道の悪さもあって、舗装路歩きがかなりしんどい。初めてこのルートを歩いたときは温泉までクルマで乗せてもらったことがあったのだが、今日は全くクルマも通らない。登山口から40分ほど下るとゲートが見えてきた。なるほどこれではクルマは通らないわけだ。しかしこれだとタクシーを湯ノ沢峠まで呼ぶこともできないような気がするのだが、現在はどうなっているのだろうか。右岸に付けられた道が左岸へ変わるとやまと天目山温泉は近い。廃屋のような民宿群を過ぎるとようやくやまと天目山温泉に着く。いやぁ、スタートから7時間も掛かってしまった。
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(焼山沢林道のゲート 一般車は通行できないということなのだろうか)
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(龍王宮 道が左岸に移るとこの神社がある)
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(天目山民宿村と書かれた看板が立つ やまと天目山温泉は近い)
温泉の入館料は3時間コースで510円と結構お安い。その分、施設は古く、ロッカーも貴重品くらいしか入れられないほど小さい(大きな荷物は休憩室に置ける)。泉質は高アルカリ性でぬるすべ感が強い。かんぽの宿寄居の金山温泉のお湯に近いだろうか。風呂を出るとアナウンスが入り、17時にバスの臨時便が出るという。急いで荷物をまとめ、バスに乗り込むとSさんがいた。Sさんの話によるとボクが白谷ノ丸南東のピークから戻ってくるの見て、南西のピークを越えていくのが下山路だとわかったという。とにかく無事下山してくれたことに安心した。
9年ぶりに歩いた小金沢連嶺は、高原と自然林の魅力は変わらないままであった。他方で笹薮の勢いは弱くなり、エスケープルートも整備されたことで一層歩きやすくなった。小金沢山や黒岳、焼山沢の荒れ具合を考えれば、まだまだ初心者向けとは言い難いものの、今後も歩く人は増えていきそうなルートであることは間違いない。
DATA:
甲斐大和駅→(栄和交通)→8:32小屋平→9:31石丸峠→9:54狼平→10:38小金沢山→11:24牛奥ノ雁ヶ腹摺山→12:05川胡桃沢ノ頭→12:40黒岳→13:02白谷ノ丸13:45→14:07湯ノ沢峠→14:51湯ノ沢登山口→15:38龍王宮→15:52やまと天目山温泉17:00→(栄和交通)甲斐大和駅
地形図 大菩薩峠 笹子
トイレ 湯ノ沢峠避難小屋近く
交通機関
西武新宿線・拝島線 新所沢~拝島 267円
JR八高線・中央線 拝島~八王子~甲斐大和 1144円
栄和交通 甲斐大和駅~小屋平(石丸峠入口) 950円
やまと天目山温泉~甲斐大和駅 300円
JR中央線 甲斐大和~国分寺 1317円
西武国分寺線・新宿線 国分寺~東村山~新所沢 237円
やまと天目山温泉 510円
私もお気に入りのコースで、9年前に歩いて以来、いつかまた歩きたいなと思っていました。
>沢沿いの道から舗装道に出て、そこから温泉までが辛いですよね
実は最初に歩いたときは焼山沢を下るのが怖くて上の駐車場から舗装路を延々と歩いて下りました。途中でクルマに乗せてもらえなければこの周辺の山歩きはかなり印象が悪いものになっていたかもしれません。
展望が本当に良かったし、
風ルートが不明瞭だったりするところや、
沢沿いは恐る恐るでしだが、
思い返すと面白かったです。
帰りの車中も色々とお話いただき、
とても楽しい山行でした。
ありがとうございました。
また何処かの山でご一緒できるといいですね!
白谷ノ丸ではご迷惑をおかけしました。
自分で地形図を使うようブログで呼びかけておきながら地形図を使わないで人に道を教えるとか全くダメダメでしたね。
>また何処かの山でご一緒できるといいですね!
山歩きを続けていればいつかまたお会いすることがあるかもしれません。そのときはまたよろしくお願いいたします。