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条件or無条件降伏?押し問答。Round2

2005年10月05日 | 日本の戦後処置と歴史認識
>まず、・・宣言は、・・降伏ではない。いう文章はおかしいです。

了解しました、おっしゃるとおりです。
【ポツダム宣言受諾そのものが「無条件降伏」ではない、と言う見方も成立します】
に変更します。

>とほほさんは、いまのところ取引をしたという論拠は出されていないように思いますが。今までいわれてきたのは、すべて、後日になって天皇の不起訴があったから、「取引をした(に違いない)」ではないでしょうか。

そうです、一番の根拠は示したとおり「天皇の不訴追」です。
【この方針は戦争を早期に終了させ、日本内外の人命の損失を抑えたという効果があり、さらに、占領後の政策の円滑な遂行という政治的意図もあったと考えられます。】
の説明では説得力に欠けるからです。なぜ説得力に欠けるのかは、問答に書いたとおりですが、再掲しましょう。

> つまり、米軍側にそのような思惑などないということです。その根拠を今捜索中です。

何のことはない(^^;
これのソースは「新版 続・悪魔の飽食、森村誠一、角川文庫」でした。

この本、お手元にあれば確認してください。
139P
1、天皇を逮捕し停戦命令を出させれば、ほとんどの軍人は抵抗を中止するだろう。
2.そのため軍部は米軍上陸と同時に、天皇を長野県下のマツシロか三浦半島の要塞地帯に逃亡させようとするだろう。
3、一般の民衆はほとんど無抵抗であり、食料と薬品さえ渡してやれば、米軍に手向かうことはしないだろう。
4、天皇は逃亡するであろうが、居場所は即座に判明し、逮捕は容易だろう
---などの”分析”がOSS要員に伝えられていたという。

そして現実に九月のXデーに占領計画が立てられ訓練も行なわれていた、というものです。

これはOSS(米国務省戦略活動局)の一職員の回想証言に過ぎませんし、これを裏付けるものも有りませんが、これが事実であればポツダム宣言受諾後の天皇不訴追には何ら根拠がなくなってしまうわけです。

これが、ポツダム宣言を日本が受諾しなかった場合の措置であり訓練である、とするのであれば、それも条件付降伏となります。アメリカ側の意向が天皇不起訴であったとしても無条件降伏したのであれば天皇を起訴します。
公式にはポツダム宣言受諾が無条件降伏であることには私は全く異論はありません。しかし現実面での話をしているのです

アメリカ側の天皇不訴追の方針を日本側が察知してポツダム宣言を受け入れた、のであれば日本側はどうやってそれを察知できるのでしょうか?リークであれば取引です。

リークではないとしても天皇不起訴には根拠がありません。
円滑な占領統治をするためにアメリカの自由意志での天皇不起訴論が正しいとしても。これは論理的に矛盾です。それがなければ円滑な占領統治が出来ない事は条件をつけて降伏させているのと同じだからです(つまり日本軍の抵抗力を認めている)。
つまり【見解】の問題です。

こうした点を鑑みても、「ポツダム宣言そのものが『無条件降伏』ではない、とする考え方も成立します。」は正しいわけです。

誤解があってはならないのは、本論は、【なぜ、日本ではC級の判決がなされなかったのか?】です。
であるからこうした見方も成立する以上、日米間の取引の可能性は十分にある、と言うわけで、こうした見方が歴史的な事実であるまたは真実である、と言うことを私は主張しているのではないのです。

ですから本来以下を私が知る必要はないのですが(^^;
ポツダム宣言受諾前にアメリカが天皇の不訴追を決定していた、と言う説にはどのような根拠があるのでしょうか?そしてそれを日本がどのようにして察知したのでしょうか?
某所でその根拠となる書籍を紹介していただいたのですが、紹介してくれた人物が当掲示板でもベスト3に入るトンデモさん(通称G婆)なので(^^;、その本を買う気になれないのです(笑)


>よろしいですけど。取引をしたということは、
>(1)アメリカは不訴追を決めていなかった。
>(2)日本が不訴追を条件に降伏するといった。
>(3)アメリカは不訴追を決定、通知した。
>の3要件を意味します。


(1)への反論
いえ、不訴追を決めていたとしても取引は成立します。
不訴追を決めていたからポツダム宣言を受諾した。
これは言い換えれば「不訴追を決めていなければ受諾していない」
つまり取引が成立してます。

(2)日本が不訴追を条件に降伏するといった。への反論
これこそが私の主張の核心で、日本が不訴追をアメリカが正式に決定したからこそポツダム宣言を受諾したと言うが皆さんの主張なわけです。アメリカが決定していたとしても無条件降伏をしたのであれば天皇訴追は十分にありえるにも拘らず無条件降伏であるポツダム宣言を受諾してます。つまり「取り引き」があったからこそ受諾したのです。
取り引きがなければ、アメリカが正式に決定していようがしていまいが、天皇は訴追されなければ論理的におかしいのです。

(3)への反論、「裏取引」と言うのは現在でも日常的に行なわれているものであり、この取り引きも立派に取り引きとして成立します。

>これも同様の間違いです。
>C級というのは概念、定義、取り扱いがはっきりしていない。したがってC級で訴追するのは法律の精神上、難しかった。


しかし、現実にその前例(言うなれば判例)をもって採決されたニュルンベルグ原則により行なわれた裁判ですC級を適用しなかった理由としてはやはり説得力に欠けます。現実にC級でなくては裁けない事例、満州統治・朝鮮統治等植他民地支配中の各種犯罪、日本での人権弾圧、等戦前からの体制の罪悪を裁くにはC級以外には適用できません、それが裁かれていない。

>もともとC級が措定されたのはナチスによるユダヤ人虐殺があまりにもひどかったから構想されたのである。包括的な定義が先にあってそれを適用したのではない、目の前に極端な不正義があり、その犯人が捕まっている。だから放置するわけにはいかなかった。だから訴追がなされ、どの件がどういうC級の範疇かは検討さえなかった。

付け足せばA級、B級では戦争前に行なわれた体制の犯罪を裁く事が出来ない事も一つの理由です。つまり「国際軍事法廷は、ナチスは26年にわたる犯罪の共謀を行なったという考えに立っていた。戦争機械を建設し、ヒトラーのユダヤ人憎悪を満足させ全欧州をドイツ帝国とする目的をもっていたとした。」(中帰連33号、前田明)のを裁く為にC級は措定されたわけです。

>C級が訴追されることが少なかったのは、こういう事情によるのであり、特別にアメリカが気を利かせてしたわけではない。(731部隊だけは別です。これは花岡事件より罪は重大であり、アメリカの不訴追、データ持ち逃げは犯罪行為)。

731について私の主張に異論のある方はいないと思いますし、当然だとおもいます。

しかし、そうした事情を言うのであれば、そもそも「軍事法廷」そのものを開設する理由さえないのです。戦勝国は一方的に敗戦国を処断するに十分な理由があるのです。
よく、事後法だから正当な裁判ではない、というのは言われる事でそれは全くその通りであるが、国際軍事法廷を開設する、と言うことそのものが事後法です。戦勝国は一方的に敗戦国を処断することも出来たのです。そして実際連合国側にその意見も強くあったことはすでに提示済みです。

>A級とB級は内容・対象がまったく別の犯罪ですから、双方を犯したものに対しては併用が可能です。C級の行為内容は虐殺・虐待ですから、時間と場所と実行者があえば、B級と重なり合います。B級は戦争行為によるもの、付随するものですから、戦時国際法によって裁くことが出来ます。行為内容自体としてはB級と同様でありながら、対象者が自国民、被占領他国民であったり、行政機関や警察によるものであったりする場合はその国の主権を越えて他国が裁くことは法の伝統にありませんでした。

うん、これはタラリさんに反論しようと考えていた事です。
確かにB級でも占領地住民の殺人・虐待・奴隷労働その他の目的の移送を裁く事が出来ます。C級の法的根拠が薄弱だからB級で裁いたと言うのであればナチスのC級犯罪の中にはB級で十分に補える犯罪も多数あります、これをB級で処断しなかったのはなぜなのでしょうか?

おっしゃりたい事はわかります、欧米に根強くある人種差別とアジア蔑視の思想の影響説は確かにある程度の説得力は持ちますが、しかし、曲がりなりにも「法廷」です。

>人道に対する罪一般がC級と名付けられたのではありません。B級で扱うことができなかった犯罪のうち人道に対する罪がC級とされたのです。

しかしすでにニュルンベルグで判例があり【ニュルンベルグ原則】に基づいて行なわれた裁判です。アメリカの意向が影響できた原因こそが、B・C級にこだわっていない当時の法廷状況を物語るものであり、アメリカはアジア諸国にとっての解放軍である事も影響しやすいです。


>人道に対する罪を犯したものを指導者に復帰させるわけにいかない、という判断。
>アメリカにとって一番恐るべきはアメリカ人を殺した戦争指導者たるA級戦犯のはず。C級は朝鮮人・中国人を虐殺・虐待したのだからアメリカにとってはじゃまにならない。A級さえ後にすくいあげたのであるから、C級はなおさら問題ないはずではないか。


いえ、戦前体制を護持するためには、C級の適用は非常に不都合になるのです、これは私が最初に論証した事です、A、B級であれば戦争犯罪であるので「戦争が悪い」の論理が通用します、C級となればそうは行かないわけです。

>C級が十分、訴追されなかっことをもって、アメリカの特殊な意図を推定するのは無理筋というもの。この件に関してとほほさん推定を支持するアメリカ側資料は無条件降伏の場合より乏しい。

公式にはポツダム宣言が無条件降伏であることには何ら依存はありませんし、私の説が論拠に乏しい事も認めますが、否定は出来ません。そもそも「無条件降伏」に対する私とタラリさんの見解が異なります、今回の投稿で私の見解を明示してみました、取り引きとは、、、、。の部分です、いかがでしょうか?
しつこいようですが、重ねて言います。私は「無条件降伏ではない」と言っているのではないです。「無条件降伏ではない、と言う見解も成立する」と言っているのです、これは私の何時もの「言葉が滑った」ではなく、考慮しての言い回しなのです。


>>これのソースは「新版 続・悪魔の飽食、森村誠一、角川文庫」でした。

>示して下さったソース(根拠)はすでに問答板で読みましたが、何を言っているのかさっぱりわかりません。残念。

つまり、天皇を訴追しての占領政策にアメリカ側は意外と楽観的であった傍証と言う事です。


>とほほさんが100円持っており、私がアイスを持っていたとします。
>とほほさんが100円やるから、アイスをくれといって私が応じる。カネとモノが交換される、これは取り引きです。


ここまで言ってしまうと「降伏する」と言う行為そのものが取り引きです(^^;
そこで、この取り引きに条件が付いたのか否か?が論点です。

アメリカが「お前の100円を全部取り上げるぞ」がポツダム宣言です。
これを受諾するか否かを日本に選択させているんです。

ところが日本が「アメリカはその代わりにアイスをくれるつもりだ」と言う事を察知していたとします。だから「お前の100円を全部取り上げるぞ」宣言に応じたのであれば「アイスをくれるなら」と言う条件付で取り引きが成立しているのです。
日本は察知していなかった100円を全部渡すつもりで受諾し100円を渡したのであれば「アメリカにその代わりにアイスをくれるつもりだ」と言う意思決定があろうがなかろうが、無条件で100円をアメリカはもらったのです。天皇を訴追しない理由がなくなったのです。なぜ訴追しなかったのでしょうか?

>ところが、とほほさんが、以前タバコをもらったからという気持ちで100円をくれたので、私はその気持ちは知らずに、すまないなと思って手持ちのアイスを渡す。これは取り引きとはいいません。

そのアイスを渡す理由がアメリカにはない、と言う事です。日本はアメリカにタバコをあげたことも何か恩を売ったこともありません。

>あるいは私がはじめから、好意でアイスをとほほさんにあげた。とほほさんが気を使って100円をくれた。これも取り引きとは言えません。

アメリカが好意で天皇制を護持したのですか?天皇制の護持がなぜ日本に対する好意なのでしょうか?

>これらのケースはいずれも外から眺めれば、モノ、カネの動きは同じです。しかし、本人の意図は違います。すなわち、取り引きの証明にはモノ、カネの動きだけではなく、本人たちの意図の証明が必要なのです。

それを「公式」と言うのですよね。非公式な形での裏取引はそこら辺に転がっています。談合はそれが証明されて始めて犯罪として立件されますが、証明できないからと言って談合がなかったとはいえません、状況証拠が十分に示されれば立件できるでしょうし、十分ではないにしろ「談合を疑う」と言う見解は誤りでは有りません。

>天皇不訴追とポツダム宣言受諾だけで、アメリカ、日本の意図を決めつけることは出来ないのです。

ですから「そう言う見解も成りたつ」と表現しているわけです。無条件降伏ではない、と言っているわけでは有りません。疑うに値する状況証拠を示しているわけです。

>-日本はアメリカが正式に決定したことを把握していない。アメリカの回答から、なんとか不訴追だけは免れるのではなかろうか、という感触を得ただけで確信はもっていない。だからこそ、アメリカの回答は天皇制の維持のことと判断して受諾する、と勝手な解釈を宣言して受諾し、もし占領後に天皇制に手をつけられれば、反対する余地を残そうと試みた。

では、少なくともポツダム宣言受諾後に取り引きがあったことは認められるわけですね?それであれば私も同意できます。あくまで【ポツダム宣言受諾でさえ無条件ではないと言う見解も成立する】のだから取り引きの可能性は十分にあると主張しているわけですので、ポツダム宣言受諾が無条件ではない、と言う主張にこだわる理由は私にはありません。

天皇を訴追しない事をどうしてそれほど私が根拠として大きく評価しているかと言えば「国際軍事法廷」の目的が開戦の最高責任者の処断だからです。

>事実関係として「日本が不訴追を条件に降伏するといった」ことはないのです。日本が照会したのは「国体の護持」がなされるか否か、ということです。「国体の護持」というのは狭義には内包として天皇制の維持でしょうが、その外延としては「我が皇祖コウソ・・・」とか、「一君万民」とか「金瓶無穴」とか「八紘一宇」とか、英語の文章にも載らないような訳の分からないエトセトラがありますから、答えようがありません。その結果「われらは右の条件から離れることなかるべし」という返事が返されました。つまり、答えはなかった。

ここに異論はありません。

>天皇の訴追と「国体の護持」の関係は不明です。たとえば訴追されても皇太子が天皇に昇格して天皇制を続けたら護持されたのかもしれません。訴追されても審判の結果、戦争責任なしになって、そのまま在位できるのかも知れず、退位して責任をとれば済むのかも知れず、訳が分からないのです。

それは先に私が示しております。天皇制を国民が選択するかいなかの自由意志に任せるとしても天皇を訴追しない理由はないのです、天皇が有罪判決をうけようが無罪判決を受けようが、その上で国民が天皇制を選択したのであればそれは取り引きがなかったと言えるでしょう。天皇が死刑判決を受けたとしても皇室は続くわけですから、、、。

そもそも、国体を国民の選択に委ねた事がありますでしょうか?憲法制定の経緯にまで踏み込んでみてもアメリカの意図は天皇制護持をはっきり示しています。


>私の把握する事実関係は
>(1)アメリカは不訴追を決めていた。
>(2)日本が不訴追を条件に降伏するといった事実はない(見つかっていない)。
>(3)アメリカが不訴追を決定、通知したという事実はない(見つかっていない)。
>よって取り引きは否定されている。


証拠がないから「なかった」と言う主張でしょうか?
少なくとも疑わしい状況を私は提示しているはずですが、、。
また、私は「ポツダム宣言受諾そのものが、無条件降伏ではないという見方も出来る」としただけでそこにこだわる必要は私にはないのです、そこに五番街さんとタラリさんが反応されたので、それを説明しているだけで、私の主張は「天皇の不訴追は日米間の取り引きを疑わせるに十分な状況証拠がある」と主張しているのです。

>>確かにB級でも占領地住民の殺人・虐待・奴隷労働その他の目的の移送を裁く事が出来ます。C級の法的根拠が薄弱だからB級で裁いたと言うのであればナチスのC級犯罪の中にはB級で十分に補える犯罪も多数あります、これをB級で処断しなかったのはなぜなのでしょうか?
>「ナチスのC級犯罪の中にはB級で十分に補える犯罪」というものがあったのでしょうか。私は知りませんでした。それについて事例を示して下さい。

アウシュビッツで戦時中に行なわれた行為はB級では裁けないのでしょうか?
ゲットーへの強制移住はB級で裁けないのでしょうか?(これは戦前に行なわれたものでした?)

>>>人道に対する罪一般がC級と名付けられたのではありません。B級で扱うことができなかった犯罪のうち人道に対する罪がC級とされたのです。

満州支配、朝鮮支配、台湾支配中に行なわれた犯罪等ですよね?