昨年も春用ワックスの試験的なものをやっていたのだが、どうにもワックスのレポートというのは難しい。
様々に変化していく雪質にワックスが効果的に効いているか?
を他の物と比較できないので(単独では)ほとんど感覚的なものになってしまう。
いろいろなメーカーから春用として出てはいるが、いまだストップ雪に絶対的に有効というものは存在しないようだ。
ならば、ストップ雪には、がっちり掴まれずに減速はするがひっくり返るまでには至らない程度で我慢し、汚れに強いワックスというものを探した方が賢明のような気がする。
実際にはワックスにストラクチャーということになるのだろうが、ここではワックスの話だけで。
ほとんどの老舗のメーカーでは雪温で、ワックスを分けている。この雪温というのは雪そのものの温度ではなく、雪上10cmの温度だったはず。(ちょっとうるおぼえ)いずれにせよ、わかりづらいことには違いない。
おそらくはこれからは、設定0°C~などというワックスを使用することになるだろう。
いわゆる排水効果の高いワックスだ。
水分の多い雪の水分を早く排出したいということ。
だからフッ素系を使い、フッ素の含有率が高いと高額になる。
だがこの手のワックスは汚れを吸いやすくソールに汚れがついてしまう。
そこで汚れが着きにくいと言われるグラファイトソールということになるのだが、ソール自体が真っ黒なためクリーニングしなければ、汚れてるのかどうかもわからない。
これとは別に昔から、汚れが付きづらい硬いワックスこそ春用に相応しいという人もいる。
汚れを吸うのはワックスが柔らかいためなので、硬いワックスで汚れを吸わさないという考え。
排水効果を求めるか、いかに汚れさせないかという違いになりそう。
どちらも試したが、これというところには至らなかった。
このどちらとも言えないようなワックスが数社から出ている。
でっ、昨年から変えているワックス「kashiwax」について。
パウダーシーズンは基本的に3種類のベースワックスを重ねる。(写真はプラス硬さアップ用) に加えて、いろいろな滑走ワックスが存在する。(かなり種類が豊富、自分はどれも使用はなし)
だが、BCではベースとなる3種類で十分滑る。
昨シーズンから今シーズン、パウダーライディングは全てこのワックス。
すなわちベースワックスのみの滑走。
KWX-3のワックスは雪温対応するということで、雪温の変化によるワックスの変更は一切なし。
11月から4月まで、ただこの1種類のみ。
たぶんこれを聞いてビックリしている人もいると思う。
今までのガリウムだと11月~4月で最低3種類は使っている。
もしもピンクまで使ったら4種類。
それを、ただの1種類のみで対応している。
でっ、滑走はというと動画を参照していただければわかるはず。
以前のガリウムでの滑走と変わるところはない。
こうなると、いったいワックスとはなんなんだろう?
と、知れば知るほどわからなくなる。
いわゆる奥の深いものなのだと知らされる。
このkashiwax、融点が低いためアイロンの温度設定が低めでも作業ができる。
とは言えワックスの設定温度よりは上げた方が作業効率は良い。
つまり厳冬期に使う硬いワックスの作業が軽減されるということになる。
加えてただ1種類のワックスで長い期間に対応するのは楽ではないだろうか。
パウダーシーズンには、kashiwaxの1、2、3(たまに+4)の工程の作業で、十分だったというのが2シーズンの感想です。
いよいよ春に試したワックスの話ですが、長くなったので次回に。
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