弟の独り言はエスカレートしていった
妄想・幻聴・幻覚との会話は1日中途切れなかった
時には大爆笑をしていたこともあった
周りの家族の声が聞こえなくなっていった
時々親が
「ご飯食べなさい」
「お風呂入りなさい」
など日常の事でも
強く言うと激怒した
妄想との会話を遮断されると容赦なく暴れた
母親は階段で突き落とされ、手首を骨折した
父親はフォークで頭を刺され、流血した
発症する以前から仲が良くなかった兄は
弟に近づこうとはしなかった
自身の病識が無い弟に、病院へ行くように促すと
「オレは病気じゃない!」
「病院なんて行かない!」
と強く否定した
いつも母親が一人で通院し
主治医に生活状況を説明して
内服薬をもらってきていた
この状態が一年以上続いた