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6月23日 川端の家の方向性



 何かと忙しく、落ち着き筆をとった今は、制作をはじめて一ヶ月が経とうとしている。

 土壁の上に張り付けられたベニヤ板を取払い、その下の浮き上がった漆喰を削り落とし、雨漏りで畳の上に生えた黴を拭い、裏の井戸を五十年振りに蓋を開け、水を汲み、汲取り便所を磨き上げ、昨日の土砂降りで雨水が伝った二階の土壁の水の道筋を辿って、天井板を外し覗くと、半面に六畳程のビニルシートと無数のタライやバケツ。昨日雨の漏った側の天井裏には雨を受ける物は何もなく、漆黒の湖ができていた。

 めげずに二階の二部屋を素足でも上がれるように掃除し、井戸水を汲み、便所を使い、生活感を出してみる。

 これまでの形跡は写真とメモで少しは残っているが、しっかりと記録したわけではない。これからどのようにしていくのか、どのような方向性を持つのか。

 家の中に記憶を閉じ込めるのではなくて、そのものが作品として自立するようなものになることを願う。


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